ストーリーの基本構造を知る

bird and insectのdirector/editorの主馬です
人と話す、モノを売る、映像を作る
あらゆる場面で必要なストーリーテリング
今回はそれについてまとめてみる

ストーリーの材料

テーマ　その行動により大きな目的や意義を伝えていること
流れ　序盤・中盤・終盤があること
変化　登場キャラクターや状況に変化があること

ということはこの３つがあればどんなことでもストーリーにできるはず
逆にこの要素がなければストーリーにならないのか？

ストーリーの基本構造

次に基本的なストーリーの構造についてまとめてみる
こうしてみると改めてそれまでの状況や世界を一変させる
そんな出来事やアクションが大事なんだなと思う
広告ではここがプロダクトになってゴールがそれを使って変わる
ユーザーの日常とかになってくるってことなのかな

構造的にはどれも同じような曲線を描いていくので
考えやすそうなものをベースに構成していけば良さそう
またこの曲線の複雑さとかがストーリーの満足度や厚みになっていく

起承転結

古代中国の詩の構成方法が起源になっている、ストーリーの基本スタイル

起：設定の説明＋物語が動き出すきっかけ
承：物語が動き出し、話が進んでいく
転：物語の流れが変わるできごとが起こる
結：物語の結末

序破急

もとは雅楽の楽曲、舞楽曲のなかでは中心となる当曲の楽章［構成単位］の名称に由来する言葉。現在では能楽をはじめ芸道や武道などでも使われる、日本人特有のリズム感を表す概念となっています。

序 : 物語の導入
破 : 物語に大きな変化が訪れる部分、表現したい部分
急 : 物語を締めくくる部分

ヒーローズジャーニー

古代から受け継がれる神話に共通する「物語の流れ」とユングの深層心理学をもとに生まれた。ジョージルーカスがこの普遍の法則を大ヒット映画「スター・ウォーズ」に適用したとして広く知られるようになり文化、言語、時代を問わず、基本的には世界共通のパターン

1. 日常の世界The Ordinary World
2. 冒険への誘いThe Call of Adventure
3. 冒険を拒絶Refusal of the Call
4. 賢者に出会うMeeting the Mentor
5. 第一関門突破Crossing the First Threshold
6. 試練、仲間、敵対者Tests, Allies, Enemies
7. もっとも危険な場所への接近Approach to the Inmost Cave
8. 最大の試練The Ordeal
9. 報酬Reward (Seizing the Sword)
10. 帰路につくThe Road Back
11. 死と復活Resurrection
12. 宝を持っての帰還Return with the Elixir

ナラティブアーク/ストーリーアーク

1863年ドイツ劇作家グスタフ・フライタークが打ち出した物語の構造理論

1.状況説明 （どこで何が起こっている、登場人物の背景、問題）
2.上昇展開 (何かが状況を変えていく)
3.クライマックス（解決方法、価値提案）
4.下降展開(オチになるのかな)
5.結末（解決したこと）

ストーリーのタイプ

これは主に映画の脚本における主なストーリーのタイプだが
広告などにも応用できるのでまとめておこう

家の中のモンスターMonster in the House

「家」という逃げ場のない空間でモンスターから
逃げて生き延びようとするストーリー

金の羊毛Golden Fleece

旅に出た主人公が当初もとめていたものとは別の
大切なものを手に入れるストーリー

魔法のランプOut of the Bottle

主人公が不思議な力を手にし、様々な経験をするが
結局最後は普通の人間が一番であると気づくストーリー

難題に直面した平凡なやつDude with a Problem

どこにでもいそうな人がとんでもない状況に巻き込まれるストーリー

人生の節目Rites of Passage

思春期、中年の危機、老い、失恋、愛する者の死など人生の岐路に立たされた主人公が、苦悩の末に本当の自分を受け入れるというストーリー

バディとの友情Buddy Love

何かが欠けている主人公が、それをおぎなう存在に出会い
共に成長するというストーリー(性別が変わればラブストーリー)

何故やったのか？Whydunit

物語に隠された秘密の本当の意味がわかったとき
見えていた景色が一変するタイプのストーリー
ミステリーやサスペンスもの

バカの勝利The Fool Triumphant

みんなに見下されているが、逆にそのおかげでバカは最終的に
光り輝く勝利を手に入れるストーリー

組織のなかでInstitutionalised

特殊な家族や組織のなかに身を置く主人公の苦悩を描いたストーリー

スーパーヒーローSuperhero

超人的な力を持つ主人公がありきたりで平凡な状況に置かれたり
特別であるがゆえに悩むというストーリー

といった具合に先人たちが築いてきたものを知るだけでも
自分のオリジナルのものを作りやすくなるので参考にどうぞ
今後もまとめていきます。