マガジンのカバー画像

エッセイ・日記(連続もの)

4
複数記事にわたる、エッセイ・日記です。
運営しているクリエイター

記事一覧

谷村に教えられたこと【好感度上昇サプリあとがき#4】

前回はこちら 共感と羨望 気が付くと、時刻は19時を回っていた。 上がっていた後編の2話。 私は、ゆっくりとカーソルを合わせる。 その手つきに、一週前の躍動感は無かった。 多量の好感度を手に入れ、別人の様になった谷村。 だが、徐々に綻びが出てしまい、親友や彼女を傷つけていく。 「こんはずじゃなかった……」 そう滲ませる谷村を見ていると、他人事とは思えなかった。 その後、彼はどん底まで落ちることになるが、 最終的には、一筋の光を手にする。 そんな姿を、羨ましく

残響と焦燥【好感度上昇サプリあとがき#3】

前回はこちら 実体化した想像 4月28日19時00分。 私は自宅でパソコンと対峙していた。 呼吸を整え、F5キーを押す。 すると、動画が二本浮かび上がった。 そして、おそるおそる『#1』をクリックした。 動き始める映像。 程なくして、現れたのは 私の脳内にいたはずの男だった。 覇気のない顔に、全身から醸し出す哀愁。 フワフワとした存在だった谷村雄二が、鮮やかな実体となっていた。 彼だけではない。 肩身の狭い職場、嫌味な取引先、唯一の親友。 思い描いていた世界

そしてドラマに【好感度上昇サプリあとがき#2】

前回はこちら 追い付かない実感 メールの中に、ウソは1ミリも無かった。 賞金の入金、授賞式の案内、テレビ東京の方との顔合わせ。 流れるように話は進んでいった。 気持ちに整理もつかぬまま。 2022年4月28日。 表参道を歩く私の表情は、強張っていた。 ――どうすりゃ良いんだ……。 賞をもらったことなど殆どない。 あると言っても、書初めの金賞ぐらいだ。 30数人のクラスの中で選ばれるのさえ緊張するのに、 創作大賞の応募数は、17,000近く。 もはや、よくわから

一通のメール【好感度上昇サプリあとがき#1】

はじめに どうも、目からウロコです。 小説では無く、近況のシェアになります。 昔から我慢するのは得意で、本音を出すことは稀でした。 嫌なこと、辛いことがあっても必死に耐え忍ぶ。 それが私の生き方でした。 でも、創作活動を初めて一年半。 あまりに目まぐるしい変化で、その容量も限界を迎えました。 創作大賞での入賞、ドラマ化、ドラマの放映まで。 ジェットコースターの様な感情の動きを、 4回に分けて記していきます。 (回数やタイトルは、変わるかもしれません) 創作の始ま