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【私が出会ったモンスターな人々】〇〇ハラな先輩

社会に出ると、それまで接することがなかったさまざまなバックグラウンドを持つ方と交流することになります。
新しい人と交流することで、人は様々なことを学べます。
しかし、中にはどうしても合わない人も・・。

特に同じ会社、同じ部署だとその人と相性が悪くても逃げることができません。
「スタートアップ」や「ベンチャー企業」と言われる組織は、大企業に比べて年齢層も低く、社会人経験も短い方が組織のマネジメントや後輩の指導にあたることが多いためその傾向が顕著な気がします。
私が出会ったある先輩も、そんな中の一人でした・・。


私が新卒で入社した会社は、社長などのマネジメントメンバーは30代、社員のほとんどが20代という会社でした。
それでも大学を卒業したばかりの私からすれば、社長や取締役は「雲の上の人」ですし、2、3歳上の先輩は「おとな」に感じたものです。

私が勤めていたGameWith社やABCash Technologies社も、平均年齢が20代後半なので、みんなからすると40代半ばの私は「おじさん」だと思っているも、かつて私がそう思ったのでよくわかります(笑)

本記事の主人公であるAさんは、大学を卒業後、百貨店勤務を経て、私とほぼ同時に入社してきました。
年齢では2歳上ですが、新卒の私からすると社会人3年生では「大先輩」です。
見た目がスマートで、当時流行っていたスーツを着こなしているAさんは「優秀な先輩」で、初めて挨拶をしたときはとても緊張したのを今でも覚えています。

Aさんも私も、共に新規事業の企画担当者でした。
他社での社会人経験もあり、資料を作るも早く、明るいAさんは社内でも一目おかれており、当初は私はいろいろなことを教えて頂きました。
情報収集の仕方、資料の作り方、プレゼンの仕方など、どれも学生時代とは比べものにならないレベルのものを求められますが、当然及第点はもらえず、「期待の新卒なのに・・」や「同じ大学出身なのに・・」とよく嫌味を言われていました。

スタートアップの良いところは、大企業では分業化されていることを全てやることができ、若輩であっても会社の代表として他社や取引先に提案する機会などが次々与えられることだと思います。
そしてその「機会」は人を成長させます。
社会人1年目から数多く提案する機会をもらい、拙いながらも回数をこなすことで資料作成やプレゼン能力も少しづつ鍛えられていきました。
事件はそんなある日に起こりました・・。

Aさんは飲み会が入ってしまい、明日の提案資料ができないと騒いでいました。
商談スケジュールがちゃんと組めていないAさんが悪いのですが、会社として穴をあけるわけにはいきません。

後輩として手伝いと申し出たところ、AさんからいくつかのURLが送られ、それを基に明日までに提案資料を作っておくように言われ、Aさんは飲み会に向かってしまいました。

詳細な指示を受けていなかったのですが、Aさんの提案資料を基に市場データの更新や明日の訪問先への提案内容の骨子を組むだけだったと思います。
しかし、知見がない業界のため苦戦・・。
結局、家に仕事を持ち帰り、睡眠時間を削って作業を終わらせました。

翌日、Aさんに資料を提出しましたが、Aさんはほとんど目を通しません。
さらに自分が作った資料ではないので説明できないので私に同行を求めてきました。(私も業務があったのですが・・)

プレゼンは、私が大枠を説明し、Aさんがフォローをしてくれる形で進んでいきます。
そしてプレゼンが終わり、事件は起こりました・・。

取引先「昨日お願いしたのに、資料はよくまとまっていますね。」
Aさん「ありがとうございます。御社からお声がけ頂いたので、私が全力で提案資料を準備しました。」
私(えっ、作ったの私なんですが・・)

今となっては「後輩(部下)の手柄を自分のものにする先輩(上司)」として流せますが、その時は少し顔に不満が出ていたと思います(笑)
そしてさらに・・

取引先「でも、〇ページに誤記がありましたね(笑)」
Aさん「すみません、こいつ(私)、新卒なんでミスが多くて・・」
私「・・・。申し訳ありません」

これも今となっては「責任を他人になすりつける人」として流せますが、その時は少し顔に不満が出ていたと思います(笑)
そしてプレゼンも無事に終わり、取引先のビルを出てから更なる事件が起こりました。

Aさん「さっきの俺のフォロー、良かったろ?勉強になったな。」

誤記については私が悪いのは間違いないです。
それでも良いことは自分のおかげ、ミスは私のせいにするAさんからお礼か謝罪の一言があると思っていたのですが現実はそんなに甘くありません。

どこの会社でもあることだと思いますが、当時は怒り、憤り、Aさんのために働くのは二度と止めようと思いました・・。
Aさんのエピソードは他にもいくつかあるのですが、仲良くなるはずもなく、翌年に私が事業企画から経営企画に変更するまでの同じ事業企画チームだった1年間、ずっと衝突し続けていました。
Aさんは、今だったらパワハラやモラハラで厳重注意されていると思いますが、当時はその言葉もなかったので・・。

最近は年齢が高く、しっかりとした方が多数いらっしゃる「おとなベンチャー」も増えています。
これに対してスタートアップやベンチャー企業と言われる企業においては、会社も従業員も成熟しておらず、このような事態は発生しやすい土壌がある気がします。

会社の規模が大きかったり支店がある場合は、異動などもあるので相性が悪い人とも一定期間ガマンをすればやり過ごせます。
しかし、スタートアップでは苦手な人でも近しい距離で接し続けることになるため、ストレス高めの環境を許容しなければいけません。

昨今 退職する人の理由の多くが「人間関係」と言われていますし、私もその通りだと思います。
そのためスタートアップで働きたい方は、良くも悪くも「人との距離が近いこと」を覚悟し、その弊害を覚悟してスタートアップに来ることをお薦めします。

なお、これには後日談があります。

それから10数年が経ち、私は転職していました。
転職した会社は大きく成長し、ある会社と取引を開始することになったのですが、その時に担当の方からAさんの名前を出してきました!

取引先「Aはご存じですか?以前、伊藤さんと同じ会社だったと言っていました。今度 挨拶にきたいと言っていましたが・・」
私「・・、結構です。弊社の担当は今のままでお願いします。Aさんにはよろしくお伝えください。」
取引先「察しました(笑)。」

Aさんは、会社が変わっても、年齢を経ても変わってなかったようです(笑)。
以上、「イヤな思いをした人は、何年経ってもその恨みを覚えているぞ!」というお話でした。

【私が出会ったモンスターな人々】
〇〇ハラな先輩
"フェア"を重んじる法務担当

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