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「ネット声優」という心地よい響きの甘い罠

今、コロナ禍でおうち時間が増えた事もあり、空前のリモート副業ブーム!!


ブログの記事やYouTube動画などでも

「せどりで◯◯万円稼ぐ方法!」だとか

「クラウドソーシングでの仕事の獲得法を伝授します!」とか

「ポイ活(アプリなどでポイントを稼ぐ活動)でお小遣いアップ!」

などといった文言があふれかえっています。


僕は普段、リアルで声の仕事を頂いているので、今回は「声の副業」と呼ばれるボイスコ・ネット声優に関して、自分なりの見解や実際の体験談を書いていきます。

ボイスコというのはボイスコーポレーター(声を届ける人)の略、ネット声優はナレーションよりもキャラクターボイスのイメージに近いですね。
とはいえ、呼び方が異なるだけで仕事内容はほぼほぼ同じだと思って頂いて構いません。

通常、ナレーション収録というのは、スタジオに行ってディレクターさんや音響さん、代理店やクライアントさん立ち会いのもとというのが当たり前ですが、ボイスコやネット声優はネット上だけで全てが完結します。

クラウドソーシングサービスやネット声優サイトに登録して仕事のオファーをもらうか、各案件のオーディションを受けるか、大体そのどちらかで仕事を獲得する事になります。

気になるのは初期投資仕事の報酬

ボイスコ・ネット声優になる上で
絶対に必要なもの⬅︎初期投資

⚫︎PC(古い場合は買い替えをおすすめしますが、最近のモデルであれば特にそのままで問題なし)
⚫︎コンデンサーマイク
⚫︎ポップガード
⚫︎オーディオインターフェース
⚫︎防音室・防音設備

まあざっとこんな感じでしょうか。
10万円あれば揃うかと(PCも含めた場合はそれ以上)

まず知っておかなければならないのは、ネット上での声の仕事は技術よりも圧倒的に音質が重視されます
ぶっちゃけると技術なんて二の次というクライアントが大多数です。
そんな理由があるからなのか、ギャラもとてつもなく安いです
企業VPという長物のナレーション、テレビ局や制作会社とのやり取りで頂いた際は数万円、全国区なら数十万円のものも。
TVCMが15秒〜30秒尺、VPは3〜5分くらいです。
それらを踏まえた上で、ボイスコやネット声優の相場は2000円〜20000円といったところでしょうか。

びっくりするくらい買い叩かれてます、技術なんて求めてはいけないレベルで買い叩かれてます。


「他の表現者ではこれは出来ない、君じゃなきゃ駄目なんだ!」
そんな案件でない事は言うまでもありません。

「でも安いギャラでもお仕事を受けて、それをこなしていく内に経験を積んで報酬額もアップするかも。ほら、クライアントの概要欄にも【ぜひこの仕事を経験にしてください】って書いてあるし・・・」


と思っているそこのアナタ。
その仕事が経験として見てもらえると思いますか?
そんな甘い世界だと本当に本気で思われてますか?

肌感覚でこれだというものを身に付けておかない事には実戦の場において力を発揮する事は出来ない、使い物になりません。


発声、滑舌、アクセント、イントネーション、間、音域の調整、その他の細かいテクニック、挙げればキリがないですが、一定額の予算があるクライアント、数多くの実績を持ち正しい演出の出来るディレクターや監督は、基本的にボイスコやネット声優に仕事を依頼しません。
声の仕事ですと謳っているだけであって、それは仕事でなく趣味の範囲なのだと認識しておく事。

それでもやりたいんだという方は、募集のあるサイトに登録して、手探りでも頑張ってやってみてください。
それで技術が上達したり、リアルの仕事が舞い込んでくる事はないです。

ただし、大手運営のVTuberになって大いにバズって有名になる、とかだとまた話は変わってきます。

例えばアニメ声優はギャラが年功序列制で、職人のような世界です。
僕は地方のナレーターですが、地道にやっていくしか上に行く方法はありません。

「ネット上の甘い誘いに乗って、憧れ続けた声優に・・・」
よほどずば抜けた天性の才能があって、運良くコネクションを築いていけたなら、もしかしたら天文学的な確率でなれるかもしれませんね。
あいにく、僕はそういった方をまだ一人も見かけた事はありませんが。

ちなみに、しっかりとしたスキルと経験を持ち、営業先さえ間違えなければ宅録ナレーターとして一定の収入を得る事は出来ますので、ネット上での案件のやり取り自体が全て悪い!というわけではないです、念の為。

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