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舞台「サンドイッチ」の振り返り(長文)

2024/06/12~6/16までの5日間、舞台「サンドイッチ」 の本番でした。
2か月間の稽古では、楽しいこと、悔しいこと、嬉しいこと、嫌なこと、沢山ありましたが、それらの全てが私自身を成長させ、また、役として完成に必要なことだったと思います。
無事に全日程を終えることが出来ましたので、何となく振り返っておこうと思います。

<出演オファー>

実は、主宰の藤井仁人さんから出演のオファーを頂いたのは2023年の初演の時でした。藤井さんが解散されたお芝居の勉強会(ワークショップ、WS)に参加させて頂いた際、ちょうど「サンドイッチ」の脚本執筆中だったそうで、脚本の一部を使ってレッスンしてくださりました。
舞台をご覧いただいた皆さんはお分かりかと思いますが、物語の終盤、私が演じた沼田さんが主人公の仁くんを殴った後、仁くんに謝るシーン。
そのシーンを使ったレッスンでした。
その時、私のお芝居を観た藤井さんが

「サンドイッチに出てくれませんか?」

と言ってくださったんです。私のお芝居を観て誘ってくださったことは大変嬉しかったし、お声掛けいただいたことへ応えたい気持ちは十分ありましたが、まだ自信が無かったし、サラリーマンだったので休みも取れそうになくてお断りしました。
その後、舞台「サンドイッチ」の初演時、千秋楽を観に行って、開演10分くらいから泣きっぱなしで舞台の終わりころには呼吸が出来ないほど感情と涙が溢れてきました。

そんな舞台に、やっぱり出たかった。出たい!

そう思ったのを覚えてます。

2023年12月、私はサラリーマンを辞めて役者に専念する決心をしました。
翌年(2024年)1月の終わりに藤井さんへ「4月末でサラリーマンを辞め役者に専念することにしました。舞台「サンドイッチ」の再演をされる場合はオーディションに参加させてください」と連絡させて頂いたんです。その時点では、多分、具体的に再演の計画は無かったんじゃないかな。その後、3月くらいにオーディションの連絡があり、すぐに申し込みました。ところが、オーディション予定日の数日前になっても藤井さんから連絡がなくて…前日

「野村さんのお芝居は拝見してるのでオーディション来なくて大丈夫です。」

と連絡を頂きましたが、それが「出演確定」の連絡と気が付くまでの数日間は「1年前より多少はお芝居上手くなった気がするから見て欲しかったのに…」と思ったりしてモヤモヤしてました。

嬉しかったなぁ。
初演を観てから1年間ずっと出たいと思っていた舞台に出られることになって、本当に嬉しかった。

<顔合わせ>

4月中旬に顔合わせがありました。
一通り挨拶が終わったら、Aチームのメンバーで本読み(台本を読む)をすることに。流石に緊張しました。
台本データも顔合わせ2,3日前に送られてきたので全体を通して読むのは3回目くらい。キャラクターも何も分からず読みましたが、思い出してみると大きく違った部分とイメージ通りだった部分と半々くらいだった気がする。
このnoteのTOP画像は顔わせの時に撮ったもの。

<稽古>

4月後半から稽古が始まりました。
最初はシーンごとの抜き稽古から。この頃はキャラクターをあまり意識せずに自由にやってました。次第に共演者がどんなお芝居をするのか分かってきて、チームワーク?仲間?みたいな意識が生まれてきました。
5月中旬にはキャラクターを重視する稽古が多くなりました。ただ、

今の私には無いキャラクター

だったので、とても難しくて最後の最後まで空回りしちゃいました。
私が演じた 沼田さん 、昨年のABチームの沼田さん、今年のBチームの沼田さん(女優の井田紋乃さんが演じられたので役の名前も「瀬崎美優」でした)、みんな役者の個性を元に別々のキャラクターを作っていくので、全員が違う沼田さんになったと思います。
物語の中でも結構重要な人物なので、とても悩んで苦労したのは私だけじゃないと思う。

主役の仁くん(大久保輝人くん)

ずっと頑張ってた。
稽古中も孤独だったと思う。
約100分の舞台中、99%は舞台上に居るので、稽古もずっと出てた。最初は元気で笑顔も多かったけど、次第に笑顔が消えてきて、暗い表情になっていった。きっと

主役のプレッシャー

だけでなく、役として上手く演じられていない悔しさがあったと思う。
そんな彼を見ていると、私自身も頑張らなきゃって思ったし、輝くんを応援したくなっていった。その感情が私の沼田さんを作っていったと思う。

<本番>

そして、舞台本番を迎えたのですが、正直、

私の沼田さんは未完成。

(本来、あってはならない事ですが)
初日から千秋楽までずっと私の沼田さんを作ってました。
全5回(+配信の撮影回)の沼田さんが皆さんにどのように観えたのか気になるところですが、日々成長していく沼田さんだったのではないかな。
(本来、あってはならない事ですが←大事なので2回書きました)

沢山のお客様に観に来ていただきました。

私の小学校からの同級生たち、同じ会社で働いた同期(今は中国勤務)や同僚・仲間たち、大学サークルの先輩、役者の仲間、友人・知人。
私を指名してチケット買って観てくださった多くの方には本当に感謝しています。ありがとうございました。
そして、他の役者を観に来てくださった方の中でも、観劇後に私に「良かったよ」と勇気を出して声をかけてくださった多くの方、本当に嬉しかった。声をかけてくださった方はご存じかと思いますが、声をかけてもらう度にガチ泣きしてました。それくらい嬉しかったなぁ。

<仲間たち>

今回、一緒に舞台を作っていった仲間たちは、皆さん私よりキャリアも実力も上の方ばかり。芸歴10年以上の方も多くて、常に足を引っ張らないようにとやってきたつもりですが、

無い袖は振れぬ

でも、それを言い訳にして中途半端なお芝居をするのではなく、少しでも皆さんに近づけるように、と意識してました。

一番お世話になったのはBARの店長役の東別府夢さん。

彼女と一緒にお芝居するのは初めてでしたが、彼女のお芝居は以前から知っていて「凄い役者さん」だと思ってました。稽古中もたくさんアドバイスをくれました。
そして

同じくBARの常連客の萌ちゃん役の吉村実留さん。

20代前半なのに、こんなにしっかりとしたお芝居ができるの?こんなに役のこと客観的に考えられるの?って驚かされました。
実留さんが演じる萌ちゃんがとにかく可愛い。一緒にお芝居しててもニヤニヤしちゃいました。

他の役者さんたちにも沢山お世話になったからお礼も言いたいけど、きっと、またどこかで共演できると思うので、お礼はその時に。

<終劇>

これで私の舞台「サンドイッチ」は終わりにします。
サラリーマンを辞めてから初の舞台、初の仕事になったし、出たかった作品だったので、この先も忘れられない作品になりました。
一緒に生きてくれた役者の皆さん、スタッフさん、そして観てくださったお客様の皆さんにお礼を言いたいです。

本当にありがとうございました。


仁くん(大久保輝人さん)、店長(東別府夢さん)、萌ちゃん(吉村実留さん)と
仁くん(大久保輝人さん)と
仁の誕生日を祝う小道具と
Aチーム
Bチーム
Bチームの長能志帆さんが描いてくれた沼田さん


沢山の「お祝い札」ありがとうございました

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