10月2日の石破首相と植田日銀総裁の会談によって進んだ円安・株高
10月2日の夜に官邸で石破首相と植田日銀総裁が会談を行いました。
会談後、石破首相は官邸で記者団の取材に応じ、日銀の金融政策について「追加の利上げをする環境にあるとは考えていない」と述べたといいます。
それを受けて10月3日、マーケットは円安・株高に進みました。
まず以下の図は為替チャートです。
10月3日の為替は円安が進み、一時147円台になりました。
明らかに石破首相の「今は利上げすべきではない」発言に反応して円売りドル買いが進んだものだと思います。
要はドルを持っていた方が利益が得られるというマーケットの判断です。
例えば、政策金利が高いと長期国債の利率にもプラスの影響を与えますので、円より金利の高いドルを持っていた方が得ということです。
続いて10月3日の日経平均株価も見てみます。
10月2日の日経平均株価終値は37,808円でした。
そして翌3日の終値は38,552円、743円の上昇でした。
上記の図を見ていただくと、まず9月27日に行われた自民党総裁選の結果、石破氏が新総裁となったのを受けて、同30日の日経平均株価が急落しています。
理由は、自民党総裁選挙中に政策に金融所得課税や法人増税といった緊縮財政を掲げていたことに対し、マーケットが"NO"の反応を示したからです。
そして手のひらを返したように10月2日に石破首相は「現在利上げすべき状況ではない」と緊縮財政とは逆の発言をしたことで、翌3日の日経平均株価は急騰しました。
記者団の取材に応じた植田日銀総裁は石破首相に対し、経済・物価が日銀の見通し通りに動けば金融緩和の度合いを調整するが、「本当にそうか見極めるための時間は十分にあると考えており、丁寧に見ていく」と説明したそうです。
このことから石破首相からのプレッシャーがあったとはいえ、日銀が思い描くシナリオ通りに経済が進んでいけば、10月31日もしくは12月19日の金融政策決定会合のどちらかで追加利上げが十分あると考えます。
しかし衆議院選挙の投開票が10月27日に行われますので、万が一自民党が大敗といった政局の混乱に経済が巻き込まれるのを避けるために、可能性としては12月のほうが高いと思います。
さらに身近の事柄でいえば、10月1日に2000品目以上の食品や郵便料金の値上げラッシュがありました。
その10月の消費者物価指数(CPI)が11月22日に発表がありますので、その他データも踏まえつつ、12月19日の金融政策決定会合で物価安定のために利上げに動く可能性は十分にあると考えます。
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