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天弓

生のお筝を聞いたことがあっただろうか?
記憶を辿ってみて心に当たるのは、10年ほど前の春。
平安神宮へ枝垂れ桜を見に行った時、東神苑舞台で演奏されていた
・・・のが、お箏だったのかどうか。
そんな程度の知識で、出会ってしまったアニメ「この音とまれ!」
全二十六話を一気に見てしまった。

廃部寸前の筝曲部に巷で有名は不良少年と天才箏少女がやってきた。
様々な家庭環境を抱えつつ出会った仲間たちとともに箏の練習に打ち込み、
全国大会を目指す物語。
最後にみんなで演奏したシーン、
「天泣(天弓をもじった)」という曲は圧巻。
「箏」の奥深さを教えてもらった。
(アニメですべてを理解できるほど浅くはないと思ふが)
機会があれば、筝曲の演奏会を聞きに行ってみたいものだ!
と思わせてくれる作品だった。

・・・と、小学生以下の感想文はこれくらいにして、

文化系の部活にも、野球少年を指導する上で役立つヒントが隠れている。
「弾けている」と思っていたが、一音一音が雑で汚いことを指摘され、
基本に立ち返り一音一音を大事に引く練習を始める。
それを身につけてから、あらためて曲を弾くと一気に深みが出る。
合奏は、ひとりひとりの一音一音の積み重ねである。
それにそれぞれの思いを乗せて曲が出来上がる。
基本の大切さ、それぞれの役割、仲間を信じる、ひたむきさ、楽しさ、
緊張感、達成感、そして、結果。
「好きじゃなきゃ強くなれない!」
「強くならなきゃ楽しくない!」
それは野球も筝曲も同じだと知った。

大きく違うのは、
野球は点数の差で勝ち負けが分かりやすいのに対し、
筝曲を含めた音楽系は審査による順位付けとなる。
審査員はその道を究めた人ばかりなので、間違いはないと思う。
が、「甲乙つけがたい」というのもあるはず。
演じきった本人たちはそれまでの努力や苦悩を加味して、
自己採点は甘めになっている。

「なぜ負けたんだろう?」
「なにが駄目だったのだろう?」

それを深く考えさせられるところである。
まぁ、色々と感じさせてくれたこの作品に感謝だ。

・・・てんきゅ~(寒)

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