見出し画像

Stanb by me 描クえもん 第6話

カッコ悪いことに、寝ないほうがカッコイイと思っていました。

【あとがき】
晴れて主人公は漫画家になりました。
めでたしめでたし。

ところで、漫画家はゴールではありません。
地獄の始まりです。

僕は漫画家になってから2年以上、1日も休みがありませんでした。
盆暮正月とも。
1日でも仕事をミスると連載に穴を開けてしまいます。
誰も僕の代わりをできません。
緊張とプレッシャーで神経はすり減り、常に誰かに追われているような感覚がします。
寝不足なのに脳は異常な興奮状態。
お酒を飲まないと眠れなくなりました。

そんなある日、事件が起こりました。

僕は当時、自宅を仕事場にしていました。
仕事場を別に借りるほどお金がなかったのです。

その日の朝、僕は目が覚めると郵便受けを確認しようと玄関へ向かいました。
そこには衝撃の光景が広がっていました。

ウンコが落ちていたのです。

二日酔いの頭を押さえながら昨夜の記憶をたどります。
まったく思い出せません。
頭はパニックです。
取り急ぎやることは一つです。
スタッフが仕事にやってくる前に玄関を片付けなければ。
始業時間まで後10分。
どうしよう?
マンションのゴミ捨て場へ?
て言うか燃えるゴミ?
トイレに流す?
全身から汗が吹き出します。
これは尊厳の問題です。

時間が過ぎ、スタッフがやってきました。

……間に合いました。
平成を装い挨拶をしました。
バレてない。
するとスタッフが言いました。

「背中に何か付いてますよ」

今でも漏らしていないと信じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?