担々麺の話をさせてくれ!

 担々麺の話をさせてくれ!
 人生の半分以上、ボクは担々麺と歩んできた。外食に占める担々麺打率は優に五割を超える。軽井沢に行ったって担々麺だ。
 海外赴任を命じられたボクは担々麺を食べられない日々など想像できず、作り方を学んだ。世の中では汁なし担々麺が幅を利かせてきたが、頑なに汁アリ担々麺を作り、今に至る。
 最近、甘い担々麺に出会うなあ、と思っていたら、ネット上で公開されるレシピに「砂糖」を加えたものがあるので驚いた。担々麺に砂糖はやめてくれ!
 700円ほどから2000円超まで、値段も味もバラつきがある。担々麺の世界は奥深い。その奥深さを知るのに外せないホームページがあるのでご紹介しておきたい。
So Tasty-担々麺
 ボクも何度か投稿し、紹介してもらった。しかし、本当にこれは都市伝説なんじゃないかと思うのだが、ボクの身近にあった「旨い担々麺屋は消えていく」。まじめに担々麺を作ろうとすればコストが嵩み、店がもたないのだろうか。
 プロの世界でコストの壁があるのならば、ここはシロウトの強みってことで、コストを気にせず自家製担々麺を作ってみませんか、というのがこの記事のネライでござんす。

(自家製担々麺のヒント)
その1.ゴマをケチるな! 
 銀座八丁目の《志那麺はしご》はゴマなし、もしくは気づかぬほどのゴマの量で、「タンタン麺」ではなく「ダンダン麺」と称し、「パイコーダンダン麺」はボクの好物だ。勝浦タンタン麺もゴマなしで、それなりのポジションを確立している。
 だがだがだが! 基本はやはりゴマ入りだ。700円クラスの担々麺は料理店向けに売られるパック入りの「担々麺スープ」をお湯で薄めているせいか、だいたいゴマが薄い。担々麺がウリで連日賑わう有名店であっても、ゴマをケチって突き抜けた味の一歩手前、なんてこともある。どんな店であろうと、売値と原価の関係を無視することはできないのだから、これはもう宿命なのだろう。
 1人前350CCのスープであれば、最低100gの芝麻醤(練りゴマ)が欲しい。足りなければ、すり胡麻をどーんと追加する。ゴマを惜しまなかった多くの銘店が都市伝説のように消えていったが、自分で作る最大のメリットは、このゴマをケチらずに作れること。ただし、何事もやり過ぎは禁物。

その2.もやしを入れるな!
 トッピングのボリュームを増やしたいせいか、大量のもやしを入れる店がけっこうある。よほどのもやし好きなら止めないが、もやしはあれで味が強く、担々麺がもやしラーメンになってしまう。トッピングを豪華にするなら、肉ミソ・緑の野菜・刻みネギ・追い擦りゴマで攻めるべし。

その3.干しエビを入れろ!
 桜エビや小エビとして売られているものではなく、中華素材として売られる「干しエビ」を忘れてはいけない。中国四川省で生まれた担々麺を現在の形に「改良」したのは、故・陳建一さんの父上・陳建民氏だ。その「改良」前になると思うのだが、北大路魯山人は担々麺を「干しエビ料理」に分類していたという。干しエビの有る無しで、スープの味とコクがまるで違ってくるから面白い。

その4.ゆずで色気を出せ!
 冒頭で名前を出した《志那麺はしご》の「ダンダン麺」が美味しい理由のひとつが、ゆず、なのだと思う。ボクが担々麺にゆずを入れるようになったのは、このパクリです。多謝。

その5.中華スープの素は紅白どちらか!
 これは好みがあるのだろうが、顆粒タイプのものよりウェットな缶入りタイプの方が担々麺のスープ作りには合っている、というのがボクの結論。紅缶=「ウェイ・パァー」もしくは、白缶=「創味シャンタン」、どちらでもよい。

(作り方)
1.スープを作る
・1人前350CCの水(たっぷりのスープで作れるのも自家製ならでは)
・中華スープの素(適量)
・干しエビ(一人前五~七匹)
・白ネギみじん切り(適量)
・ニンニクみじん切り(適量・チューブでも可)
・鷹の爪みじん切り(適量・お好みで)
・醬油(味見しながら好みの濃さで)
・胡椒(適量)
*醬油ラーメンのスープとしてOKの味を目指しましょう。
・芝麻醤(練りゴマです。ドーンと入れちゃって、こりゃ旨いわ、のレベルまで追加投入。練りゴマが不足したら、すり胡麻で補完しましょう。火をつけたままで沸騰させないよう注意してね)

2.トッピングを準備する
・肉ミソ(豚挽肉を白くなるまで炒め、醬油少々と酒少々で下味付け。脂が透明になったら甜麺醤で仕上げ。ニンニクみじん切りや松の実などを加えるのもヨシ)
・青野菜(グリーンの見た目重視で入れるので、お好み次第。チンゲンサイを使う店が多いが食べにくいと思うならホウレンソウがお勧め)
・白ネギ(丸く薄く刻んで手でクチュクチュッと揉んでふんわりさせましょう)

3.丼を準備する
 丼にお酢とラー油を入れておきます。この分量・比率はまさにお好み次第。迷ったら、辛いの大好きなら一人前小さじ3ずつ。苦手ならお酢が3,ラー油2からスタートしてはどうでしょう。

4.麺を茹でる
 できれば中太のストレート卵麺を。盛り付けに時間を要するので、固めに茹で、しっかり湯切りしておきましょう。

5.まとめる
・お酢とラー油を入れたドンブリにスープを注ぐ。
・茹でた麺を入れる。
・乾燥ゆずを適量入れ、風味を立てる。
・肉ミソを中央に、白ネギ・青野菜を載せる。
・お好みで花椒を丼の縁あたりにパラッ、パラッっとやっておく。
・追いすり胡麻をドンブリの縁に沿ってまーるくふりかける!

6.食う
・うっめえ! と感動する。

どうでしょうか。これをスタート地点にして、自分だけの最高の担々麺を作ってみませんか?




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