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Google流、会議をより効率的にする秘訣とルール

shuhei koyama

Google元CEO/会長のエリック・シュミットと、共同創業者ラリー・ペイジのアドバイザーでAlphabet社の取締役でもあるジョナサン・ローゼンバーグの共著「How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント」の中で語られていた、会議やミーティングに関するTipsをまとめました。

この本は会議やミーティングだけではなく、エリック・シュミットが「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ非常に優秀な人材と、強いビジョンをもつ2人の共同創業者からなるGoogleという会社での働き方や、そのマネジメント手法を紹介しています。

Googleだからこそできるという部分も一部ありますが、大半は他の企業も見習うべき点や示唆に富んだ個人的に非常におすすめできる本です。

ここではGoogleが長年の間に社内で作り上げた「運営がうまい」会議にするためのルールや、効率的/効果的な会議を行うための会社としての社風にも通じる点をピックアップします。2014年の本ではありますが、書かれていることの大半は老いない不変のアドバイスのはずです。

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会議には意思決定者「オーナー」を置く

立場が対等の2つのグループが会議をすると、たいてい良い結果にはつながらない。

という理由から、基本的には社内で立場が高い人間を意思決定者として決めておきましょう。そしてもちろんその人物は下した決定に対して責任を負います。

また、Googleでは会議の目的が意思決定ではない、情報共有やブレインストーミングなどの場合もオーナーを決めるそうです。

意思決定者は目的達成のため自ら動く

意思決定者は自ら会議を招集し、その会議の目的を設定し、議題を設定し、またその議題が明確であることを確認し、適切な参加者を選定する役割を担います。

そして(可能ならば)少なくとも会議開始24時間前までに議題(アジェンダ)を配布、共有します。

会議中はもちろん意思決定という重要な任務を遂行し、そして会議後は自ら決定内容や行動計画をまとめ、参加者あるいは必要な人物にそれを共有します。

個人的な感覚ではありますが、これができている会議や会社は(特に日本では)ほとんどないような気がします。会議前の準備はもちろん、会議後の議事録等情報をまとめるのを自ら行なっている上司やいわゆる偉い人、全体の何%でしょうか。

逆にGoogleではいかに効率的な会議が重要な仕事の一部で、それによる会社や事業への影響が大きいかを上級職者が理解しているかがわかります。

必要な参加者だけに絞る

会議に出ることが目的ではないので、無駄に参加者を増やすことは避ける。出席者一人一人が他の業務を止めてでもその会議に出席すべき理由があり、その会議を有効なものにする役割を担うということを認識する必要があります。

スティーブ・ジョブズは会議でまったく発言していなかったらその人を会議室から追い出した、という逸話もありますね。

また、本の中では自分の存在がその会議に必要ではないと思ったら(断りを入れて)退出しよう、と書かれています。なかなか勇気のいる行為ですが、一人一人が自分の時間の価値とその有限性を理解しておれば、会社にとってどういう行動が一番良いか各自判断できるものかもしれません。

具体的な会議参加者の人数として、Googleでは極力8人以下に抑えているそうです。そして基本的にオブザーバーは設けず、情報共有プロセスに含める形です。

タイムマネジメントをしっかり行う

時間通りに始め、時間通りに終えることはもちろん、最後に結論(決定事項)と(あれば)今後の行動計画やタスク配分をおさらいする時間を設けること。また、予定時刻より早く終わればその時点で解散。

オンラインミーティングなどで他の国やタイムゾーンの参加者が含まれる場合は時差にも配慮しましょう。

この会議における時間管理については不満に思った経験がある方も多いのではないでしょうか。上司があまり議題に関係ないことをだらだらしゃべっていて会議が長引く、というケースも耳にします。

出席者一人一人が時間の無駄は(会社の)コスト、という意識をもつことが大事です。

会議中は会議に集中する

当たり前といえばそれまでですが、なかなか徹底するのが難しいことでもあります。事実、本書でも

ノートパソコンを閉じるというルールを無視する人があまりにも多かったので、ついに諦めたぐらいだ。

と書かれており、Googleレベルでもなかなか苦労するようです。

マルチタスクはせず、会議にでている間はその会議の内容に集中する、ということが出席者全員に求められます。

誰のアイデアかではなく、まともなアイデアかを重要視する

HiPPO(Highest-Paid Person's Opinion)、いわゆる一番偉い(給料が高い)人の意見やアイデアだからという理由だけでそれを尊重したり耳を傾けるのではなく、その意見やアイデア自体を客観的に捉えるべきです。

本書では勤続年数で権限が決まる企業を「勤続年数至上主義」と批判し、能力主義を肯定するとともに、説得力としてのデータの重要性を説いています。

実際Googleでもある会議で共同創業者のセルゲイ・ブリンの主張に対して、ある社員が反対し、結局セルゲイのものが不採用になった事例を紹介しています。

結局のところ、意思決定者は自分の意見を通すことよりも、より良い意見を採用することを目的とすべきです。

「異議を唱える義務」を重視する

これはGoogleではなくマッキンゼーにおけるルールのようです。マッキンゼーのウェブサイトには

マッキンゼーの全社員は、何かが間違っている、あるいはクライアントの利益に反すると思った場合、異議を唱える義務がある。

と書かれている(or いた)そうで、エリック・シュミットも反対意見を述べることを「任意」ではなく「義務」することが能力主義を浸透させるために重要と捉えています。

人によっては人前で話すことが苦手だったり、億劫に感じることもあるため、このように義務化することは彼らの背中を押す意味合いもあります。

誰のアイデアかではなく、まともなアイデアかを重要視するという点もそうですが、これらは会議やミーティングにおけるルールというよりも、社風や会社自体の規範に関係する点かと思います。目上や上司の意見であっても何か間違っていると感じた時には(できればデータを元に説得力のある)反対意見を述べることができる環境というのは大切です。

リーダーは最初に自分の立場を明らかにすべきでない

これは上で述べた、誰でも反対意見を主張しやすくするという点で共通していますが、意思決定者や会議におけるリーダー的立場の人は自分の主義主張を最初に明らかにするのではなく、周りの参加者の意見をまず聞くことが大事です。

もちろん「異議を唱える義務」が徹底されている場合は最初でも最後でもほぼ関係ないかもしれませんが、やはりいろんな会社でいろんな人がいる状況を考えると、より反対意見が出やすくする雰囲気作りという意味でもこれはワンポイントアドバイスとして有効のように感じます。

どちらも正しい

出席者全員から満場一致で支持されているわけではない結論を出す時は必然的にその意見に反対の立場の人が出てきます。そういった場合、意見が通らなかった人にも、彼らの意見もちゃんと傾聴された、評価された、という認識を持ってもらうため「どちらも正しい」という言葉を足して、結論を出します。

これは一種の思いやりと捉えることもできますが、同時に多くの議論の場合、結果的に採用されなかった意見にも一定の正しさ(一面の真理)があるのも事実です。

参加者全員がすっきり会議を終えることができるよう、例え自分の意見が結果的に正しかったり採用されたとしても、相手を配慮できる優しさが必要です。