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2023年は特定口座に投資すべきか、2024年の新NISAまで待つか

先日、今からつみたてNISAを始めるべきか、2024年の新NISAまで待つかという記事で、2023年は現行のつみたてNISAをすべきという話をしました。

つみたてNISAは満額投資をしていて特定口座でも投資をしている人の場合、2023年は特定口座での投資を続けるべきなのでしょうか。

NISA口座で発生した利益には税金がかかりませんが、特定口座で発生した利益には約20%の税金がかかってしまうので、どうするのが最適か考えてみたいと思います。

Q. 問題です

特定口座ですでに100万円投資している人が取りえる選択肢のうち、どうするのがいいのでしょうか。少し考えてみてください。

A. 特定口座は放置しておき、新NISAが始まったら別の余剰資金で投資する

B. 特定口座は利益が出ていても損失が出ていても今すぐ現金化し、新NISAが始まったらその現金で投資を再開する

C. 特定口座は放置しておき、新NISAが始まったら利益が出ていても損失が出ていても1回現金化し、新NISAで投資を再開する

投資に絶対の正解はありませんが、多くの人に当てはまるであろう正解を解説していきます。

2023年は特定口座を放置しておき、2024年に新NISAに移すのが無難

さっそく答えを書いてしまいましたが、Cの特定口座は放置しておき、新NISAが始まったら利益が出ていても損失が出ていても1回現金化し、新NISAで投資を再開するが多くの人におすすめできる正解だと思います。

ここで2つの疑問が生まれます。

  • 特定口座で利益が出ていたら売却するときに約20%の税金が引かれるので、そのまま持っていた方がいいのでは?

  • 特定口座で損失が出ていたら回復するまで待ってから売った方がいいのでは?

直感的にはこのように感じる人が多いと思いますが、1つずつ解説します。

特定口座で利益が出ていた場合

特定口座で利益が出ていた場合、売却するときに20%の税金が引かれてしまいます。

税金分を損するように思いますが、新NISA口座で買い直す方が将来的に得られるリターンは大きくなります。

例えば、100万円を元手に特定口座で運用していて、新NISAが始まる2024年1月のタイミングで110万円に増えていたとします。この場合、そのまま特定口座で運用し続けた場合と新NISA口座に移した場合でリターンを比較してみましょう。

10万円の利益に20%の税金がかかるので手取りは8万円で、2024年1月からの新NISAには108万円でスタートすることにします。年利は分かりやすいように10%で計算してみると、新NISA口座に移した方が手取りが多くなることが分かります

新NISAに移した方が手取りが多い

ちなみに利率を10%で計算してみましたが、利率を変えても結果は同じです。

というわけで、特定口座で利益が出ていた場合は新NISAが始まったタイミングで特定口座は売却して新NISAで買い直すのがいいという結果になりました。

新NISAで買い直すときの注意点としては、特定口座で買っていたのと同じ銘柄を同じ割合で買う必要があります(別の銘柄を買うと期待リターンがずれてしまうので)。

また言うまでもありませんが、特定口座を売却しなくても新NISA口座の満額(年間360万円)の枠を埋められる人は特定口座を売却する必要はありません。

月に30万円を安定的に投資に回せる人はそう多くはないと思いますが・・・

特定口座で損失が出ていた場合

では、特定口座で損失が出ていた場合はどうなのでしょうか。この場合も2024年1月に新NISA口座で買い直せばOKです。

例えば特定口座に入れておいた100万円が2024年1月の時点で80万円に下がり、20万円の損失が出ていたとします。

この場合、80万円で売却しても利益は出ていないので税金が引かれることはありません。

NISA口座で80万円分を買い直して120万円まで値上がりしたとすると、NISA口座で発生した利益に税金はかからないので、元手の100万円が120万円に増えて、手取りは20万円です。

もしNISA口座で買い直さず特定口座に入れておき120万円まで値上がりした場合、手取りは16万円となってしまいます。

つまり、損失が出ているときに新NISA口座で買い直せば、最初から新NISA口座で買っていたのと同じことになります。

2023年に追加で特定口座に投資するのはどうなの?

新NISA口座で買い直せば損しないなら、2023年に新規で特定口座での投資はすべきなのでしょうか。

これに対する答えは、基本は追加投資せずに現金で持っておくのが無難です。

仮に特定口座に追加投資した場合を考えてみます。

  • 2023年1月に特定口座に100万円追加投資して、2024年1月時点で110万円に増えた場合

    • ただ現金で持っているよりも10万円(手取りで8万円)増えている

  • 2023年1月に特定口座に100万円追加投資して、2024年1月時点で90万円に減った場合

    • 現金で持っていなかったことにより10万円損している

人は利益よりも損失を過大評価する特性があるので、
「特定口座で投資しておいてよかった〜」よりも「現金で持っていれば10万円損しなくて済んだのに・・・」というダメージの方が大きく感じます。

感情面のことを考慮すると、2023年の間は特定口座への追加投資はせずに、新NISA口座でなるべく多くの枠を埋められるように現金として持っておく方がいいでしょう。

同じ理屈ですでに特定口座で投資しているものも現金化しておいた方がいいのでは?という人がいるかと思いますが、そこは個人の判断によると思います。

僕の場合だと、株価が上がったときのうまみと下がったときに現金で持っていてよかったと思う安心感をどちらもバランスを取りたいので、すでに特定口座にあるものは放置して、新規での購入は2023年の間はやめて現金として持っておこうと考えています。

まとめ

まとめると、

  • すでに特定口座に入れている分は、新NISAが始まる2024年1月のタイミングで特定口座から売却し、新NISA口座で買い直すのがいい

  • 新NISAで買い直すとき、利益が出ていても損失が出ていても問題ない

  • 2023年の間は特定口座で買い増さず、現金として持っておき新NISAに備える

です。

あくまで一個人の意見なので、参考程度にして実際に投資をする際は自己判断でお願いします。

お金は素晴らしい発明ですが、それと同時に悩みや妬みのタネでもあるので、みんながお金に悩まない日が来るといいですね。

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