【日本のスポーツ文化は小売業的】ブランドを作って稼ぐ欧米スポーツ文化との違い。#ベンチャースポーツ #ブランディング

先日の

『WBSS』

World
Boxing
Super
Series

井上尚弥選手

マジでハンパねぇ。。。

同じ人類で軽量級であそこまで強い人間いんのかよ。マジかよ。

どうなってんだよ。ヤベェよ。。。


とか思いながら見てた。笑


それと同時に

演出の素晴らしさとスゴさ。イベントクオリティの高さにものスゴいものを感じた。

「圧倒的世界観」

が確立され

「これが世界のボクシングだろ!!」

という興奮を隠せなかった。

そこで先日、NewsPicks内の動画で落合陽一さんと真山仁さんが話してたこれを思い出した。

「まさにこれだな」

と思った。



この

「WBSS」

ドイツ人プロモーター
カール・ザウアーランド氏
が主にプロモーションを手がけるこのイベント。

今までにない会場作り、演出。
全て海外からの機材持ち込み。
スタッフも海外からの持ち込みで作られているイベントだ。
たぶんイベント開催だけに2〜3億(もっと?)はかかっているんじゃないだろうか。莫大だ。
知らんけど。

ところで洋服や高級ブランドと言われる商品は大体がヨーロッパ発のものが多い。

・Louis Vuitton(フランス)
・GUCCI(イタリア)
・PRADA(イタリア)
・DOLCE & GABBANA(イタリア)
・Vivienne Westwood(イギリス)
               etc…

適当にあげてみたが他にもたくさんの有名ブランドがある。

どれも高級ブランドで
日本的感覚で言うと

「なんでそんな高いの?」

というものばかりだ。しかし世界中で売れている。

普通に原価を計算したらそんな金額にはならない。
素材、構造、職人の手間や生産ライン。

どう考えてもその価格にはならない。

ではなぜそんな価格になるのか。

『ブランディング』である

日本でももちろん高級ブランドはある。

が、日本では実用性、機能性が重視され
目に見えない価値」
の部分にはあまり興味を持たれない傾向にある。

「なんでこのTシャツが30000円もするの?同じ布なのに。意味がわからん。」

みたいな感覚が圧倒的に多い。

もちろん俺も思ったりするし。

ちなみにこの

Supreme × LouisVuittonのコラボTシャツ

¥299,980

これは一例だが

欧米の高級ブランドはブランド価値を高めるためのイメージ作りにメチャクチャお金を使っている。

商品開発、品質ももちろん素晴らしいのは当たり前で
それプラス

「最先端技術」
「全く新しいデザイン」
「有名人が使っている」
「イケてる」
「高級感」
「手に入りにくい、希少価値」等など

品質以外の「付加価値」をつけて

「独自の価値」

を創造し販売している。

そしてこのボクシングというスポーツで日本に全く新しい要素が持ち込まれたビッグイベントWBSS

ここで見せつけられたのは
演出、会場作り、最新機材や無駄の排除による

「圧倒的世界観」

このイベントを見て

「こんな会場で試合をしたい」
「自分もあの舞台に立ってみたい」
「ボクシング超すごい」
「私もあの会場に行ってみたい」
「夢がある」
「カッコイイ」

そう思った人たち、子ども達は多かったのではないだろうか。

もちろん次回も見たいと思うし井上尚弥選手の商品価値はどんどん上がる。

これが

「WBSSマジハンパじゃねぇ。超イケてる」

というブランディングだ。

もちろん全世界に放映され、トーナメント全てのイベントが成功すれば放映権収入等は莫大なものになるだろう。 

しかしこれだけのクリエイティブな投資が日本のプロモーターにできるか?

といえばたぶん無理だし不可能だ。

もちろん海外の放送局とのパイプも薄いし様々な理由はあるし、莫大なコストがかかることによるリスクは馬鹿デカイ。


しかし1番の理由、問題は

『そういう発想が無いこと』

ではないかと思うのだ。

これは多くの日本のプロモーターやスポーツビジネスに関わっている人と直接話をしての率直な個人的な感想だ。(もちろんスゴい人もたくさんいる)

日本のスポーツではいかにチケットを多く売る(売らせる)か、という小売業的感覚が大きく、売れてしまえばイメージは重視せず、いかにお金をかけずにスポーツイベントを運営して利益を得るかの話ばかりで

「世界観」「体験価値」

を作るための投資はほとんどなされていないと感じる。

えとみほさんの
「ダサい」のなにがダメなのか|えとみほ(江藤美帆) @etomiho|note(ノート)

にも書かれているが
「イケてるモノを作るにはお金がかかる。」

お金が無いのはわかる。無いものは無い。
そんなことはわかっている。

そしてイケてる、オシャレ、カッコイイなどの感覚は数値化しづらい。そこにお金は投入しづらい。

しかしスポーツビジネスに「その発想が無い」のは致命的だ。
新しい発想や新しいテクノロジーでカバーできることや変えられることもあるし、あるもので可能な限りの努力はするべきだ。

そしてどこに向かっているのかをファンにも選手にも明確に示せることが大事で

アーティストや選手を応援して

「頑張れば、勝てばあの舞台に立てる」

「武道館や大会場に立つ〇〇を見たい」

のようなイメージを明確に作ることが運営側の仕事だと思う。

今回WBSSが開催されたことによって間違いなく

「あのWBSSのような舞台に立ちたい!!」

と思った選手、子供達は多かったのではないだろうか。

そこに本当の「スポーツの価値」があるのではないかと僕は思う。

そしてその場所を作るのが俺たちオジサン側の仕事なんじゃねぇのか!!


とか考える。

このままいくと世界と日本とのスポーツ自体のレベルの差もどんどん開いて食われる。

中国の選手(蘇炳添)がとうの昔に100m走を9秒台で走っていることを知っているだろうか。

スポーツの成長と経済成長は比例する。

イイ選手がいても日本は環境が悪くどんどん海外に流出する。
↑↑↑
(別にそれ自体が悪いことではないが)

スポーツビジネスは極論ブランディングだ。

ヨーロッパサッカーがどうしてあんなに稼げるのか。
NIKEやadidasがどうしてあんなに売れるのか。

スポーツビジネスはスポーツそのものや選手自身にどんな価値をつけて売るのかというビジネスだ。


ここの競争で世界に勝てなきゃ日本スポーツの価値もレベルも上がらない。

「ダサい」は滅びる。

日本のスポーツのブランド価値上げてこうぜ。

という話。

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