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『CLIMAX』(映画めぐり⑤)

ギャスパーノエという監督の長編作品。
「すべての感覚を支配する狂乱とカオスの97分間」という言葉通り、音と映像に感覚を支配され、狂乱の渦の中へ放り込まれるような映画だった。

コンテンポラリーな踊りを披露する若いダンサーたちが、ドラッグ中毒になっていき、叫び、踊り、罵り、傷つけ、姦淫し、狂っていく様を、ただただ描き続けた映画。
演出が本当に独特で、映像は斜めになったり天地逆さまになったりと、ドラッグでトリップしているかのような錯覚に陥る。重低音のEDMがずっと流れており、ベース音が全身にのしかかりつつ、常に誰かが叫び、嘆き、笑っており、狂乱の中から観客も抜け出せない。
ビビッドな色使いの建物に、赤や青のきつめのライトが灯っており、目に入る色も刺激的で、とんでもなく非日常。

「早く終わってくれ、早くこの地獄を抜け出させてくれ」と思いつつ、見入ってしまう、本当に不思議な映画だった。
2回目はもう見なくてもいいけど笑、ぶっ飛んだ体験だった。

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