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何故「ドリームワークス」の映画は6年間日本で上映されなかったのか?【簡易まとめ】 #ドリームワークス #ドリワ

 #ご挨拶

この記事を読んでいただけるみなさま、ごきげんよう。
ドリームワークス製作のアニメ「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」の
1ファン、守護井マモルです。

そう、今回はその「ガーディアンズ」を作ったスタジオ
「ドリームワークス」が日本でだけ辿った経緯を記事にいたしました。

まず、「ドリームワークス」こと「ドリワ」って、
世界的にはマジであのディズニーと並ぶ大手アニメ会社なのですが、
日本じゃそんな知名度ない気がするじゃないですか。

その通りです。
最初は知名度がある人気スタジオだったのですが、ある時から上映中止が
連続し、その期間に知名度が落ちてしまうことになりました。

ですが、その原因に
映画の作風がどうだとか日本での興行がどうだとかいうのは、
一切関係ありません。

今回はその経緯を、簡易的ながら語らせていただきます。

ちなみにそうなる前は、ドリワ映画「シュレック」の主人公が
ハリセンボン春菜さんの持ちネタの一つになるくらいの知名度と影響力が
あったことを説いておきます。

日本のドリームワークス公式YouTubeチャンネルと
公式広報SNSをのリンクを紹介します

みんな是非チャンネル登録やフォローしましょう。お願いします。
(not回し者)

公式Twitter
公式Instagram
(映画の情報をくれてうれしいけど、もう少しヒクドラのオーケストラとか
シュレックのミュージカルの話とかも出してほしいことでおなじみ!)

そしてドリワアニメのWikipedia(作品一覧が見られるゾ!)

上映されてなかった、ドリワジャパン暗黒時代

まず先に言っておくと、ドリームワークスが日本上映中止が連発され、
知名度が低下した時期は20世紀FOX日本法人が配給していた頃です。
その時期に「あれ?急にドリームワークスの映画を
見かけなくなった気がするぞ?」って思った方も少なくないと思います。

ちなみに「ミニオン」とか「SING/シング」とかはドリームワークスではなく、イルミネーションという全然別のスタジオが作った映画なのでご注意ください。


なんかこう…「ディズニー」と「ディズニーピクサー」と、
「ディズニーじゃないっぽいけどなんか面白いアニメ作ってるとこ、
あ、これがドリームワークスかな?」みたいな認識がその誤解を招いた
可能性がある。
それによってドリームワークスの更新の有無が
ぱったりと目につかなくなってる事に気付きにくいとかね…

「あなたがドリームワークスだと思ってたもの、
それ本当にドリームワークスでしたか?」案件。

まあ確かに、あんまり宣伝でイルミネーションって
制作会社名を出すことは少なくて、それよりは
ユニバーサル(配給)の最新作!!」って方向で宣伝する事が多いからね、そういう誤解が生じるのはしょうがないです。

また、現在は「イルミネーション」と「ドリームワークス」の
二つの映画会社はどちらも「ユニバーサルの傘下」であるという事実が、
この状況をややこしくしてるのかも。
(ドリームワークスはその成り立ちから、
イルミよりは社名もアピールした宣伝をしている傾向がある)

ちなみに、ドリームワークスとイルミネーションの見分け方は、
お話が始まる前に出てくる
三日月で釣りをする少年(ドリームワークス)と、

補足:釣りをする少年とは言いましたが、本編開始前ならこの少年に限らず
三日月に主人公が座るパターンが多いです。


・イルミネーション!!ってロゴの周囲ではしゃぐミニオン
(イルミネーション)



とが、それぞれ出る事で見分けがつくので、是非注目してみてね。


ちなみに、その通称「ドリームワークスジャパン暗黒時代」には、
これくらい未上映の作品が出ていました。

闇わら

これら実になんと6年分。多い。
「作品が上映"されて"普通に受けない」とかならまだしも、
今まで上映してたのに急に未上映連発させられ、
作品に非が無い形で強制的に暗黒時代を迎えさせられている。ひどいや。
2012年から2018年。この世代を過ごした小学生逃してる。ひどいや。
中学生からでいいからハマってくれ。

では、ここから
「何故ドリームワークス映画が日本で上映されなくなっていったのか?」について語っていきます。

1998~2012年(14年間)
初代配給 UIP〜パラマウント

まだ普通に上映していた頃です。
シュレック等はここで配給されており、全国規模で上映していたが、

2011年からドリームワークスとパラマウントの契約がごたごたし始め、
2012年冬に提携を打ち切る。

その影響なのか、そこで日本上映する予定だった前述の私の推し作品
「ガーディアンズ 伝説の勇者たち
(上映予定時の邦題:不思議の国のガーディアンズ)」

上映中止になってしまった。
これだけでも国内の作品ファン、
または作品ファンになるはずだった人々的には地獄のような状態だが、
これがドリームワークスというスタジオ箱推し的には
大地獄の始まりであることは、まだ誰も気付かなかった。

2012年冬~2018年(6年間)
二代目配給 20世紀FOX(旧名&旧体制)

本来、好きな映画スタジオの配給が変わったところで、観客が気にする必要はない場合が多いかもしれない。というか、いい意味でそうであるべきだ。
でも、日本のドリームワークスのファンはこの件のことで望む望まないに
かかわらず、気にせざるを得なくなる事が多くなった。

こちらの配給だと、2012年から6年担当していたが、
何故かFOXの日本法人が
アニメ映画の上映を減らすという方針をとり始め、
世界的ヒット作品すらほぼビデオスルーだった。
ドリワ作品の場合だと、10作品リリースされたにも関わらず、
唯一劇場公開したのは上映規模を縮小した「ペンギンズ」だけである。

ファンによる、署名活動

ちなみに、この時期にはパラマウント配給で上映された、
「ヒックとドラゴン」の次作品、
「ヒックとドラゴン2」もリリースされました。

この頃には既に
「ガーディアンズ 伝説の勇者たち(旧:不思議の国のガーディアンズ)」

「クルードさんちのはじめての冒険」
(「クルードさんち」1作目の日本語予告映像はありませんでした…)

「ターボ」

「天才犬ピーボ博士のタイムトラベル」

など、
4作品の完全新作ドリームワークス映画がビデオスルー、
日本未上映
になっていたため、

前作が上映されて固定ファンもついた作品の続編ともなると、
いよいよ「ついに知ってる作品」への危機感の順番が回ってくるわけです。
何でこんな思いしなくちゃいけないの。

本国でゴールデングローブ賞をとった作品すら油断ならない状況になっていたということです。

そして、ファンによる「ヒックとドラゴン2の上映を求める署名」が始まる。

あちこちニュースサイトに取り上げられ、

そしてついに…

「ヒックとドラゴン」シリーズ監督、
ディーン・デュボア氏、降臨。

ご本人登場やん!!!!

監督も「日本で上映されたら嬉しい(要約)」というコメントを、
寄せられました。

にしても、監督がそう言うあたり、
日本未上映は本国の20世紀FOXおよびドリームワークス側の本意では
なかったことがうかがえます。
つまり…当時の日本配給の独断の可能性が高い…ってコト⁉

(注釈:更にドリワ側の本意ではないと思われる根拠。
後述の2018年以降に当時のドリワCEOが「日本で上映した方がいいに決まってる(要約)」と述べている記事。↓)

で、話を2014年、「ヒックとドラゴン2」署名運動当時に戻します。

そして、ついに
署名人数は7000人を突破!
監督も名を連ねた!

さあ!配給会社20世紀FOXがやる事はただ一つ!!
どうだ!!!??????


一般上映、ならず

……………

????

??????????

シンプルなんで?

その後、東京のイベントで一日だけ無料限定上映されたものの、
署名が無かったらこれもしなかったんだろうな、って気がしてならない。
こうして、20世紀FOXは6年間、自社の信念をほぼ曲げず(…)、
「スーパーヒーロー パンツマン」を最後に、配給を次の会社へバトンタッチしました。

注釈:

ちなみに、「アニメ映画の上映を減らす」方針だったため、
その時期にはドリームワークスのみならず、
別会社だけど同じFOX配給のアニメ会社「ブルースカイ・スタジオ」
作品も未上映・限定上映になっていました。
「アイス・エイジ」や、例の3Dアニメ映画版の「スヌーピー」
(I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE)等を作った会社です。

なので未上映になってたのは「ドリームワークスだから」ではありません。「FOX日本法人配給のアニメ作品だから」です。
作品に責任はありません。
(たまに「日本でウケなさそうだから未上映にしたんじゃないのw」とかいう外野に適当ほざかれてる場合があるので、
作品のファンが真に受けないように補足)

また、これによって前述の「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」の原作者の
次の年の映画であるブルースカイ・スタジオ製映画
「メアリーと秘密の王国」も限定上映になってしまいました。
2012年と2013年の2年連続でウィリアム・ジョイス(両作の原作者)作品が
映画館に来るはずだったのに。

ちなみに現在、20世紀FOXはドリームワークスと提携解除後、
ディズニーの傘下となり、「20世紀スタジオ」に改名しました。
なので当時とは体制も変わっていて、別会社同然と考えてよさそうです。
ディズニー+でブルースカイ・スタジオ作品が配信されているのは、
そういう事です。(補足:ちなみにブルースカイ・スタジオは2021年をもって閉鎖しました)

「ブルースカイ・スタジオ」も「イルミネーション」と同様、
「ドリームワークス」と間違われがちなので、
たまに出る「ドリームワークスはディズニーに買収された」という
事実無根のデマはここから来てるかもしれませんね。
「ドリワを」買収したのはユニバーサルなのでご注意ください。

筆者はディズニー作品も好きですが、とはいえ
ディズニーへの反骨心から生まれたこのドリームワークスが、
よりによってディズニーに買収されるのは
筆者的には本当に望んでないことなので…たとえ冗談でもイヤです。

2018年~
3代目配給 ユニバーサル(現在)

2018年から。
配給引き継ぎ、6年10作品未上映のハンデをものともせず、
ボスベイビーを上映してヒットさせたのはここ。
日本だとユニバーサル系を日本で配給する「東宝東和」と、
ギャガの共同配給。
が、この共同配給が成立するには紆余曲折あった。

まず、ボス・ベイビー1作目を配給したのは「東宝東和」単体である。
ドリームワークス6年未上映のハンデをものともせず、
いつも通りユニバーサル傘下の「イルミネーション」作品を
ヒットさせるように、
「ドリームワークスのボス・ベイビー」をヒットさせ、

同時期にピクサーの「リメンバー・ミー」や
「映画ドラえもん のび太の宝島」等のような、「大作子供向け映画」というくくりでは強大なライバルがいたにもかかわらず、
ドリワジャパン歴代興行1位という記録を樹立させた。

子供向け映画だったけど、ターゲット層は被せなくても済むというか
作品のテイストジャンルはそれぞれ全然違ったから、
そこがめっちゃ鮮やかな手腕だったなあ…東宝東和様…

ピンチ到来?

こうして「ボス・ベイビー」ヒットによって
華麗な復活を飾ったドリームワークスジャパン。

これでもうドリームワークス暗黒時代が終わる…って
日本国内のドリワファンが安心しかけたその時だった…

次回作は前述した
「ヒックとドラゴン」「ヒックとドラゴン2」の続編にして最終作、
「ヒックとドラゴン3(仮題)」。

世界的な映画の上映予定が見られたりする「ボックス・オフィス・モジョ」
を見たりなどした人が、「あれ?上映予定が不安定じゃない?」
とか、気付く。

最新作が成功したのに次回作を上映しないことがあるだろうか?
でも、ボス・ベイビーが完全新作だったのに対し、「ヒックとドラゴン」は
前作が未上映になっている続編。

今振り返ると、「このまま黙っていたら、また歴史が繰り返されかねないのでは?」的な状態だったかもしれない。

そして、
新たに署名活動が開始される。

(多分リンク表示でもう既に結果がわかるやつだけど、話を進めます)

2作目の署名は思い届かず、更にはスタジオ作品上映が合計6年分のナーフ。
学習性無気力に陥ってもおかしくなかったこの状況で行動してくださった。

あの頃から生き延び続けてきたファンが、改めて拡散する。

果たしてこの思い、東宝東和に届くのか…?

東宝東和様の返答(思い、結実す)

そして、署名が1000人を突破したある日…

!!!!!

………あとは…上記の記事をご参照ください……
この署名は受け入れられ、日本上映が決定しました。

更にその後、ユニバーサル配給の東宝東和が、
「ギャガ」とパートナーシップを結び、
「この共同配給でこれからドリームワークス作品を日本で上映していく」という件を発表しました。


やったーーーーーーーーー!!!!!!

そして、「ヒックとドラゴン3(仮)」は
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」として上映が実現し、
実に10年ぶりに映画館にカムバックしたのであった。

新体制での上映第一弾

こうして、ヒックとドラゴンは3作品それぞれで配給会社が違うという
奇妙な経緯を辿り、
ドリームワークスの新体制が整ったのであった。

いろいろあったが、前配給の6年の暗黒時代を経てからドリワ作品が
シュレック以来11年ぶりに金ローおよびゴールデンタイム地上波に
「ボス・ベイビー」で復活したのはこの経緯のおかげです。

上記で紹介した公式SNSとかも、みんなこの東宝東和×ギャガが結成されてから開設されたんです。

マジ感謝してる。みんなも噛み締めて。

今度こそドリームワークスジャパンが復活したんです。

ありがとう、東宝東和、
ありがとう、ギャガ。

そして、今この新しいドリワジャパンがあるのは、
「ヒックとドラゴン」ファンのみなさまのおかげだと思う。
「ヒックとドラゴン」1作目でファンになったみなさま、
「ヒックとドラゴン2」でその気持ちを忘れずに署名活動をし、
望んだベストの形ではなかったけど、限定上映を実現させ、
そして「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」では
その前に受けた扱いや、2作目の時点以上のハンデにくじけず
署名を起こした方。
そして拡散したみなさま。

別のドリワ作品推し勢としても、ドリワ箱推し勢視点でも、
感謝は欠かせない事です。
本当にありがとうございました。

おわりに

以上、
こんなややこしい状態でもわりとサッと書いたものの、
おおむねこういう感じの流れだったと把握しております。

もっと更に動的に詳細を見てみたい方は、
こちらの動画も気が向いたらどうぞ。
(内容はだいたい一緒ですが)

動画版

(上記動画は説明文からタイムテーブルがあるので気になった話題をご自由に選択してご覧になることもできます。
FOX時代にカンフー・パンダ3がフェイントかけられて未上映になった事件も
あげているので…)

上記のトラウマから、古参のドリワファンの方は今でも
「次は上映されるだろうか?」という不安に駆られることがありますが、
生々しい話、ドリワ上映する予算と、「ドリワが映画館で受けた」という
実績さえ刻まれれば、未上映にする理由は無いと思います。

(注釈:新体制の2018年から、毎年欠かさずドリワが上映しているものの、実は
「スノーベイビー(完全新作)」
「クルードさんちのあたらしい冒険(続編)」
「スピリット 未知への冒険(無印のスピンオフ)」の3作が
未上映になってる件も影響しています。
これに関しては基本作品に罪は無く個人的に色々事情を察せることがあったのと、今後なんかのイベントで上映したら帳尻合うよね…と信じて
ドリワジャパンを応援します。
【ただ、特にスノーベイビーは色々あった。ここでは詳しく語らないけど、
これだけに関しては未上映理由に内容が関係してる】
これらが最後のリアタイ未上映作品になればいいなと思っています。)

ドリワジャパンが復興し続けるには?

それにはどうすればいいのか?ドリワ映画を応援することです。
自分で見るのはもちろん、
映画館に行くとか、公式SNSの発信をRTなどの形でシェアするとか、
お知り合いに紹介するとか、
パンフレットやグッズを買うとか、
あと、映画レビューサイトなりそうでなくても個人ブログに
口(くち)コミするとか…応援の形は色々です。

というわけでみなさま、旧作でも新作でも、もしドリームワークスで
気になるかんじの作品があったら、是非視聴予定のリストの参考にしてみるのはいかがでしょうか。

というわけでみなさま、もしこの6年間の間の作品見てない作品があって、この中に気になったものがあったら是非ご覧ください。

大丈夫、本来なら全国でボス・ベイビー並みの規模で上映されてるはずのものだったから、世界的にはメジャー作品なので。(なんだその勧め方??)

そしてこれからのドリームワークスを応援したい方は
今年10月から上映の「バッドガイズ」をよろしくな!!
完全新作だから新規参入しやすいぞ!

ああ…暗黒時代最初の被害者、
「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」が上映するはずだった年から、
今年でちょうど10年なのか…
ドリームワークスジャパンの未来を
作るのは君だ!よろしくお願いします!!!!


(おわり)

(追伸:更に「バッドガイズ」の次は、現在シリーズ全作映画館無欠席の
「シュレック」シリーズ最新作、「長ぐつをはいたネコ2(仮)」である。
やったぞい。)

【この記事は2022年の「バッドガイズ」上映記念に書いた2012~2019年までのドリワジャパンについての記録です。よかったら定期的にドリームワークスの映画新作の情報、確認してみてくれよな!】

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