優しい味
ママ、これが好き。
黄色いトマトを指で摘みながら娘が言う。
優しい味がする。
娘が言う。
ふーん、そうなんだ。
最近の娘との会話が、頭に浮かんできた。
娘は今、隣で寝ている。
さっき寝たばっかりだ。
優しい味。
娘は、はっきり言って私の料理という料理には一切てをつけない。
おかずは食べないのだ。
たまーに、気を遣って食べてくれる時もあるが、ほとんど食べない。
食べるのは、ご飯にふりかけ、トマト、チーズ、ハム、ブロッコリー、にんじん。
思いあたるのはこれぐらいで、これに手を加えると食べなくなる。
優いつ、ポテトサラダ、マカロニチーズは食べてくれる。
あきて、食べないと言われることがイヤなので頻繁に出すこともできず。
主に、ご飯とトマトが娘の食事だ。
こんなに食べないことが辛く、悩んだこともあったが、もう気にしなくなった。
好きにしてくれ。
そう思っていたが、娘の優しい味という言葉に少し火がついた。
うーん。
少し頑張ってみようかなぁ。
優しい味目指して。
優しい味ってなんなんだろうー。
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