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【前回】 5 電話から三週間後。小早川(こばやかわ)が森沢(もりさわ)を伴って貴美子(きみこ)の元を訪ねてきた。 「失礼致します……」 小早川の押し殺した声が聞こえ、襖(ふすま)が引き開けられた。 「先生、ご無理をお聞き届けいただき恐縮でございます」 小早川は丁重に頭を下げ、部屋に入ると振り返り、「本日は息子の縁談について相談したく、先方のお父様を同行させていただきました。こちらは、ヨドの森沢社長です」 背後に立つ繁雄(しげお)を紹介する。 一目見た瞬