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【前回】 4 小早川(こばやかわ)の告白を聞いて、貴美子(きみこ)は動揺した。 誕生の時期といい、手放してから養子にもらわれていくまでの経緯といい、鴨上(かもうえ)から聞かされていた話と酷似している。 だが、もしその子供が勝彦(かつひこ)であったなら……。 止(や)むに止まれぬ状況下にあったとはいえ、我が子を手放さざるを得なかった母親の心情は鴨上にも理解できるはずだ。鴨上にしても、空襲で亡くなった妻子のことを語ったのは一度きり。その後一切触れずにきたのも、今