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1day仕事体験 ライツ&女性向けコミックコース実施レポート

集英社、採用担当のNです。
1月17日(火)に開催したライツと別冊マーガレットの1day仕事体験、レポートをお届けします。

担当部署 ライツ事業部ライツ企画課

ライツ企画課の社員3名が登壇し、業務内容の説明、グループワーク、質疑応答を行ないました。

ライツ企画課のミッションは原作者の代理人として、映像化などのライセンス(他社に許諾すること)に関わり、作品の売り上げ、認知度の向上をはかることです。


集英社のライツ事業部では作品ごとに一人の担当がつく形をとっており、マンガのコマのテレビ番組での利用許諾から、商品化、映像化、舞台化など、多岐にわたるメディア展開に関わります。
とくに映像化などのビッグプロジェクトでは製作委員会の一員として参加し、担当が企画、契約、監修、宣伝とプロジェクトのあらゆる局面に携わることに。数年単位で作品の価値をどう上げるかを考え、編集部や、販売部、宣伝部、デジタルコミック担当などの社内の人間はもちろん、映画会社、アニメ会社、テレビ局といった多くの方々と協力して実現していきます。長期間、さまざまな人たちとおつきあいできるのもだいご味の一つです。


海外映像化の担当は、英語での契約書や脚本のやり取りの苦労とタフな交渉をやり遂げる達成感を、『SPY×FAMILY』の担当Sはアイテムの多さに忙殺されながらも作品の認知度がみるみる向上する過程に携わった喜びをそれぞれ語っていました。

グループワークでは、『あかね噺』の他メディアでの展開案を考えてもらいました。ワークの時間は約30分。短い時間にもかかわらずどの班もしっかりディスカッションし、最終的に1枚の企画書にまとめてプレゼンしてくれました。ドラマ化やアニメ化、動画配信、ポッドキャスト、さらには原作の落語化といった大胆な案も出て大いに盛り上がりました。

フィードバックのまとめとして「作品を広げるためにこれをやれば絶対大丈夫、という正解はない。逆に言えばすべてのことが正解とも言える。小さいことをひとつひとつ積み重ねていくことが大切」とのメッセージがあり、多くの参加者が頷いていました。

最後に質疑応答のやり取りをご紹介します。

Q.新しいアイデアや構想を得るための秘訣はありますか?
A1.書店や劇場など消費者と同じ現場にいくことを心がけています。舞台でも関係者席ではなく、お客さんと同じ席で、まわりの人の会話に耳を傾けたり。お客様と同じ目線でコンテンツに触れることを意識しています。
A2.興味の幅を広くもつことが大事だと思います。私は普段なら絶対に興味がわかないような映画を観たりしています。その時は、2時間無駄にした!と思っても何かの役には立つかもしれないので。寄り道してみるのもひとつの手だと思います。

Q.プロジェクトごとの社内・課内の人数はどのくらいなのでしょうか?
A.ライツ企画課内、ということであれば1作品につき一人です。もちろん、課内での相談は欠かせませんが。社内では、原作担当、書店での展開を考える販売担当、Webや他媒体での告知を担当する宣伝担当など、複数の人間と相談しながら作品の影響力の拡大を図ります。ライツ企画課内としては原則一人、社内となるとケースバイケースでかなり流動的、というのがお答えになります。

担当部署 別冊マーガレット編集部

女性向けコミックコースは別冊マーガレット編集部から編集長KD、副編集長KK、昨年入社の新入社員Sの3人が登壇しました。まずは編集長のKDが「別冊マーガレット」のターゲット読者が高校生であること。集英社の他の少女マンガ誌のターゲット層との違いについて説明しました


副編集長のKK(男性)は入社後「りぼん」に配属された際、まったく知らないカルチャーを持つ読者とどう向き合うのかを考え、子どもに人気のサンリオピューロランドに行ってみたり、女子小学生向けのファッション誌を研究したとのことこと。そういった経験から読者が何を喜ぶのか? を推し量る感性が磨かれ、その後の仕事にも役に立っていると話しました。

新入社員のSは現在の自分の仕事を紹介。河原和音先生の『太陽よりも眩しい星』の担当になり、現在は2月刊行の単行本の帯をつくっている最中です。そのヒントを得るために過去の先輩たちがつくった帯をたくさん写真に撮り、研究していることを楽しそうに語ってくれました。

事前課題は「別冊マーガレット」新人マンガ賞の投稿作を読んで、批評・提案を記入する、というもの。前日までに送ってもらい、2班に分かれて、編集長KDと副編集長KKが一人ずつフィードバックしました。編集者が新人賞の投稿作を見るときの目線や意識していることなどを直接聞くことができる貴重な機会になったと思います。
ある参加者は「テンポがよい」ととらえている部分を別の参加者は「もっとじっくり見せてほしい」と批評するなど、多様な見方があること、解釈に正解はないことを参加者は実感しているようでした。


印象にのこったフィードバックをいくつかお伝えします。

・新人賞は原石を探す賞。まず、いいところを探して褒めましょう。関係性を築いてから、修正点を伝えていくほうがよい。その際、気づいたところを全部言っても、作家さんが混乱してしまうことがあるので、修正点はしぼったほうがよい。

・編集者は自分の好きなジャンルやこだわり、フェチを作家さんに伝えたほうがいい。こちらが胸襟を開かないと相手も開いてくれないので。

質疑応答を最後にご紹介します。

Q.これからの「別冊マーガレット」をこういう雑誌にしたいという展望を教えて下さい。
A.「別冊マーガレット」は基本的には高校生年代の恋愛を取り上げた作品が多いです。実際にそういったものが好きな人が読んでくれているからこそ、長く続いてきたのでそこは大事にしていきたい。でも友情や、社会情勢、将来の夢など、人間は恋以外の要素も考えて生きています。そういったものを描きたい、という作家さんがいればもう少し間口を広く取っていけたらいいな、と考えています。(編集長KD)

Q.どんな思いで少女マンガに関わっていますか? 
A.まずは中高生というターゲットにしっかり響く、興味のあるものを届けていきたい、楽しんでもらいたい、と考えています。マンガを読んで人生っていいものだな、明日も頑張ろうと思ってもらいたいです。そんな作品を作家さんと一緒に一生懸命考えて作っていきたいです。(副編KK)