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人間関係、土台はどこに?~良好な夫婦関係の大切さ~

いきなりですが、夫婦関係って、全ての人間関係の基盤なんじゃないかなって思うんです。

突然ごめんなさいね、突拍子もなく。
何しろ突拍子もない生き方が好きなもので。


それはさておき。

私は恋愛や人間関係で悩んだり失敗したりして、一時期自己啓発にはまりました。
独学で色々な自己啓発を読みあさり、参考にしたり実践したりといった経緯があるのですが、自己啓発系って、だいたいこんなことが書いてあるんですよ。

『自分に自信が持てない、仕事がうまくいかない、恋愛がうまくいかない、お金がない。そんな人は、親子関係に問題があります。
親からの愛情を十分に受け取れず、愛されなかったという思いが自分を傷つけ、自分は愛されない人間だと思い込み、悪循環に陥り、自分の人生に悪影響を及ぼしています。』

すごく乱暴に要約すると、こんな内容がほとんどです。
でも私は、この内容は半分当たりで半分外れかな、と感じるんです。

親子関係は、確かにとても重要です。
その人の人格形成や考え方、生き方の軸というか、芯というか、成長過程での大事な幹になります。

けれど、さらにその前段階があると思いませんか。

そう、夫婦関係です。
だって子供って、男女が交わらないとできないでしょ?

もちろん様々な事情があるので、必ず家庭には夫婦が揃っているとは限りません。
ですので、始めにお伝えしておきます。

私は、夫婦至上主義ではありません。
家庭には必ず父親と母親が必要だなんて、言うつもりはありません。
むしろマイナス要素になるのであれば、積極的に離婚して、子供のためにより良い環境を整えることを推奨します。

その事を前提とした上で言い切ります。

夫婦関係が良好であることが、幸せで豊かな人間関係のベースになります。
夫婦が仲良く過ごすことこそが、その家庭を幸せにし、幸せな家庭で育つことこそが、子供の心を豊かにし、豊かな心の子供が育つことこそが、社会を良くします。

…矛盾に感じますよね?

夫婦至上主義ではない、離婚したっていいじゃない!と言いつつ、夫婦ラブラブ上等!夫婦のラブが世界を救う!って言ってるんですから(笑)

でもね、想像してみてください。
あなたには、大好きで大好きで、どうしようもないくらい愛してやまないパートナーがいるとします。
もう、朝起きてそのパートナーの顔を見た瞬間に幸せになります。

2人はいつもラブラブです。

互いに労い、励まし、尊敬しあい、助け合って生活しています。

困ったときには、相談すると望んだ言葉をかけてもらえて、2人で対策を話し合い、解決策を導きだします。

嬉しいことがあったら真っ先に報告したくなって、その嬉しいことを報告すると、まるで自分のことのように喜んでくれるんです。

そんなパートナーがいたら、仕事、頑張れませんか?
家事、頑張れませんか?

口から出てくる言葉は、愚痴や不満ではなく、ありがとう、助かるよ、お疲れさま、といった、心のこもった温かい言葉ばかりです。

そんな家庭だったら、癒されませんか?
早くおうちに帰ってパートナーに会いたいなってなりませんか?
そしてパートナーに優しくしてもらえるから、自分も穏やかで優しい気持ちで、周りに接することができると思いませんか?

自分のパートナーがそんな相手だったら、きっと迷わず相談をしたり、時には弱音をはいたりすることもできると思うんです。

弱い自分をさらけ出したくないとか、変にカッコつけたり、見栄を張ったりする必要、ないと思うんです。

だって相手は、どんなあなたでも受け入れてくれて、どんなあなたでも支えてくれて、どんなあなたでも傍にいてくれるから。

そんな両親だったら、子供は当たり前に愛情に満たされて、親子関係にヒビが入るようなことはないと思いませんか…?

逆も然りです。

顔を合わせればグチグチと文句を言い、相手を罵り、自分の方が立場が上だとマウントをとり、労いの言葉どころか信頼関係は全くなく、家庭の空気は常にギスギスしている。

そんな家、帰りたくないですよね。
そんなパートナーのために、仕事も家事もできないですよね。

自分はこんなに頑張ってるのに、相手はちっとも分かってない、と、心の中はいつも不満でいっぱいです。
しかも相手は自分の方が頑張ってる、自分の方が大変だと張り合ってくる。

常に気分が悪いから、ストレス発散のために飲み歩いたり友達と出掛けたりして散財し。

夫婦の時間は減る一方で、相手が何を求めているのかも、どうしたいのかも分からない。
唯一わかるのは、相手は不機嫌だと言うことだけ。

そんな家庭で育った子供は、どう感じるでしょう。

父は父で優しいかもしれない。
母は母で優しいかもしれない。

けれど、父の言うことと母の言うことが違う。
いつも嫌な雰囲気が漂っていて、家庭の空気は張り詰めていて、ちっとも心が休まらなかったら、どんなに父と母が愛情を注いだところで、子供には届かないと思うんです。

愛情のタンクに穴が無数に空いていて、入れても入れてもこぼれ落ちていってしまうような、そんなイメージ。

どうですか?

もちろんこれはどちらも極端な例です。
もともとは他人で、全く異なった環境で育った二人が、ある日突然家族になって一緒に住むんです。
軋轢が生じるのは当然です。

出会った二人の情熱が、時間と共に落ち着いて、ドキドキもワクワクもときめきもなくなるのは、生物学のホルモン分泌上、生命維持機能のため、当然の生体反応です。

それでも。

あなたのご家庭は、どちらの要素の割合が多いですか?

あなたの周りには、ご両親を含め、こんな夫婦になりたいな、こんな結婚をしたいなと思える人がいますか?

1000年も2000年も前の遥か昔から現代まで、多くの詩人や哲学者、小説家たちが、口を揃えて描いています。

恋は素晴らしい、愛は美しい。

けれど結婚は地獄だと。

なぜ、そのようになってしまうのでしょう。

血の繋がりが重視されている日本の文化の中では、親子はとても強い絆や結び付きとして描かれます。

例えちょっと喧嘩をしたり、離れて暮らしたとしても、親子の縁は簡単には切れない。
だから、少しくらい言いすぎても、言葉や配慮が足りなくても、なんとなくなあなあで丸く収まることが多々あります。
(だからこそ、親子関係に軋轢が生じた場合、距離感や相互理解の改善がとても厄介になるのですが)

一方で夫婦関係は、全く違う環境で育った二人が書類一枚で家族として定義付けられるのですから、家族として機能するためには、お互いを理解し、適切な距離感を保ち、お互いが気持ちよく過ごせるよう、互いに配慮しなければいけないのです。

親子関係が成長する上での軸や幹となるのであれば、夫婦関係や家庭環境は、その幹を安定し太く強くするための土台、畑です。

栄養が豊富な土壌には、素晴らしい果実が実ります。

だから、夫婦関係が良好であることは、豊かな土壌にする近道なのです。

けれど、人間は必ずしも話し合えば解り合えるとは限りません。
これはまた別の機会にお話ししようと思いますが、夫婦関係を良好に保つためには、価値観と思いやりと歩み寄りが重要になってきます。

しかしこれらは、どんなに努力をしようと、技術を学んで駆使しようと、必ずしも良好な関係に転換するとは限りません。

むしろ、この事を知ることによって、今までなんとなく合わないと思ってうやむやにしていたものが、明確な溝として目の前に現れることもあります。

けれど、それならそれでいいと私は思います。

大切なのは、関係性の土壌を豊かにすること。

肥料としての性質が相反して土が枯れてしまったり、栄養にならず毒として土壌を汚染するようであれば、それは早々に取り除く必要があります。

片親でも、両親がいなくても、同性同士の養育者でも、土壌を豊かにすることはできます。

むしろ両親が揃っているからこそ何も育たない痩せた土になっていることだってたくさんあるんです。

現代はその事例の方が多いかもしれませんね。

ただ、縁あって結ばれた二人。
様々な道のりを経て結婚、夫婦として生活していくことを決めたのであれば、努力して、思いやって、関係を良好にした方が、人生も心もとても豊かになりやすいと、私は思います。

親子は選べなくても、パートナーは選べるんですから。

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