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モロッコ豆カレー

移住してすぐビニルハウスの跡地を耕して小さな畑を作り「ドレミ菜園」と名付けた。二人とも初めての体験である。妻が一生懸命手入れしている様子と作物の不成長を記録し,夏枯れしたところで「残念でした,来年はがんばります」というSNSネタのつもりで手伝っていた。

ところがどっこいどっこいしょ。意外なことにレタスもキュウリも茄子も,トマトまでもが驚くほどの生育を見せ,実用に役立つ収穫があった。

中でもこの豆。モロッコインゲンと言う。諏訪地方以外ではあまり見かけない。たった2株のモロッコインゲンが夏のあいだ中ザクザクと採れ,母と3人では朝昼夕と茹でたり炒めたりしても食べきれない。他の作物がそろそろ終わった9月の末になってもご覧の収穫量である。人さまに差し上げられるほどのクオリティでもなし,さすがの妻ももて余すようになった。

ビストロ☆シュウの開店である。2日分ほどの収穫を柔らかめに茹でるようドレミに指示する。

妻の丹精込めた野菜が余ってしまったときボクは天才クッカーである。クッカーとは造語で,なぜコックではないのかと言えば,味音痴の妻以外にはテイストする人間がいないからだ。天才と断定するにはいささか客観的評価に欠けている。

玉ネギをオリーブ油で炒める。

冷蔵庫からクズ野菜を集めてスープを取る。この日はネギの尻尾,レタスの芯,しなびた人参などである。

モロッコインゲンと玉ネギをジューサーにかける。

鶏肉を使いたかったがなかったので豚のひき肉をニンニクで炒める。弘法は筆を選ばず,天才は肉を選ばない。

SBのカレー粉,コリアンダーシード,チリペッパーに薄力粉をオリーブ油で炒める。

野菜スープを少量ずつ加えて練り,カレールーを作る。

野菜スープの鍋に全部を合わせて煮込む。隠し味に昨日,下諏訪に下りたときに買った栗のはちみつ。トマトケチャップ,ウスターソース,顆粒の和風だし,バルサミコ酢などいつものように思いつきで調味していく。豆の色と風味を消さぬようトマト系の調味料は少なめに。

ふんわりインゲンの香り、モロッコ豆カレーの完成です。

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