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日進月歩 ~Road to MBA~#31

2020/10/23:アントレプレナーシップ⑤
 前回に引き続き金曜日はアントレプレナーシップで、企業の経営や起業の経験、組織論に携わっている安部先生の講義の5回目です。本日はハーバードケース「日本の起業家 稲盛和夫」を読んで、
 (1)稲盛氏の起業家・経営者としての強み・特徴、弱み・課題
 (2)このケースから、自分自身が学べる事・実践できること
を自分自身が感じた言葉でまとめ、それを基にディスカッションを実施することとなった。

 講義の第2回目にも出てきた「TIMMONSモデル(改編版)」を基に、自分自身も整理していたので少しお話してみたいと思います。内容を一言で表すにはとても難しいが、全体として強固なフィロソフィに基づいた”事業機会を見極める力”と”ヒトを大事にし引き寄せる求心力”によって京セラ社やKDDI社といった名だたる企業を生み出したのだと感じている。(あくまでも私が感じたことであり、その要素に講義内であった共感した内容を盛り込んでる内容となりますので、お付き合いいただければと思います)

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(1)稲盛氏の起業家・経営者としての強み・特徴、弱み・課題

①事業機会
 強みとして、「きっかけをポジティブにとらえること」「業界特性に合わせた将来と戦略を社会と掛け合わせて考えること」「環境の変化や機会への対応判断とスピード感」「誰のためにこの事業をやるのか」を常に考えて実行していたように感じている。成功をしていても尚、次の課題や先天的な取組みをしていることも大きな要因であるだろう。弱みとしては、新卒の会社で技術としては成功したが上司とあわずに退社、また強固なフィロソフィがあったことで海外の文化と合わない面もがあげられるのではないか。
【その他意見】
  ・事業機会に合わせて「強力な支援者」がいた(求心力・人間的魅力)
  ・先見性のある取組み(セラミック技術・DDI社)

②経営資源
 強みとして、重要な要素として、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」とあるが、その中でも「ヒト」が重要な要素としてあがっていると認識した。新卒の会社で上司とあわずに退社するときに、同僚や部下だけでなく青山さんといった上司まで一緒に新しい起業の支援をしていただけた。また、出資に関しても自宅まで担保をしてまで西枝さんが助けてくれた。
 起業してからも、昇給とボーナスの保証を要求してきた11人の新卒に対して「みなさんの将来が良くなるよう、全力を尽くす」を伝える一幕があった。現代の世代に対して同様の言葉を投げかけて響く人財が何名いるかは分からないが、当時の時代背景も稲盛氏を後押ししていたのではないかと考える。どちらも稲盛氏の人を引き寄せる力、伝える力によって生み出されたものであると感じている。
【その他意見】
  ・強力な支援者(ヒト)、資金の出資(カネ)、情熱と技術力(情報)

③起業家・チーム
 強みとして、重要な要素は、「個人」というキーワードであると感じた。あくまでもチームは、個人が集まったものであり、個人の能力を最大限生かす(アメーバ構造)ことで成果を生み出しているという考え方であると分析した(決してチームという概念を軽視しているわけではない)。弱みになり得る可能性がある要素としては、強固なフィロソフィがありすぎると違った価値観を生み出せなくなる、また、カリスマ性があるがゆえに属人化しているのも課題になり得るのではないだろうか。
【その他意見】
  ・謙虚さや素直さに基づいた強いリーダーシップ(カリスマ性)
  ・アメーバ経営(経営者目線の課題発見力を若いうちから醸成可能)

0:経営理念・ビジョン(事業目的)
 最後に全体を支える企業理念やビジネスプランであるが、強固なフィロソフィを明確に打ち出し、社員へ浸透していくことを最も重要視していたように感じる。良くも悪くもフィロソフィに賛同するヒトと仕事をしてきたようにも感じ、違った価値観がないことでのコンフリクトへの対応を無くしたのではないか。また、哲学の浸透においても①起業の京セラと②合併したKDDI社で手法を変えて柔軟な対応もしているところを踏まえると、どちらの手法も知っている、且つ人の心を読む力に長けていることが要因であるとも考えられる。その中でも、成功したのは「語り部」と「スモール稲盛」をより多く創りあげられたことが、最大の成功要因であると私は感じている。

(2)このケースから、自分自身が学べる事・実践できること

 私はこのケースから最も学んだことは、「哲学」の重要さ(経営は、トップが持つ哲学・理念によって大きく左右される)である。他にもヒトなどの重要な要素はたくさんあるが、本の中にもあった言葉で”ビジネスは人の心をベース”、”成功のための方程式=能力×熱量×考え方”、”人生という名のドラマ”など共感できる要素が私には多くあり、「言葉」にすることの重要性に気づかされた。
 自分自身も今までの社会人経験やサッカーでの経験を含めて、自分自身が経験を基に大切にしていることは何か、平岩宗はどういった人物なのかをアウトプットする必要があると思う。仲間を見つけていくためにも、まずは「自分自身を言葉に」することを2年間でできたらいいなと考えています。
【その他意見】
  ・コミュニケーションが多様化したが、関係性が薄くなった
   ※デジタルとアナログのバランスをもって対応することが必要
  ・成功しても当初と変わらない姿勢であり続ける器の大きさを持つ


 最後に、私は前々からビジネスとスポーツって大きく似ている部分があると考えていたが、ベースとなる基礎が大事(例:サッカーでいうと思った場所にトラップできるボールが蹴れるなどの技術は重要な要素ではあるが、それを発揮するための基礎的な運動量および気持ちが必要といったこと)ということも、改めて同様であると認識することができた。このアウトプットを大事にしながら、自分自身が感じたことを”自分の言葉”で伝えていければと思います。

稲盛和夫  OFFICIAL SITE:https://www.kyocera.co.jp/inamori/


        立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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