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日進月歩 ~Road to MBA~#40

2020/11/8:JBCC2020
 今回は講義ではなく、ご縁があり参加することになった「日本ビジネススクールケースコンペティション(通称JBCC)2020」について学んだこと、振り返って感じたことを思いのままに書き綴りたいと思います。今回のケースは「スポーツ用品メーカーの社長として、コロナ禍からの脱却・成長戦略を描き出せ!」でした。
※想いをつらつらと書いており、内容としてまとめきれてないので少し長いですが堪忍下さい。


【参加決意から予選資料提出まで】
 まず、予選から振り返ってみようと思う。実は、この大会は遡ると8月10日(月)にケースが発表され、予選が始まった。9月5日(土)までの約1か月間で、ケースの読み込みから始まり、事業環境分析から10か年の戦略および財務諸表を提出することをゴールとしている。
 きっかけをもらった仲間と4名でチームを組んで開始をした。始まって約2週間程度たったところで些細なことからではあったが、コミュニケーションの少なさ、チーム内での意識の違いや納期までのコミット力、各個人のライフスタイルとのバランスから”解散”することになった。これが起きたのが8月4週目であり、資料はほぼ作成できていなかった。唯一出来ていたこととしては「過去資料からの傾向の潰しこみ」だけであった。しかしながら、実はこれが一番大事だったことを後々気づくことになる。
 ここから自分自身のみで資料作成や戦略策定をしていくのだが、最後までやり切ろうと思った背景としては大きく2つの理由があり、①スポーツ用品業界がケースであったこと、②実は心強い仲間がいたことがあげられる。実はもう1チーム、同じ立教大学院1年生から参加していたのだ。そのチームメンバーとは毎週土曜日に集まり、資料を作成していた。同じチームではなかったので一緒にディスカッションすることはできなかったが、創りあげていく過程の頑張ってる仲間の姿を見て、私自身も負けてられないと思うことができた。サッカーをしていた時もそうだったが、ライバルが近くにいることで成長できるのは、人生でもビジネスでもなんでも同じなんだと感じられた。その結果、提出日の9月5日(土)23:30・・・締切り30分前になんとか提出することができた。ここから結果が出るまでの1か月、まさか予選突破するとは思っておらず、日常を淡々と過ごしていくことになる。


【予選突破~本選当日まで】
 10月11日(日)結果がメールにて到着した。結果は、「予選突破」という内容であった。正直な気持ちをお話しすると、実はこの時”辞退”をしようと考え、悩んでいました。しかしながら、周りの人からの期待の声や一緒に戦っていた仲間、立教大学代表という責任を考えたときに、やれるところまでやろうと考えるようになりました。この決断をするまでに、1週間の時間を要してしまいましたが、この時間が私にとっては「一番大事な時間」であったと感じています。この1週間の間に、実は色々な人からの祝辞のお言葉や協力できることがあれば手伝うよとのたくさんの仲間からの声、OBの方からの本選説明をいただくなどの、色んな立教大学院の関係者の方々からのアプローチがあった。この時、私は1人ではないんだなと改めて感じることができ、立教大学院のために何かできないかと考え、右往左往したけれど”最後までやり切るべき”だと決心をしました。
 しかしながら、ここからが苦難の道でした。予選で作成したpptは全部で18枚・・・今までの本選出場者の発表スライドをみると約50枚から90枚と、ここからは「時間との戦い」でした。10月17日(土)フォローをいただける仲間とともに改めての再出発となった。ここから本選資料提出日である10月31日(土)までノンストップ。睡眠時間は大体平均2時間~3時間、仲間のフォローもあり、10月31日(土)にppt資料83枚という超大作を作成させることができた。一緒に手伝ってくれた仲間がいてくれたからこそ、絶対に1人では作成できず提出は無理だったので、感謝でしか表しきれません。
 無事に提出も完了し、ここから発表までの約1週間はひたすら、14分という時間制限がある発表での、「プレゼン練習」に時間を費やすこととなる。オンラインならではの難しさと当日の環境をどうするか、声の大きさや抑揚など、前日まで仲間との練習が続いた。


【本選当日(セミファイナル)】
 そして本選当日、私はAブロック(4チーム)に配置され、当日はネット環境などを考えて会社で発表をすることにして向かった。1番が良い、そう思っていたらなんと最後の4番目・・・ある意味良い引きでありながらも最初にやりたいと思う気持ちも強かった。他チームの緻密さと根拠ある資料や発表に圧倒されながらも、自分自身における「半年間のアウトプット」を出そうと必死に発表した。
 正直、最初は緊張していた。親父からも「もっと笑顔に・・・」と言われるほどで、自分で見返してみてもそう思った。でも、内心は楽しかった!!たくさんの人に自分が思っているプランを話す機会はなかなか無いものであるし、久しぶりの大勢の前でのプレゼン、良く昔やっていたなぁって思い返しながら話をすることが出来た。途中、なぜかページを飛ばした内容を話していたり、pptがEnterを押しても次ページに動かなくなったり、オンラインならではのアクシデントがあったが、本番という中で13分56秒という発表時間をフルに使い切って出し切ることができた。
 案の定、踏み込んで決め切れていない点や、未だ自分の中で深堀りできず用意できていなかった点を質問されてしまった。しかし、自分自身が持っている力は振り絞れたかなと満足はしている。結果は、思っていた通りではあったが”敗退”、グランドファイナルに進出はできなかった。
 これは勝負の世界なので、仕方がないこと。でも負けるのはやっぱり悔しいし、自分ではまだ深堀りや用意できていないと感じていた点や、これくらいでいいだろうという「自分自身の甘え」を改めて感じられた時でもありました。改めて発表の1秒前まで、何か出来ることはなかったのかというのを考えさせられた時間でもありました。とても良い経験を得られましたので、この経験を伝えていこうと思います。


【JBCC2020を終わってみて・・・】
 終わってみてふと振り返ると自分自身の中で、考え方という部分では負けていないと自信を持つことができた。少なからず、事業分析をしたうえでのプランの考え方や方向性は、互角に立ち向かえると感じられたからだ。しかし、それをカタチにする、数字をもって論拠を示す、それを論じられるだけの知識力が足りない、見る角度の多さという点で不足能力はあるが、「基礎となる考え方」については間違っていなかった感じることが出来た。あとはそれをいかなるときでも気づけるように、自分の中でテンプレート化したり、より実践に近いケースをこなしていくことで、「基礎」+「自分の能力に応じたアレンジ」を作っていけるのではと感じている。
 心残りを言うと、決勝でたくさんの人やあらゆる社長様たちに「スポーツ業界としての社会課題、それを解決するための夢」というのを伝えられる場を手に入れたかったなとは感じていますが、今の自分の実力ではまだ達していないということも、改めて肌で感じることができました。様々な方からの講評をお聞きしながら、私の中で足りていなかったこと、自分なりに網羅できていたと思うことを簡単ですが、振り返りしたいと思います。最終的には構成からどんな内容にするかを1人で考えたことで、自分自身に足りない部分を洗い出すことができ、さらにチームで創りあげる重要性も改めて考えることができました。
 何よりも前提で「基礎」が大事で、そこに自分のアレンジや特徴、将来やりたい目的を組合わせていくことで、自分なりのフレームワークを作っていければと思います。鳥の目と虫の目を持ち合わせた”様々な視点”も加えて。

▶足りていなかった観点
 ✔  スポーツ用品企業のコスト構造(原価率の高さ、営業利益率の低さ)
 ✔  製品特性(用具だけでなく、シューズやウェアなどの特性)
 ✔  競技ごとの競合の把握(スポーツ用品といっても単一の競合でない)
 ✔  新型コロナウイルスによる業績悪化の実態とKSFの変化
 ✔  購買者の新型コロナウイルス前後のライフスタイルの変化
 ✔  資金調達のタイミングと方法(最悪のシナリオを考えること)
 ✔  自社の立ち位置(中堅メーカーとしての「選択」と「集中」)
 ✔  株主構成やボール製造部分を一旦各セグメントに振り直すなどの構造
その中でも、私が最も足りてなかったのは以下の2つだと・・・
 ①アイデアに根拠のある”数字の論拠”が無い(売上高250億増加の根拠)
 ②各戦略における実現可能性と優先順位(数字の根拠、ターゲットなど)
▶自分なりに網羅できていた観点
 ✔  高品質を高価格で提供する点(価値の提供)
 ✔  ビジョンに基づいた「短期」と「長期」の戦略の統一感と整合性
 ✔  購買決定要因(競技レベルによるスポーツをする目的把握)
 ✔  競技ごとの現状分析(4Cの自社・市場・環境(競合以外))
 ✔  マーケティングの付加価値を提供(データ利用)
 ✔  自社が持っている資産の把握(技術・人財・カネなど)
 ✔  意外と現状の財務分析はある程度方向性は間違っていなかった

 最後にこの大会を通して感じたのは、「スポーツには大きな可能性がある」ということです。どのチームも、人々の暮らしや社会課題に対する経営理念やビジョンが多く存在しており、持っている価値について認識されているように感じた。また、子供・高齢者・障がい者など、どの層に対しても価値を提供できるものでもあると感じ、さらに価値を基にした「多角化」に向けた取組みも可能であると、改めて認識することができた大会であった。また、学びは「no pain no gain(痛みなくして得るものなし)」でもあると、最近の山Pの言葉からも印象的であったように、私も身をもって体験することができ、今ではやってよかったと思え、きっかけを作ってくれた当初のチームメンバー3名にはとても感謝しています。

※JBCCの目的と背景:JBCCとは?
※発表Youtube:Aブロック発表(立教大学院の平岩チームは1:30:20から)

         立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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