日進月歩 ~Road to MBA~#68
2020/12/18:ネゴシエーション④
金曜日はネゴシエーションという科目となり、引き続き企業の経営や起業の経験、組織論に携わっている安部先生の講義の4回目です。本日は初めての対面講義となり、「オフラインでの交渉」について体感でき、普段のオンライン交渉とは違った学びがありました。
今回は2つの交渉ケースを実施し、本番さながらの緊張感の基に交渉を経験でき、オンラインではない空気感を感じながら学ぶことができました。
【ケース1:個人交渉】
次のリーダーは誰?(日本企業の海外支社における人事面談について)
最初のケースは、日本人の人事課長に対して、アメリカ人のエンジニアがプロジェクトリーダーになりたいと要求した場合の交渉となる。私は遅れての講義参加となったために、交渉を周りから観察することとなった。
人それぞれの交渉パターンを観れることで、普段とは違った”気づき”が得られること、自身ならどうするかを”客観的”に考えられるといった点で冷静に分析できたと思っている。その中でも、まずは「相手がなぜプロジェクトリーダーになりたいか」をしっかりと把握することが重要である前提は、変わらなかった。事前に聞くべきことや話のストーリーを整理するために「交渉戦略シート」というものを用いて、実際の交渉に入ることを実践を通して学んでいくことができた。慣れるまでは漏れが多く、全くMECEになっていないため、これからの日々利用をしながら染み込ませる作業をしていく。
<交渉戦略シート>
✔ 交渉のタイプ(問題解決の重要性×関係性の重要性)
✔ 自分のゴール(Best&Minimum、BATNA)
✔ 【仮説】相手のゴール(Best&Minimum、BATNA)
✔ 想定するZOPA
✔ 得たい情報(上記を仮説立てした際に、必要となる情報) など
【ケース2:団体交渉】
海外生産委託でトラブル発生(中国春節を考慮しなかったことによる)
続いてのケースは、団体での交渉となり3人(日本企業)と3人(中国企業)における、トラブル対応の依頼となる。結果を一言でいうと、事前準備不足と話の順番を間違えたことで、一瞬で「劣勢」になってしまったという環境を自分達で作りだしてしまった。振り返りをチームで実施しても、反省することしかない程に交渉において難しい部分が多かったと感じた。また、団体交渉という中で、部長・課長・主任という役職の役割以外にも強気でいくひと、裏でフォローする冷静な人、適宜な場面で会話を入れ込む人といった話の流れの役割など、全てが先方の方が上手であった。このような状況の中で、結果は劣勢の上に「決裂」という結果であった。
■振り返り
改めて冷静に考えてみると、今となってはどういったストーリー(話の流れや役割)でいくべきだったかを色々と振り返ることができる。話をする順番、相手がどこまで可能なのかを確認すること、こちらの選択肢をいくつか考えておく、委託生産をしている自社の優位性や、コスト面でのZOPAを確認するなど、考えれば考えるほどに、途中からでも挽回できる方法があったようにも感じている。しかしながら、準備ができる時間が限られている中で、短時間でしっかりと吟味し、たくさんの選択肢の中から「今回の案」を選ぶことが重要となることも身に染みて感じる結果となった。
唯一の良かった点と言える?ことは、途中から「コスト」だけの話にもっていけたことでもあるかなと振り返りした。その際にも、きちんと試算をしておくこと、他社にもお話をしたなどの交渉材料をどれだけ用意できていたかといった反省ができる。年明けに講義がまだ残っているので、しっかりと振り返りをして臨んでいきたいと思います。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 平岩 宗
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