十角館の殺人（ネタバレ）
公開 2024年 huluオリジナル
監督 内片輝
出演 奥智哉
青木崇高
望月歩
長濱ねる
今井悠貴
鈴木康介
小林大斗
米倉れいあ
瑠己也
菊池和澄
濱田マリ
池田鉄洋
前川泰之
河井青葉
草刈民代
角田晃広
仲村トオル
※※↓以下ネタバレ↓※※
忙しい人のためのあらすじ（ネタバレ）
建築家が心中したといういわくつきの変な建物・十角館へと合宿に来たミス研の面々。メンバーたちは何者かに1人また1人と殺されていく。その頃本土のミス研元メンバー河南と推理オタク島田は死んだはずの建築家からの告発文を受け取り事件について調査を始める。河南の友人でこれまた元ミス研の守須も仲間に加わる。なんやかんやで合宿に参加したメンバーは全員死亡。犯人はヴァン・ダイン＝守須だったのだ！これぞ叙述トリック！
忙しい人のための感想
・マジでわかんなかった
・エラリィうぜぇ〜（笑）
・これはもう可哀想としか…
概要
あらすじ
ある島へ大学のミステリ研究会の7名（ポウ、カー、エラリィ、ヴァン、アガサ、オルツィ、ルルウ）が合宿に訪れる。そこは、建築家・中村青司が妻や使用人とともに死亡した自宅青屋敷と、すべてが十角形で作られた十角館のある角島といういわくつきの島であったが、ヴァンの伯父が島を買ったというので興味本位でノコノコやってきちゃったのだ。
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一方、本土ではミステリ研究会の元メンバー・河南のもとに死んだはずの中村青司から「中村千織は殺された」という手紙が届く。中村千織は、不運な事故で1年前に死んだミステリ研究会の元会員である。
そんなわけで、河南はヒョコッと出てきた島田潔という暇な推理オタクとともに、事件について調べ始める。
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十角館
「殺人犯人」や「探偵」、「第一の被害者」などの不吉なプレートがいつの間にやら用意されており、案の定最初の死者が出る。三日目の朝、ビニールひもで締め殺されたオルツィの死体がベッドに横たわっているのが見つかったのだ。彼女の死体には左手首がなかった。これは、青屋敷で起きた事件の中村青司の妻と同じ。エラリィをはじめミス研の面々はこれを青屋敷での事件になぞらえたものと考えた。
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本土
河南と島田は中村青司の弟、中村紅次郎（島田の大学時代の先輩である）に会う。そして河南の友人であり、同じくミステリ研究会のメンバーだった守須が仲間に加わる。
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十角館
カーがカップに仕込まれた毒で殺害される。カップはみな一様に同じデザインであり、誰がどのカップを手にとってもおかしくない状況であった。このことから一同は、犯人は外部の者（中村青司は生きている？）であると思いはじめる。当時島にいたはずの人物の1人で、庭師であった吉川誠一の死体が見つかっていないのは、中村青司が死体に細工をし、自らの死を偽装したからではないかと。
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本土
中村千織の死に関する調査を相も変わらず続ける河南と島田に、「死んだ人の知られたくないことまで根掘り葉掘り調べて、そういうのイクナイ」と守須がマジレス。僕はもう降りると言い出す。ションボリ河南。島田は暇なので調査を続けさせてもらう。河南も、過剰な詮索は申し訳ないとしながらも、もうちょっと調べてみたいと守須に訴える。
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十角館
青屋敷の焼け跡から、微妙に色の違うタイルを発見。タイルをどけるとレバーがあり、地下室への扉が開く。興味津々男エラリィが先陣切って降りていくも、階段に仕掛けられた糸のようなものに足を取られ転倒。しかし余裕で無事。地下室には地面を掃いたような跡があり、誰かがここに潜んでいたと思われる痕跡があった。
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十角館
5日目の朝、アガサが口紅に仕込まれた毒で殺害される。さらに、ルルウの部屋のドアに「第3の被害者」のプレートが貼られていて急いで中を見ると、彼の姿がない。慌てて島内を探しに行くと、青屋敷跡のそばでルルゥの撲殺死体を発見。
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十角館
残されたのはエラリィ、ポゥ、ヴァンの3人。エラリィは十角館が十角館であることに意味があったんだと、十角形のカップの中に、ひとつだけ十一角形のカップがあるのを見つける。これならカーが毒殺された時、カップを見分けることができる。だとしたら、犯人は？
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十角館
オルツィが部屋に犯人を入れていること、カーとアガサの2人が毒殺されていることから、オルツィの幼馴染で薬を手に入れやすい医学生のポゥが疑われるが、ポゥは殺す理由がないと反論。
何かに気づいたエラリィが雨の中外に出る。ルルゥが殺された時の青屋敷跡そばの足跡は、海の方から来て、海の方へ戻っている。やはり犯人は外部の者＝中村青司で、その動機は、中村千織。ミステリ研究会の元メンバーで、飲み会で心臓発作を起こし亡くなった中村千織。完全に気づくのが遅いが、まあ彼らは手紙を見ていないのだから仕方ない。そんな中、ポゥも煙草に仕込まれた毒で死ぬ。
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本土
中村千織は、中村紅次郎の娘だった。兄嫁との一度の浮気で身籠った子こそが中村千織だ。重度のメンヘラだった中村青司は、その事実自体は知らなかったものの、極端な独占欲から妻を使用人もろとも殺害。自身も青屋敷に火を放ち焼死した。
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十角館
残されたエラリィとヴァンは、十一角形のカップの存在は、十一個目の部屋を示唆していると推理。キッチンの床下に部屋があり、十一角形のカップをくぼみに嵌めることで扉が開く仕組みになっていた。生きていた中村青司が潜んでいると踏んでいた2人だが、そこにあったのは死体の見つかっていなかった庭師の亡骸のみ。
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本土
角島の十角館が全焼し、6人の焼死体が発見されたという報せを聞く河南たち。現地に向かう一行。島田の兄をはじめとする警察の調べでは、6人のうち5人はすでに死んでいて、最後の1人が自ら灯油をかぶり火を放ったとのことだった。その1人は松浦純也だと聞かされた河南と守須は、エラリィがそんなことを…と驚く。エラリィという呼び名の意味を島田兄が尋ねると、僕たちは推理小説家の名前をあだ名にして呼び合っているのだと答えた。
ー君たちにもあだ名が？
ええ、僕はドイルです。コナン・ドイル。恥ずかしながら
ーシャーロック・ホームズの作者だ
ーじゃあ君は、モーリス・ルブランってとこか
いえ、僕は
ヴァン・ダインです
テッテレ〜
守須はヴァンでした〜
登場人物別
江南孝明／奥智哉
本作の主人公。中の人はガンツの作者ではない。
ミステリ研究会の元メンバー。あだ名はコナン。故人である中村青司が差出人の手紙を受け取る。それから探偵役である島田と出会い、友人である守須とともに彼についての事件を調べ始める。彼の弟に会ったり島に行ったりしたが、推理は全部微妙に外れていておいしいところは島田に全部持っていかれる。
中村千織が死んだ時の飲み会は途中で帰っていたためその場にいなかった。おかげで殺されずに済んだ。生前の彼女が指輪（ヴァンにもらったやつ）を大事そうに眺めているのを見かけ、指にはめないのを疑問に思ったが、どうやら相手の男は交際を隠したがっていると悟った。その時千織は「早くみんなの前で指輪をつけられるといいな」と言っていた。
あだ名の由来はコナン・ドイル。
島田潔／青木崇高
本作の探偵役。推理オタクのニート。中村紅次郎は大学時代の先輩。兄は刑事。
エラリィ／望月歩
ミス研の中心人物。台詞のすべてが書き言葉で芝居くさくて、サラサラのセンター分けが鼻につく男。喫煙者。アガサの死に様を「まさに死化粧」と言ったり不謹慎な発言が多い。ヴァンとともに十角館の謎を解いた気になって、油断した結果ヴァンに睡眠薬を飲まされ眠りに落ちた隙に灯油をぶっかけられて燃やされた。中村千織の死亡については「不幸な事故だった。誰も悪くない」と発言している。
あだ名の由来はエラリィ・クイーン。
アガサ／長濱ねる
聖子ちゃんカットのミス研女リーダー。楽観的で他力本願的でヒステリック的な女。カーが死んだ時のコーヒーを淹れたのが彼女で、食事を作っていたのも彼女だったため、メンバーに警戒され「はいはいワロスワロス」とヒステリーを起こす。その次くらいの朝に化粧くらいは明るくいこうと真っ赤な口紅を使ったばっかりに、ヴァンが初日くらいに先端に塗った毒によって死亡（ヴァンは本土との往復の疲れで口紅が2本あることに気づかなかった）。中村千織が死んだ時には「あの子が自分から（酒を）飲んだ」と発言している。
あだ名の由来は阿笠博士アガサ・クリスティ。
ルルゥ／今井悠貴
眼鏡をかけた気の弱そうなミス研メンバー。ネルシャツを着ていて普段はアガサの小間使いをしている。ヴァンが隠していた本土との往復用ゴムボートを見つけてしまい口封じに急遽殴り殺される。中村千織が死んだ時には「わかっていたら飲ませたりしませんでしたよね」と発言している。
あだ名の由来は水瀬るるうガストン・ルルー。
ポウ／鈴木康介
ミス研の中心人物。若い頃の阿部力みたいなインテリ男。オルツィの幼馴染。医学部なので死亡推定時刻など簡単な検死ができる。最後の3人には残るものの、直前にヴァンに仕込まれた毒の煙草を口にして死亡。
あだ名の由来はエドガー・アラン・ポー。
オルツィ／米倉れいあ
ミス研の良心とも呼ぶべき女子。死んだ中村千織とも一番仲が良く、彼女の（ヴァンが贈った）指輪を形見分けとしてつけている。しかし結果としてそれが仇となり一番最初に殺されることとなった。指輪の裏にはイニシャルが刻まれていて、オルツィは2人の関係をすでに知っているもしくは気づいている可能性があったからである。遺体の左手首が持ち去られていたのは、指輪を隠蔽するためで、青屋敷の心中になぞらえたのは単なるカムフラージュに過ぎない。事故の夜も、日付が変わるまでは未成年であった千織の飲酒を阻止している。合宿にも終始浮かない顔で参加していた。
あだ名の由来はバロネス・オルツィ。
カー／瑠己也
小学生みたいな服装のミス研メンバー。性格が終わっていて、話すのも常にケンカ腰。運が非常に悪いので毒が入ったカップを選んでしまい死亡。中村千織が死んだ時には「誰も飲ませたりしてねえだろ」と発言している。
あだ名の由来はジョン・ディスクン・カー。
中村千織
ミス研のメンバー。あだ名はまだなかったが、彼女がシャーロック・ホームズシリーズが好きということもあり退部予定だった河南の跡を継いでコナンを名乗ればいいとアガサが言っている。新年会の3次会で河南と
守須（ヴァン）が帰ったあともメンバーと残り、日付が変わり成人したことで飲酒。しかし心臓に持病があり発作を起こす。医学部のポウが必死に蘇生を試みるもそのまま帰らぬ人となった。
守須（ヴァン）と交際しており、もらった指輪を大事に持っていた。守須は彼女が好奇の目に晒されるのを嫌がったため、関係を隠す意向だったが、彼女はそうでもなかった。むしろ関係を公表したい感じであった。河南談。
ヴァン（守須）／小林大斗
ミス研の元メンバーであり河南の親友であり本作の犯人。ミス研の飲み会中に心臓発作を起こして死んだ恋人・中村千織の復讐のため十角館にて当時飲み会に参加していた全員の殺人計画を企てる。彼女の死は事故であったが、心臓に持病を持つ彼女がそんなに飲酒をするわけがない、彼らが無理やり飲ませたに違いない、そして、彼らが人の死を目前にした刹那、どこか面白がったことによって救命が遅れ、彼女を死に追いやったのだという彼の疑心がそうさせたのだ。ちなみに河南とヴァンは途中で帰ったのでその瞬間に立ち会ってはいない。
叔父が買った角島にメンバーをまんまと誘い込み、出発前日に中村青司の名で怪文書をポストへ投函。ヴァン本人はゴムボートで島まで行き、十角館へ前のり。それ以降、本土と島をそのゴムボートで何度も往復し、島では殺人、本土では河南と推理に参加しアリバイづくり。合宿の少し前から水を断つことで風邪と似た症状を引き出し、それを理由に早々に部屋で戻っていた。そこから本土に戻って前髪を上げて眼鏡をかけさも別人であるかのように河南たちと合流…これを何度も繰り返した。やばい体力である。よく脱水症状で死ななかったな。愛のなせる技だ。
全てが終わったあと、警察も騙せそうな雰囲気の中島田に看破されそうになったので「もう終わったことです」と逃げる気満々だったが計画のすべてをしたためた紙の入った瓶（自分のやったことが裁かれるかどうかは運に任せるためあらかじめ海に流していた）が自らの元へ帰ってきたことで、罪を認める決意をした。
名前の由来はヴァン・ダイン。
ちなみにホープ・ヴァン・ダインは無関係である。当たり前だろ。
中村青司／仲村トオル
極度の嫉妬心から妻を殺すことで彼女を独占しようとしたメンヘラ建築家。妻どころか使用人夫婦、庭師まで殺してかなり迷惑な奴である。
妻を殺したあと左手首を切って弟に送った。これに関してはもう意味がわからない。
中村紅次郎／角田晃広
中村青司の弟の高校教師。島田の大学の先輩。青司の妻・政子と一夜の関係で子供ができた。それが中村千織。青司のことは昔からこいつ頭がおかしい…と思っていた。送られてきた政子の左手は千織が生まれた年に植えた木の下に埋めた。いや警察行け〜い普通に。
感想
残念ながら原作未読で、「衝撃の一行」とやらの部分、普通に気付きませんでした。すっかり騙された。
守須、タフすぎる。体力と精神力が尋常じゃなさすぎる。
でもまあ〜なんだ、中村千織が飲み会の最中に心臓発作で死んだのは可哀想な事実としても、その場にいたミス研の奴らが面白がって救命が遅れたって、完全な憶測じゃんそれ。無理やり酒を飲ませたっていうのも。それで殺されたらたまったもんじゃないよさすがに。なんかコソコソ口裏合わせてたのを聞いたとかならまだしも。原作にはそういう描写があるのかね？
そもそも途中で帰るなよっていう話だから。もし千織の心臓の持病を知らないメンバーが彼女に酒を飲ませたら…って余裕で想定の範囲内だし。あんなに用意周到なトリックを考えられるのにその発想なかったかっていう。守須君は可哀想だが、君も悪いぞっていう。悪いぞっていうか、ひどいぞっていう。そう思いました。
とはいえ、確かにびっくりしたしどの程度忠実に映像化されてるのかはわからないけど、あのシーンで決して「おお〜」とはならなかったのが残念なところ。
何でだろ。てかなんか変だったよね？件のシーン。あの役名のクレジットみたいなの必要だったのかな。
でもこのドラマのおかげで綾辻行人氏の小説に（Anotherの時は湧かなかった）興味が湧いたので今度読んでみようと思います。マル。
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