患者さんと施術者両方が楽になるといい
鍼灸師が鍼灸以外の書籍で臨床の支えになった書籍を紹介しています。
読んだ書籍②
「セルフケアの道具箱」 伊藤絵美著 晶文社刊
鍼灸院は「肩こり」「腰痛」「膝痛」などいわゆる「運動器疾患」、
整形外科で扱う痛みやしびれの患者さんが多く見えます。
一方で複数の病院で診断のつかない方、複数の症状を同時に持つ方、
心理社会的問題が背景にある方、多くの情報により混乱状態にある方もお見えになります。
このような患者さんに対してどのように対応し何ができるか、
また自分自身も開業当初で様々な不安もあった時期に、同じ著者による
下記書籍に出会いました。
「ケアする人も楽になる」というタイトルに魅かれたことは間違いありません。むしろ自らために購入したといってもいいでしょう。
ひとりで開業していると、上司や同僚からの指摘もなく、自分を客観視する機会は少なくなります。
「客観視」とまではいかずとも、ちょっと立ち止まって自分のことを見てみるくらい、これだけでも一旦冷静になり、楽になります。
読後は自分や目の前の患者さんを理解するための引き出しが
少し増えた感覚がありました。
今回冒頭に紹介した「セルフケアの道具箱」はより具体的な方法をやさしく、たくさん提示してくれています。
私自身もこの中の「ワーク」を実際に使っています。
短時間の深呼吸を習慣化するだけでも、日々効果を実感しています。
「セルフケア」は簡単で、続けやすく、何より患者さん自身が
「わたしにもできそう」と感じ、患者さんが求めている「タイミング」、
そして支える側の継続した「サポート」が大切と日々感じています。
それは「ストレッチ」でも「お灸」でも変わらないと思っています。
提案する「セルフケア」の「内容」「タイミング」は重要な要素であり、
患者-施術者間の「信頼関係」がセルフケアをうまくすすめる大前提だと実感しています。
「信頼関係」を築く、「医療面接」についても後日書く予定です。
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