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インドの神様(2)
ヒンドゥー教の概要がよくわからない大きな原因の一つは、教えが一系統でないということがあります。
神道も、細かい部分では色々と異なる教えを伝える系統があると思いますが、古事記をベースにすれば、大枠では天地開闢のお話として、天之御中主神がまず現れ、高御産巣日神、神産巣日神が現れたとされており、この三神を「造化の三神」として、その後、様々な神々が生まれていく、というのが一般的な認識なのではと思います。
インドでも、「トリムルティ(三神一体)」という考え方があって、創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァが三大神とされています。
「なんだ、それなら日本の神道と同じじゃない」と思われるかもしれませんが、そうでもない。
日本だと、とりあえずは天之御中主神がトップね、というところでだいたい異論はないでしょうが、インドではこの三大神のうち、大きく分けると、シヴァが宇宙の根源であるとする系統の教えと、ヴィシュヌが宇宙の根源だとする系統の教えがあるのです。
じゃあブラフマー神はというと、ヴィシュヌあるいはシヴァの指導の下に、実際にこの宇宙を創造した、という位置づけになっています。
更に、これらの三大神にはそれぞれ配偶神である女神がいます。
ブラフマー神の配偶神はサラスヴァティ、ヴィシュヌ神の配偶神はラクシュミー、シヴァ神の配偶神はパールヴァティとなっています。
ここで、「ヴィシュヌかシヴァか、いずれが根源の神だとしても、なんで根源の神に性別があるのか。そんな二元相対的なことがあっていいのか」と日本人なら思うかもしれません。
これは性別というよりも、陰陽のようなものです。
ある意味、二神で一つの存在であり、そうであると同時にこの二神は同一ではないのです。
シヴァ神やヴィシュヌ神から出ている力(シャクティ)を象徴しているのがこれらの女神であると考えます。
日本人に限らず、外国人にはちょっと理解しづらい概念かもしれません。
ちなみにこれらの女神を主たる崇拝の対象としている系統の信仰も、インドには存在します。
シャクティ信仰と言われ、例えばパラマハンサ・ヨガナンダ師などは、そちらの人であったのだと思われます。
またインドでは、春と秋の季節の変わり目には、これらの三女神を3日ずつ崇拝するナヴァラートリーというお祭が開催されます。
では太陽神とか火や風の神様とか、たくさんいる神々はどういうものかというと。
その前に、インド哲学(ヴェーダ)の宇宙観について、ちょっとお話しておいた方がいいかもしれませんので、また次回に。
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