「真夜中に」
"乾杯"
350ml缶を交わす。
俺は梅酒ソーダ。璃果はサングリア。
自分で言うのもアレだが、よく見た目から屈強に見られがちな俺と違って
可愛い見た目をした璃果の方が、圧倒的に酒が強いのは
ギャップが成せる業か、はたまたステータスの割り振りの問題か。
机にある、コンビニで買ったおつまみが尽きた頃、
酒の回った璃果が立ち上がり、キッチンへ向かう。
酒癖の悪い人ならともかく、
彼女なら大丈夫だろう。
冷蔵庫から何かを取り出し、何かを炒める音がする。
『お待たせー』
白い皿の上にあるのは、アスパラガスのベーコン巻。
それに、カップ麺まである。
「おい、こんなに食べたら流石に太るだろ」
『いいじゃん、この時間にお酒飲んでるんだから』
『今更どうしたって意味ないでしょ』
「知らねーぞ。その顔がまん丸になっても」
『なに、私が丸いって言いたいの?』
「ノーコメントで」
『最低ー。』
そういって味噌ラーメンをすすりながら
サワーを煽る。
「まぁ、俺は好きなんだけどな。」
璃果の顔が赤くなったのは、酒のせいだけじゃないらしい。
「まぁ、それは抱き心地がいいからなんだけどね」
『さいてー』
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