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米国株式市場を長期で考えてみる

 米国株を長期に考えた時に年率平均約9%ぐらいのパフォーマンスを出しています。単純計算で考えると、8年ほど米国株をそのまま保持していれば資産が2倍に増える計算となります。ただ、年平均ですので、年によってはマイナスとなる年もあります。直近5年を振り返ると、2020年+16.3%、2021年+26.9%、2022年‐19.8%、2023年+24%となっています。
 この伸びは永遠に続くのでしょうか。さらに長期的にみると、米国市場も過去に何度も大きな下落を経験しています。しかし、その都度、米国市場は立ち直り、高値を更新してきました。
 年単位で米国市場の動きを見ると、異なる側面が見えてきます。1982年9月~2009年2月までと2009年2月~現在までの2つの枠組みで見ると、不思議なほど一致することが多いです。それぞれの期間で指数グラフを作ると下記のようになります。

 このグラフをみると、現在の2024年は、ちょうどドットコムバブル期と似た市場環境にあると言えます。ドットコムバブル期はインターネットへの期待の高まりであり、今はAIブームとしてAIへの期待が高まっている部分で大いに似ているといえます。この期待によって株式市場が活況を呈しています。2025年も同様の傾向が続くかもしれません。現在のS&P500のPERは約21倍と、バブルとまでは言えない水準ですが、これがさらに上昇するとバブルになる可能性も否定できません。
 また、ドットコムバブルがはじけたのが2000年3月です。それ以降、2001年、2002年はS&P500は下げ続けていました。今の状況にあてはめて考えてみると、米中対立によるサプライチェーンの混乱や、半導体需要の急増を背景に、世界各国で半導体工場が建設されています。この工場が出来上がり稼働し始めるのが2026年頃ですので、この結果、半導体の受給関係が逆転し供給過剰が起こり、世界的な半導体不況が到来する可能性も懸念されます。また、AIに多大な投資を行った結果もこのころ出始めると考えると、米国株にも影響が及ぶかもしれないと思いながら考えてみるのもいいかもしれません。


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