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日柄と値幅

8月に入ってから米国市場は大きく下落しています。S&P500指数は、高値から約8%の下落となっており、短期的な調整幅としては十分な値幅が出てきていると考えられます。しかし、このまますぐに相場が反転し上がっていくとは考えにくいと思っています。7月中旬から調整局面に入ってすぐに大きく下げてきたため、そろそろ買い場だとして出動したいのですが、まだ時期尚早と抑えています。

調整局面から相場が立ち直るためには、2つの要素が必要です。

1つ目は値幅です。短期的な調整であれば、高値から10%程度の下落幅を想定しています。今回はすでに約8%下落しており、値幅の観点からは7~8割程度調整が進んでいると考えています。

2つ目は日柄です。調整局面に入ってからまだ2週間程度しか経過していません。市場は人間によって動かされているため、損失の痛みから立ち直るには、一定期間を置くことによる心理的なケアが必要です。従って、10月頃までは方向感の定まらない、ウダウダした低調な相場が続く可能性があります。

また、8月5日までのS&P500の出来高を見ると、7月30日から増加しており、先行きの不安から株式の投げ売りが行われた可能性が高く、米国株の底入れは近いかもしれません。ただ、調整の底は一回で終わらない可能性もあるため、しばらく様子を見ていきたいと思います。

また、仮に今回の下落が米国経済のリセッション入りを示唆しているのであれば、値幅としてはまだ不十分であり、さらなる下落に備える必要があります。しかし、消費者心理の悪化や大統領選挙への懸念が広がっているものの、米国経済が大きく悪化するような材料は見当たらないため、今回は状況が異なる可能性が高いと考えていますが、引き続き注視していく必要があると思います。

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