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米国市場:11/21週の振返りと11/28週の予定

市場概況

 今週はサンクスギビング(感謝祭)があり市場も連休モードとなり、出来高としては少ない週でした。しかし、株式にはプラスの週となりました。S&P 500は9月中旬以来初めて4,000ドルの大台を超えてきました。10月11日以来では12%以上、上昇ました。2023年後半にFRBが利下げを実施する可能性があるとの見方もあるため、期待値が高まっていることが要因の一つとして挙げられると思います。
 感謝祭前に、FRBは11月の金融政策決定会合の議事録も公表されました。この議事録からは、2点ほどの注目点が挙げられています。 1.「利上げペースの減速するのが適切になるだろうと判断。」2.「来年のある時点でリセッション入りとなるのが基本シナリオとして考えが示された。」とあり、全体的にはハト派として受け止められています。
 基本的には、金利は下げ基調に入ってきていますので株式市場については強気でのぞんでいけると思っています。ただ、今週は感謝祭の週で米国市場としてはお休みモードであったこともあり、次週以降の動きに注目をしていきたいと思います。

米国経済

11/23(水):新規失業保険申請件数、新築住宅販売件数
 新規失業保険申請件数は24万件と予想22.4万件を上回りました。前回修正値は22.3万件(修正前22.2万件)でした。
 徐々に申請件数が増えてきてます。

 新築住宅販売件数は63万2千件と予想57万7千件を上回りました。前回修正値は58万8千件(修正前:60万3千件)でした。販売価格中央値は$493,000と前年比+15.4%でした。
 前年比ではまだ下げてますが、前月比ではプラスに転じています。ただ、住宅価格は前年比二桁上昇が続いてます。

来週の主な決算発表(予定)

11/28(月):
<寄付き前>Pinduoduo (PDD)
<引け後>AZEK (AZEK)
11/29(火):
<寄付き前>Hibbett (HIBB)
<引け後>CrowdStrike (CRWD), Hewlett Packard Enterprise (HPE), Intuit (INTU), NetApp (NTAP), Workday (WDAY)
11/30(水):
<寄付き前>Hormel Foods (HRL), Petco Health & Wellness (WOOF)
<引け後>Box (BOX), Five Below (FIVE), nCino (NCNO), Okta (OKTA), PVH (PVH), Salesforce (CRM), Splunk (SPLK), Victoria's Secret (VSCO)
12/1(木):
<寄付き前>Big Lots (BIG), Dollar General (DG), Kroger (KR)
<引け後>Ambarella (AMBA), ChargePoint (CHPT), Marvell (MRVL), UiPath (PATH), Veeva Systems (VEEV), Ulta Beauty (ULTA). Zscaler (ZS)
12/2(金):
<寄付き前>Cracker Barrel (CBRL).
<引け後>

米国の主な経済指標

11/28(月):
11/29(火):S&Pケースシラー住宅価格
11/30(水):ADP雇用者数、卸売在庫
12/1(木):個人所得・個人消費、PCEコアデフレーター、新規失業保険申請件数
12/2(金):ISM製造業景気指数、失業率

今週の着目点

 感謝祭の週が終わり、今後は、この連休中の小売りの売上およびサイバーマンデーの数字を確認していきたいです。自動車を除く米国の小売売上は、ブラックフライデーに前年比15%増となる見込みとなっているようです。アドビの発表によると、感謝祭のオンライン売上は前年比1%減の51億ドル、ブラックフライデーは同1%増の90億ドルと予想されています。一方、サイバーマンデーは、前年比5.1%増の112億ドルで、引き続き今年最大の売上となる見込みです。また、コロナ政策が解除見込みとなっているとはいえ年内の解除は難しいため、引き続き中国のコロナウイルスの感染状況や、追加的な規制が主要なGDP生産地域にどの程度影響を及ぼすかについても、注視していきます。
 また、今週は経済関連のデータが多く発表され、12月取引開始の最初の週に、市場が大きく動く可能性があります。PMIデータに含まれるインフレに関するコメントに加えて、FRBが確認しているであろうインフレ指標の一つである個人消費支出(PCE)価格指数の最新値も発表される予定です。加えて、失業率も発表されます。賃金の上昇率の確認のほかに、今週までのITセクターの各社のレイオフの結果がどのように反映されているか確認を進めていきます。
 追加で考慮しておくべきこととして、全国的な貨物鉄道のストライキの可能性があります。万が一、ストライキが実行され長期化すれば、ホリデーシーズンの品不足、燃料や食料を含む商品の価格上昇を招く可能性があります。今週初め、鉄道業界の車掌を代表する全米最大の鉄道労組の組合員が、貨物鉄道会社との暫定的な労働協約を拒否しており、12月上旬にはストライキ回避のための交渉が行われる予定です。

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