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米国市場:8/14週の振返りと8/21週の予定

市場概況

 先週のS&P500指数は、4369.71と前週比-2.11%で終了しました。NASDAQは13290.78と前週比-2.59%で終了しました。
 先週の株価は、週初日は上昇しましたが、その後は4日連続で下落するなど軟調な展開となり先週末比で下げて終了しました。この結果、3週連続で下落しています。8月は軟調な展開になることが多い月ですが、例年通りピークからずるずる下げてきています。軟調な展開をフェーズ分けして考えると、初期の緩やかな下げから、下げ速度を増して大きく下落するまでの展開となりボトムをつけることが多いです。現在は、下げ速度を増している後期の展開にいますが、まだまだ恐怖が足りない感じです。Fear&Greed指数もNaturalであり、VIX指数も17.3と低い状態です。ボトムをつけたと考えるにはまだ少し早い気がしており、今週も下げが続くものと見ています。
 そんな市場の雰囲気の中、長期金利はするする上昇し、先週末時点では、4.25%となっています。FRBもこの長期金利は容認しているように見受けられ、中国経済も恒大集団の米破産法申請のニュースなどにより不動産セクターへの懸念から中国経済への懸念が再燃しました。このニュースが要因となって下げ足を早めた気がしております。
 カレンダー的には9月4日のレイバーデイ明けも軟調になる展開が多いことから、今週、来週にかけてもう少し下げるように見ています。来週も取引量は少ないと思われるため、引き続き中国の動向を注視し、世界経済への潜在的な影響を見極めていきたいです。ただ、マクレラン・オシレーターが大幅に売られすぎのシグナルを出しているため、数日間は相場が上昇する可能性はあります。そんな動きには惑わされずに、秋風が吹く時期を忍耐強く見極めて行きたいと思います。今後相次ぐ投資家会議での企業コメント、8月の経済指標、そして台湾セミコンダクター(TSM)の8月売上高からが、市場の次の持続的な動きの方向性を見極めることになると考えています。 

来週の主な決算発表(予定)

8/21(月):
<寄付き前>
<引け後>Nordson (NDSN), Zoom Video (ZM)
8/22(火):
<寄付き前>BJ's Wholesale (BJ), Coty (COTY), Dick's Sporting Goods (DKS), Lowe's (LOW), Macy's (M)
<引け後>Toll Brothers (TOL), United Outfitters (URBN)
8/23(水):
<寄付き前>Abercrombie & Fitch (ANF), Analog Devices (ADI), Bath & Body Works (BBWI), Dycom (DY), Foot Locker (FL), Kohl's (KSS), Peloton (PTON), Williams-Sonoma (WSM)
<引け後>Guess? (GES), NetApp (NTAP), Nvidia (NVDA), Splunk (SPLK)
8/24(木):
<寄付き前>Dollar Tree (DLTR), Petco Health & Wellness (WOOF)
<引け後>Affirm (AFRM), Gap (GPS), Intuit (INTU), Marvell (MRVL), Nordstrom (JWN), Ulta Beauty
8/25(金):
<寄付き前>Hibbett (HIB)

米国の主な経済指標

8/21(月):
8/22(火):中古住宅販売件数
8/23(水):新築住宅販売件数
8/24(木):耐久財受注、新規失業保険申請件数
8/25(金):ミシガン大学消費者信頼感指数

今週の着目点

 今週は、24日~26日にかけてジャクソンホール会議が開催されます。25日にパウエル議長の講演が予定されておりますが、これまでの推移を見ている限り方針に大きな変更はないと考えています。基本は、ここは無風で終わることと考えています。
 アトランタ連銀のGDPNowモデルは今期のGDPが5.8%となっています。最新の経済データが出揃う中、今週発表される8月のフラッシュPMIは景気後退ではなく、むしろ2024年に向けて米国経済が勢いを増すという、より明るい見通しを補強する材料となるかもしれません。この見通しは、2024年後半にFRBが利下げを実施するという現在の予想とは若干ことなっており、仮に予想通り景気が回復ししっかりした経済成長が確認された場合、インフレが長引くことになるため、利下げ時期もさらに遅くなる可能性があります。
 そのため、8月のフラッシュ・データを分析する際には、製造業の投入価格と生産価格の改善という形で、持続的なインフレの兆候を探してみたいと思います。
 30年固定住宅ローン金利が平均7%を超えてきていますが、7月の一戸建て住宅着工件数が順次改善しています。この結果、住宅メーカーの決算がどう動いているかも確認したいです。とはいえ、この金利での住宅購入の継続維持は厳しいと思われ、今週決算発表をするトール・ブラザーズのコメントにも注目したいです。
 長期金利が今週も引続きするすると上がるかは注目です。短期金利は、横ばいから下がる方向ということを考えると、景気が良いもしくはインフレが収まらない可能性が高いということを投資家が考えているとも思われこの見極めを今後はしていくことになるかなと思います。
 今週は、引き続き小売業の企業が決算発表をします。先週、ターゲット(TGT)は、学生ローンの返済再開の影響もあり、2023年下半期のコンプがマイナスになると見ていることを明らかにしています。7月の小売売上高では、消費者が外食やオンライン・ショッピングを続けていることが確認されており、小売企業の決算を咀嚼し、消費者と関連支出に関する見通しを確認しておきたいです。
 今週が終了すると、3Qの決算発表も一巡して、今後は発表ペースが落ち込みます。

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