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米国市場:6/27週の振返りと7/4週の予定

市場概況

今年の上半期が今週で終わり、4月からの2Q決算も終了しました。結果はかなり厳しいものとなっています。S&P500年初来20.6%下落しており、うち、6月1ヶ月で約半分下げています。ナスダックも年初来29.5%の下落となり、うち8.7%が6月下げ幅でした。

金曜日の午後には、主要な株価指数がすべて上昇し、7月初日をプラスで終えましたが、週間では主要指数は全面安となりました。それに加えて、大半の銘柄は出来高が減少しています。金曜日は上げましたが、出来高の少ない中で減少だとすると、この動きの強さが週末以降も持続するのかどうかというは疑問です。
 今週は、経済指標の発表とマイクロン(MU)による急激なガイダンスの引き下げがありましたが、短期的に大きな改善は見られませんでした。
新四半期に入っても株価へのネガティブな状況は続いており、これから始まる6月期の決算シーズンへの懸念、さらに投資家の期待値が下向きにリセットされるリスクがあるため、今後も兆しが反転するまでは慎重でありたいと思います。

また、市場の低迷は中間選挙が終了するまでは続くと考えております。それまではボラティリティが高く、難しい相場となりそうです。

米国経済

今週は、5月、そして6月の経済指標がいくつか発表されました。
6/30
 5月の個人所得が発表され、0.5%と予想0.5%と予想に一致しました。前回修正値は0.5%と上方修正されています。また、個人支出は0.2%と予想0.5%を下回りました。前回修正値は0.6%と0.9%から下方修正されています。個人支出は、増加してはいるものの4月の0.6%から大きく下げています。この消費支出の落ち込みは、小売業者が抱えている大きな在庫を処理することができなくなる可能性がることの懸念が生じるかもしれません。

 PCEが発表され、前年比4.7%と予想4.8%を下回りました。前回値は4.9%でした。コンセンサス予想を若干下回ったものの、依然として高い水準にあり、特に7月の金融政策決定会合でFRBが利上げに踏み切る可能性が高いと考えられます。しかし、トウモロコシ、大豆、綿花、原油、天然ガス、小麦など、いくつかのコモディティがピークアウトしているようにみえてことまります。その結果、インフレ率が下がるかどうかも今後確認していきたいです。

7/1 
 6月ISM製造業景況指数が発表され、53.0と55.3を下回りました。前回値は56.1でした。今のところまだ50前後の拡大縮小線を上回っています。中国の景気回復を受け、世界の製造業生産は3ヵ月ぶりに増加しました。しかし、報告書では、2022年の第2四半期末に新規受注が弱含んでいるとありました。

今後も、インフレ懸念と景気後退懸念の間を行ったり来たりする相場が続くと思われます。そのため、成長株は引き続き厳しい状況に置かれる一方、ディフェンシブな銘柄にとってはよい環境となるとおもいます。

株式

景気後退の可能性に対する市場の懸念を考慮されているため、今後のEPS予想がどうなったかというと、2QのEPS予想は期中にアナリストたちが下げていましたが、3QのEPS予想は3月期59.26ドル⇒6月期59.49ドルと若干上げていますが、4QのEPS予想は60.64ドルと変わっていないようです。

来週の主な決算発表(予定)

7/4(月):休場(独立記念日)
7/5(火):
7/6(水):
7/7(木):
<寄付き前>Helen of Troy (HELE)
<引け後>Levi Strauss (LEVI), PriceSmart (PSMT), WD-40 (WDFC).
7/8(金):
<寄付き前>Greenbrier (GBX)

米国の主な経済指標

7/4(月):
7/5(火):製造業新規受注(前月比)、耐久財受注(前月比)(確報)
7/6(水):ISM非製造業景気指数
7/7(木):新規失業保険申請件数(前週比)
7/8(金):失業率

今週の着目点

2Qの決算が終了し、今週はとくにおおきな決算発表がないです。再来週から徐々に本格的な決算発表となっていきますが、7月14日はJPモルガンチェース(JPM)、モルガンスタンレー(MS)、台湾セミコンダクター(TSM)などの決算発表があり、本格的に動き出す日になります。その後すぐに、典型的な決算シーズンとなります。

ここ数日の決算発表と世界経済に関する報道は、今後数週間に起こりうるであろう事態の概略を示しており、3Qの決算の決算がアナリストの予想を上回るものなのかは、引き続き確認していく必要があると思います。

6月の雇用統計は、失業保険者数が増えていることから前回数値より悪くなると思いますが、まだ低い水準にあると考えています。ただ、数値が悪くなるため、リセッションということばが踊りだすかもしれません。

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