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遠回りのようで実は近かったバンドワンマンへの道〜「籾井優里奈ワンマンライブ'21 at RAG」レポートに代えて

 あらためまして「籾井優里奈ワンマンライブ at RAG」ありがとうございました。

「なんでも3回は続けないと意味がない」が持論の僕としては、去年に続き今年も開催できてひと安心。去年は「初のRAGワンマン」ということで、まあご祝儀みたいなノリも少なからずあったので、今回こそが真価を問われるわけです。

 そういう観点では、内容的にも動員的にも及第点だったのではないでしょうか。開場と同時に客席も埋まり、開演と同時にコールと手拍子。演者としては一番ホッとする瞬間です。

 通常のライブアーティストは、まずはミニマムな編成(弾き語りや最小編成のバンド)でライブ活動をスタートし、何十回もブッキングライブを経てワンマンに漕ぎつけ、そこで培った曲をレコーディングするものです。

 そう、時間がかかるのよ。

 ワンマンをやりたい気持ちははやるけど、焦ってやると先細りで続かなくなったりするのよね。

 客の立場からすると「完成形の見えない曲」を何十曲も聞かされるのはけっこうしんどかったりして。

 だってさ、普通はCDを何回も聴き込んでからコンサートに行ったりするじゃない。知らない曲や、ノリ方のわからない曲が続くと、すっと空気がさめちゃったりするのよ。

 そんなこんなの計算もあって、優里奈の場合は意図的にライブハウス等でのワンマンを避けてきました。

 特に彼女の曲は、最初から「完成形のアレンジ」ありきで作ってるので、ある程度再現できる体制が整わないと、やってもあんまり意味がないのよ。

 そんなわけで、5年の下積み(?)を経て1st.アルバムをリリースし、たったひとりでマンスリーライブをずっと続けてようやく昨年、カホンを中心にした「半アコースティック」バンドで22曲のワンマン。

 そして今年は2nd.アルバムを引っさげ、ドラムとエレキギターの入ったフルバンドで22曲のワンマンが実現しました。

 そう、普通のライブアーティストとは全く逆のやり方。

 でもずっと毎月、オケを使ったワンマンを続けてきたから、曲もノリ方もバッチリ浸透してる。

 今回メンバーとして初参加のドラムのふるじゅんとエレキギターのKCさんはいきなりのボリュームで大変だったけど、なんとか乗り切ってくれました。

 そもそもパームトーンのメンバーはずっと「完成形の曲」を聞いてきてるので(折に触れ演奏もしてるので)、そんなに何回もリハをしなくても迷走せず形にできる。何よりそれぞれに楽器やコーラスやトークやラップができるので、みんなが集まるだけで豪華な編成になるんだからね。それはすごい強み。

 もちろん慣れてる曲と初めてやる曲とでの完成度の差も大きいけど、そういう課題は次でクリアすればいいのだ。

「次もできる」という確信を得られたのが一番大事。そしたら「次はもっといいものをお見せする」という目標が生まれる。

 毎年「初夏は籾井優里奈」が風物詩になるよ。

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【籾井優里奈ワンマンライブ〜季節風便・夏】(2021/7/10 RAG)
<セットリスト>

1.青い風と白い空
2.君のいる放課後
 (MC)
3.春ニシテ君ヲ
4.トパーズの未来
5.あつきゆめみし
6.甘やかな微熱
 (MC)
7.窓辺のゼンマイ時計
8.かりそめのジュヴナイル
 (MC)
9.明日への誓い
 ~休憩~
10.帰り道は星空
11.クレマチス咲いたら
12.青春譜
 (MC)
13.生意気ファニーボーイ
14.ときめきドリームパレット
 (MC)
15.夢を見るかもしれない
16.DOKI♪DOKI♪イロドリタウン
17.指切りのサマーホリデー
18.さよならサブリナ
 (MC)
19.君は流星形
20.いつかギャツビー
 ~アンコール
21.Feel So Happy
22.天気雨にウィンクを


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