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ただの音の羅列が、音楽として人の心を動かす時に・・・/仁木英之「奏弾室」

 僕がギターを習い始めたのは小学5年の頃で、それでも早いくらいなんだけど、当時から僕は体がでかくて手も大きかったので、なんとか教えてもらえることになったのは、きっと幸運だったのだと思う。

 歌も音楽も好きだったけど、ヒット曲以外の知識はまったくなかったので、言われるがままにクラシックギター教則本の練習曲をやりつつ、子どもだったからか、レッスンの途中や終わった後に、映画音楽やポップス、歌謡曲なんかも教えてもらって、音楽の楽しさを教わって、なんとか高校卒業まで習い続けられたのが、間違いなく今の僕を支えています。

 でも、ピアノやバイオリンを始める人は大変よね。もっと小さい頃から習いに行かされて、しょっちゅう発表会やコンテストもあって、そういうプレッシャーが辛くて挫折したって人もたくさん知ってます。

 この物語では、そんなプレッシャーに心のバランスを失って、音楽を音楽として心から楽しめず、ピアノに触れることすらできなくなった青年が主人公。

 とある夏休みの頃、彼は不思議な洋館にすむ美人と出会い、そこにあるピアノを通じて様々に心に影や孤独を抱えた人と寄り添うことになります。

 クラシックからロック、民謡、J-POPまで、有名な曲にまつわる人間ドラマと、真夏の蟬しぐれの中で陽炎のように揺れるミステリアスなタッチで、仮にそれらの曲のことを知らなくて、最後まで読まされます。

  今夜の放送では、なんと仁木英之先生ご本人をゲストにお迎えして、この本について語ります。前半の1981年ニューミュージック特集もお聞き逃しなく。

 ゲストに仁木英之氏が登場!関西最大級のマシンガントーク!「冴沢鐘己と曽我未知子のムンサタ」1981年ニューミュージック特集!仁木英之「奏弾室」紹介も! / 4月14日(土) 21:00〜 FRESH!で放送予定。
仁木英之先生は21時過ぎに登場。『わくわくブックマーク』のコーナーは23:30頃。


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