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ショーケース企画「Continue」 noteをはじめます

こんにちは、THEATRE E9 KYOTOの福森です。
このnoteはタイトルその通り、THEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画「Continue」のついて、そしてその後の一連の活動について、残しておきたい、そしてより多くの人に知って欲しい!という思いから、スタートすることにしました。

すでにこの取り組みを知っている人にも、何も知らなかったという人にも、このコロナ禍のなかで劇場とアーティストがどのような取り組みを行なっているのか、その一端を少しでもお伝えできればと思います。

この企画自体は今年4月6日に延期を発表しており、このnoteでは"延期、その後"についての内容がメインになります。
とはいえ一番最初の記事は、そもそもの企画趣旨や、私たちがどのように"その後"にいたったのかを、説明するところから始めたいと思います。


はじめに

本来このショーケース企画は2020年5月15日(金)〜5月18日(月) の開催を予定していました。2020年度最初の劇場主催事業として、4団体に参加いただき、共催のNPO法人京都舞台芸術協会さんにもご協力いただきながら、準備を進めていました。(公演ページ:THEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画
“Continue”


しかし、3月ごろから急激に広がりを見せた新型コロナウィルス感染症の為、劇場・アーティスト・協会の三者での協議のうえ、延期にすることを決断しました。

しかし、奇しくもこの企画のテーマは「Continue」=続けること、でした。

以下は公演WEBページに記載していたステートメントです。

『Continue』には、続ける、引き継ぐなどの意味があります。
いま私たちは創作や創造環境をつくり続けることが、社会状況に大きく影響を受けるということを身をもって感じています。
今回の企画を通して、「続ける」とは何か?ということを考えてみたいと思います。
この度は、96年の発足以来、京都の舞台芸術界の創造環境の整備に広く貢献し続けている京都舞台芸術協会に協力を依頼し、プログラムの選考をいただきました。
20代30代40代にわたる各カンパニーの多彩なパフォーマンスにご期待ください。

実はこのテーマを決めた時期は、コロナはまだまだ海の向こうの出来事であり、ここでいう"社会状況"には、新型コロナウィルスは含まれていませんでした。


「続ける」とはなにか

5月の公演は現実的ではない、と判断したものの、「続ける」というテーマを持つ私たちはすぐ解散、というわけにはいきませんでした。
しかし、ひとまず 中止ではなく延期にしよう、と決めたこと以外は、何も確実なことは決まっていませんでした。
当初の想定ではない、はるかに強度の高まったこのテーマにどう応えていくか、答えは簡単には出ませんでした。
しかし、引き続きこの場は持ち続けよう、と最初はとにかくZoomで顔を合わせ、近況報告を行なったり、今の状況への思いを共有したり、あてどない話し合いを続けていきました。


関連企画のスタート

ショーケースには以下4団体が参加しています。

鳥公園
NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)
正直者の会
ドキドキぼーいず

京都を中心に活動する2団体に加え、東京を拠点に京都でも公演を重ねている鳥公園、大阪からDIVEにも参加いただき、年代もキャリアも幅広いアーティストたちが揃っていました。また会議には共催である京都舞台芸術協会の理事長・和田ながらさんはじめ、協会理事や事務局の方にも会議に参加いただきました。(和田さんは鳥公園の演出家としても参加)

徐々に、話し合いの中では、それぞれの視点や立場から、今だからこそ劇場で出来ること、やりたいことなど様々なアイデアが出てきました。
延期それ自体は残念なことではありましたが、幸いにも性急に何かを決める必要もなく、当初予定していた日程とは違った期間や時間感覚で、劇場の使い方それ自体や自分たちに活動そのものについて考えられたことは、とても有意義な時間であったと思います。

なによりも、複数のアーティストが同時に同じ問題について考えていく過程は、決して1人だけでは見えない複眼的な視点や、また違いそのものが、物事を考える土壌を広げ、豊な思考やアイデア生み出すきっかけとなりました。

こうして生み出された個性豊かなアイデアたちは、Continue関連企画として、各アーティストごとに発表することになりました。


劇場再開にむけて

話し合いは継続されていましたが、5月は全国で緊急事態宣言が出され、実際には劇場で今なにかをする、ということは物理的に難しい時期が続いていました。

THEATRE E9 KYOTOでは、お客さんもスタッフもいない「無人劇」や、劇場を使わずに作品発表する取り組みTHEATRE E9 Airなど新しい取り組みも始めていましたが、やはり劇場に直接お客さんが来ることは簡単には叶わず、その扉は長く閉ざされていました。

そんな中で、"THEATRE E9 KYOTO「再開」にむけての新たなプログラム"として、Continue関連企画 case.1|西尾佳織「暗闇があるから一人になれる」を6月17日(水)に開催することとなりました。

この企画は、鳥公園・主宰の西尾さんによるもので、暗転した劇場のなかで1人で過ごす、というものでした。ただちに多くのお客さんをお迎えすることは難しいなかで、もっとも小さな単位である"1人"から、始められたことは、準備をする私たちにとっても不安の少ない、貴重な最初の一歩でした。

その後、"THEATRE E9 KYOTO「再開」にむけての新たなプログラム"は、技術スタッフによる企画やワークショップが続いて開催され、参加人数も2人、5人と増やしていくができました。


その時、そこで何が起きていたのか

無事、スタートを切ることができた関連企画は、次にContinue関連企画 case.2|和田ながら「本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない」へと続いていきます。
ここでも各回の定員1~3名という、ごく少ない人数で行われましたが、コロナ禍のなかにおいて、誰もが久しぶりに足を踏み入れた劇場は、普段の公演の時とは明らかに違う空気を感じることができました。お客さんも、俳優さんも、最初は緊張しながら、そわそわした空気感をまといつつも、それぞれが大切な想いを持ってここに来ていることが、受付にたつ私にも確かに伝わる時間でした。

具体的に何がそこで起きていたのか、私たちは何を見て、何を感じ、どんなやりとりを交わしたのか。
舞台作品は、その場に参加することでしか、その作品そのものを知ることはできません。映像や写真はあくまでも記録でしかなく、作品ではないのです。そんなことは誰しも分かっていることですが、コロナ禍という特別な時代において、私たちが見聞きしたもの、感じたこと、考えたことを大切にしておきたい。作品が生まれることと同じくらい、その場であったことを残しておくことも、この後に続いていく時間のために同じくらい大切なことではないか。その場にいた人、いなかった人、関係なく、"その時"を振り返るピースを残しておきたい。そんな思いを、この一連の会議や企画のなかで感じました。

長くなりましたが、最初に書きました、"残しておきたい、そしてより多くの人に知って欲しい!"に繋がる思いでした。ここまでお読みくださりありがとうございました。

次回からは、関連企画のアーカイブとして、具体的に公演記録や当日の様子などを更新していく予定です。
またこれからもContineu関連企画は続いていきますので、今後の動きもぜひ注目いただければ幸いです。


▽開催終了
Continue関連企画 case.1|西尾佳織「暗闇があるから一人になれる
Continue関連企画 case.2|和田ながら「本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない

▽今後開催予定
Continue関連企画 case.3|正直者の会「イタツキ体験ワークショップ+撮影会






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