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清純なるエロス、君は、吉沢京子を知っているか?

「京子ちゃんの後ろにいたら、おれたち、みんな、京子ちゃんのお尻に隠れちゃって、写真に写らないよ」
そう、カメラマンに言ったのは、ベテラン俳優の佐野浅夫である。
今なら、セクハラとも取られかねない発言も、佐野浅夫が言うと、その言葉に、新人女優への親しみと愛情の籠もったユーモアが感じられる。
そんな、ドラマ撮影中の裏話記事を読んで、僕は、ますます、彼女に魅力を感じるようになった。
僕は、女性の大きなヒップが好きである。
彼女のヒップに、佐野浅夫の太鼓判が押されたのだ。
「このお尻、巨大につき」
彼女の裸のヒップに、そう、太鼓判が、あたかも、焼印のごとく押されたのだ。
あるいは、蒸したての、真っ白な、お饅頭に、作った老舗菓子店の商標が、くっきりと押されたような、そんな感じ。
彼女とは、女優吉沢京子。
昭和40年代、人気ドラマ「柔道一直線」のヒロイン役で、一躍、注目されることになった彼女。
その名を聞き、懐かしい思い出に浸る方々も多くおられると思う。
文頭に書いた、エピソードは、ドラマ「じゃがいも」でのものだ。
佐野浅夫、森光子の大ベテランに加え、売出し中の三浦友和も出演していた、ホームドラマだ。
彼女の出演作としては、他に、沖雅也と共演した「さぼてんとマシュマロ」もよく知られている。
沖雅也の名を聞き、「おやじ、涅槃で待つ」を思い出した、そこの、あなた。
きっと、僕と同じ世代に違いない。

吉沢京子の魅力を考える時、僕がいつも思うのは、「清純なエロス」と言う、キーワードだ。
もっと分かりやすく「清純なお色気」と言い換えてもいい。
なんだ、女性の魅力を語る時、よく使われる言葉じゃないか。
そう思われる方も多いだろう。
しかし、よく考えてもらいたい。
一般人ならともかく、女性芸能人の中で、このキャッチフレーズがピタリと当てはまる女性を、あなたは、何人挙げられるだろう?
「健康的なお色気」なら、ほぼ、すべてのグラビアアイドルに当てはまると思う。
しかし、「清純なお色気」なると、ぐっと、ハードルが高くなる。
歌手、女優、タレント、あらゆるジャンルの芸能人を見回しても、名前を挙げるのは困難ではないだろうか。
取り敢えず、今、人気の若手トップ女優の名を、何人か、挙げてみる。
長澤まさみ、綾瀬はるか、新垣結衣。
すでに、結婚している人もいるし、皆、それなりに男性との噂も多い。少なくとも、清純派とは言い難い。
お色気という点では、好みがあって難しいが、僕的には、それほどはなあ…と言う感じなのだ。
高齢童貞が、何、生意気言ってるんだ!
そんなお叱りの声が聞こえてきそうだが、僕のエロレーダーの反応はいまいちである。
美しく整った小顔に、スラリとした長身のスタイル、それなりに、身体にメリハリもある。
それなのに、僕のエロレーダーが反応しないのは、なぜか?
皆、垢抜けている、洗練されている!
つまり、都会的過ぎるのだ!
ここからは、僕の個人の持論となるので、反論がある方も多いと思う。
だから、あくまで、一人の高齢童貞の自分勝手な思い込みと思って聞いてほしい。
僕は、「微エロ」の肝は、程のよい、垢抜けなさ、野暮ったさ、言い換えれば、素朴な田舎娘の雰囲気と、たくましい生命力と母性を感じさせる豊かな肉体だと思っている。

こんな女性を想像してほしい。

仕事はキチンとこなすが、男性社員の人気は今ひとつと言うOLがいる。
年齢は、28歳。同期入社の何人かは、すでに寿退社している。
彼女は、地方出身で、言葉に、かすかに訛りがある。
それなりに整っているのに、なぜか、地味な顔立ちで、いつも、メガネを掛けている。
会話も、
「えっ!あ、はい、……そうですね。わ、わかりました」こんな感じで、少し、キョドった言葉遣いと表情が特徴的だ。
化粧も服装も、他の女子社員と比べると地味なのは否めない。
飲み会でも、小さな声で隣の人と話しながら、静かに飲んでいるので目立たない。
みんなが、二次会に行こうか、と盛り上がって店を出ようとしている時、彼女は、テーブルに散らかった食べ残しやお皿などを黙々と片付けていて、結局、一次会だけで帰ってしまう。
そんな女性なのだ。
しかし、ある日、会社のレクリエーションで、社員全員、近くの観光地にハイキングに行くことになる。
その時、男性社員たちは、初めて気づくのだ。
彼女のジーパンのヒップが、はち切れそうなほど、大きいことを。
会社での、普段のスカート姿からは想像もつかぬ、たくましく量感豊かな尻とムッチリとした太もも。
彼女は、自分のコンプレックスである豊かな下半身を、ハイキングということで、仕方なく、恥じらいながら晒すことになったのである。
都会のビル街では目立たなかった彼女の、女性としての魅力が、今まさに、生々しい存在感を伴って、その姿を現したのであった。

お分かりいただけただろうか。
高齢童貞の妄想力とは、かくも、凄まじいのである。

さて、話は、吉沢京子に戻る。
彼女もまた、清楚で愛らしい顔立ちと、田舎娘的雰囲気の持ち主だった。
「柔道一直線」で演じたヒロインのニックネーム「ミキッペ」が、まさに、ピッタリと似合う女優だった。
吉沢京子。
彼女こそ、「清楚」と「エロス」と言う、本来なら、両立するはずのない二つの要素を両立させることが出来た、稀有の女性芸能人だったのである。

余談だが、生き馬の目を抜く芸能界をうまく生き抜けなかったのも、彼女らしい。
清純派女優として人気を博していた頃、歌舞伎役者であった、プレイボーイとして名高い俳優と出会い、恋に落ちた後、別れることになった。
つらい失恋であったと思う。
この辺り、田舎から高卒で上京し、働いていた純情な娘が、都会育ちの遊び慣れた大学生に遊ばれた挙げ句、捨てられる、と言う、有りがちなストーリーをなぞっているようで、切なく悲しい。
その後、濡れ場シーンのあるドラマに出演したりしたが、評判は芳しくなく、女優としては、その大きなお尻とは反対に、尻すぼみになって行く。
私生活では、映画会社の社員と結婚したが、すぐに、離婚した。
しかし、長い時を経て、税理士と再婚して、今は幸せに暮らしていると言う。
幼少の頃から親しんでいた日本舞踊の経験を活かして、着物のアドバイザーなども、しているそうだ。
一方、彼女を捨てた歌舞伎俳優は、その才能を惜しまれながら、早くに他界している。
まさに、人生いろいろ、である。

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