日曜が天国になる番組

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

　今回は、恐らく日本のラジオ番組の中で、最もよく聞かれているであろう番組をご紹介します。

　TBSの安住紳一郎アナウンサーというと、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか？

　好きなアナウンサーランキングで殿堂入りを果たした人気者、「ぴったんこカン☆カン」で美味しいものをたくさん食べている、泉ピン子やビートたけしといった大物をヨイショしつつ操縦している猛獣使い、オリンピック中継の総合司会・・・いくつか失礼にあたるものがありましたね、すみません。最近では朝の帯番組を担当することに決まったことでも話題になっています。

総じて言えるのは、常識のある人畜無害な人物だというイメージです。

　ところが、そのイメージが覆る番組があります。それが「安住紳一郎の日曜天国」、通称にち10（にちてん）です。

https://www.tbsradio.jp/nichiten/

　ここでの安住アナはテレビでの制約から解放されたのか、自由奔放な発言が目立ちます。特に力を入れているのが、パンダの情報です。パンダ好きを公言している安住アナは、パンダの命名に並々ならぬ情熱を注いでおり、公募の際には数週にわたって、オープニングトークで取り上げることもありました。最近では影響力がすさまじくなり、パンダの公募に影響を与えるとして、公募締め切りまで取り上げないといった現象も起きています。

　発想も突飛もないものがあり、12年ほど前には自分の汗から塩を作るという企画を番組のオープニングで行っていました。本格的な製塩技術を勉強し、汗から作り上げられた塩は、その後の公開生放送で披露されました。

　そんな安住アナを支えるアシスタントが中澤裕美子さん、ネット界隈ではユミタソと呼ばれています。その中澤さんにはコアなファンな付いており（ラジオ番組の特に女性アシスタントにはその傾向が強いようです）、安住アナはそのファンの様子を想像（妄想）しながら、再現して中澤さんをいじっています。一方で、最近では感動的なメッセージに、読みながら号泣してしまった安住アナをフォローするといった包容力も見せています。私は番組タイトルこそ「安住紳一郎の・・・」となっていますが、安住アナのワンマン番組ではなく、中澤さんあってこその番組だと思っています。


　さて、ここまで出演者の人となりを紹介してきましたが、ここからは番組の内容を紹介していきましょう。

　まずオープニングトークとメッセージ紹介（メッセージテーマは前週に発表）があります。時間はその日によって、変動し15分くらいのこともあれば、30分をオーバーすることもあります。メッセージが紹介されたり、リクエストが採用されるとオリジナルポストカードが送られます。ちなみに、私も何枚か持っています（正直、自慢です）。

　その後、中継コーナー、ニュース解説コーナーがあり、11時頃からはゲストコーナー「ゲストdeダバダ」が始まります。このゲストコーナーの特徴としては、有名人が出演することもありますが、一般のいわゆるマニア、愛好家と呼ばれる方が多く出演していることが挙げられます。マニアの幅も広く、インスタントラーメン、清涼飲料水、生物といった間口の広いものから、ゴムホース、石、パイロンといった、どうやってトークを広げるか四苦八苦しそうなものまでテーマに挙がっています（どうやら、一人好きな人がいると、百人程度は愛好家がいるようです）。どんなテーマでも、安住アナがトークを広げて面白くしていくあたりは流石、殿堂入りアナだと感じています。

　2005年に番組を開始してから15年が経過し、安住アナも前述のとおり、オリンピック中継の総合司会を務め、前日には情報番組の生放送をこなすなど多忙を極めています。首都圏での人気No.1を誇る番組ですが、この状況は奇跡的だと私は思っています。もともとテレビが好きで放送局に入社した安住アナ。ラジオの魅力に気が付いたのは、にち10を始めてからだと言います。これも奇跡的だと感じています。数々の奇跡によって生み出された令和のお化け番組はこれからどう進化していくのか、そして今後の安住アナの動向にも注目です。

　今回はこの辺でおしまいとさせていただきます。お読みいただき、ありがとうございました。

（おさらい）
TBSラジオ AM954MHz　FM90.5MHz　radikoでは関東圏とradikoプレミアムで聴くことができます。
「安住紳一郎の日曜天国」毎週日曜日午前10時から11時55分まで