【書評】ビジョナリーカンパニー 弾み車の法則/ジム・コリンズ 日経BP

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ビジョナリーカンパニーの存在は知っており、書店で何度か手に取ったことも。
ただページ数が多そうで、さらにパート4まであったため気後して未読のまま。
そのような状況で、いつもの行く書店に行ったところ本書を発見。
ハードカバーだがかなり薄く、100ページに満たない。
これならすぐに読了できると思い、購入。

海外著者のビジネス本を読んでみたいが、あまり時間をかけられないという人におすすめ。
帯には「『ビジョナリー・カンパニー』の最重要ロジックが1時間でわかる!」と書いてあるが、読むのが遅い私でも2時間はかからなかった。

著者が初めて弾み車効果を提唱したのは「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」の第8章。
本書はこの原則について実務のなかで得られた知識を共有したいという思いから執筆されたとのこと。

弾み車とは、私の解釈で言うと「成功のサイクル」。
本編では成功した組織の弾み車が数パターン掲載されている。
例のいくつかを紹介。

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・アマゾン・ドットコムの弾み車

 より多くの商品の価格を下げる
→サイトの訪問客数が増加する
→サードパーティの売り手が集まる
→品揃えが広がり、配送網が充実する
→固定費あたりの売り上げが伸びる
→より多くの商品の価格を下げる
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・バンガードの弾み車

 低コストの投資ファンドを提供する
→顧客のために高い長期リターンを実現する
→強固な顧客ロイヤリティを醸成する
→運用資産が増加する
→スケールメリットが生じる
→低コストの投資ファンドを提供する
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・インテルの弾み車

 顧客が熱望する新たなチップを設計する
→競合企業が追いつく前に高価格で販売する
→単位あたりの原価を下げる
→価格が下落しても利益を確保する
→利益を研究開発に再投資する
→顧客が熱望する新たなチップを設計する
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また、弾み車を作成・実行する際のポイントは下記。
・各要素が直前のステップから生じる必然的結果になるように作成
・弾み車を回して生じた利益を他分野にも投資
・他分野への投資は少しずつ行い、結果を分析し、次のアクションを調整
・調整により勝算が見えたのち、再度弾み車を実行

締めは最後に書かれていた文章で。
「自らを偉大と考えた瞬間に、凡庸さへの下降は始まっている。」


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