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【書評】池上彰のやさしい経済学2/池上彰 日本経済新聞出版社

2011年夏に池上彰さんが京都造形芸術大学で客員教授として行った一般教養の集中講義「経済学」がもとになっている書籍で、本書は後半戦。
ちなみに授業の内容はテレビ東京系列やBSジャパンで放送されている。

前半戦の「1」は読了。
とても分かりやすかったので、追ってこちらも購入。

1のテーマは経済の「しくみがわかる」であったが、今回の2は「ニュースがわかる」。
ゆえに、1に比べると本書の方が普段耳にする言葉が多い。

対象は普段の経済ニュースに全くついていけない人向け。
注意点としては1版1刷が2012年なので、事例などが少し古い。

ここでは日本のバブルについて、本書の知識を中心に説明したい。

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日本経済が発展

アメリカの企業が太刀打ちできなくなる

アメリカとしては円高ドル安に持っていきたい

プラザ合意

急な円高ドル安

日本は不況に

公定歩合引き下げ

企業は銀行からお金を借りて土地に投資
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一方で株式市場では・・・
NTT株の新規上場

株ブーム発生

会社が銀行からお金を借りなくなる

銀行から優良顧客がいなくなる

新規融資先の開拓

きちんと調査せず、土地を担保に融資

お金が量が増え物価高

物価高を抑えるために公定歩合引き上げを検討
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この時アメリカの株式市場では・・・
日本の公定歩合引き上げによりアメリカの投資家たちは株式を売って、円を買うだろうと予測

一斉に株式を売却

ニューヨーク株式市場が大暴落(ブラックマンデー)

アメリカは株式が下がらないよう、日本に公定歩合を引き上げないよう圧力
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よって日本では・・・
さらに物価高

世論の不満が噴出

対策として総量規制(不動産会社にお金を貸さない)、地価税導入、公定歩合引き上げ

土地の値段が暴落

土地を担保に貸していたお金が返ってこない(不良債権)

次々と金融機関が破綻

銀行同士のお金の貸し借りがなくなる

お金の流れが止まる

銀行からお金が借りられなくなる

株を売り払う

日経平均株価が大暴落

バブル崩壊
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1,2を読み終えて感じたことは、景気は意外と人の気分で動いているということ。
なので経済の先読みはとても困難であるということは理解できた。

池上さんが学生対象に行った授業をもとにした書籍は他にも多くあるが、どれもとても丁寧に説明されている。
経済や国際情勢など基礎の基礎から学びたい人は、上記を参考に書籍選びをしていただきたい。


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