【お話】いじめはなくならない。
このお話は、担任としてクラスの生徒に話したお話です。
いじめを肯定するお話ではありません。
みなさんは、なぜいじめが起こると思いますか?
いじめる側の問題?いじめられる側の問題?
それともその両者が問題でしょうか?
この問に対する正解は分かりません!
しかし、いじめる側に何かしらの問題があるのは間違いないでしょう。
では、いじめる側の何が問題なのでしょう?
今回は、「いじめ」という問題を、いじめる側がただ「悪い」ではなく、もっと違う角度から考えてみたいと思います。
いじめはなぜ起こるのか?
昔、さかなクンが新聞のコラムで、こんなことを言っていました。
(前略)
たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。
広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
(中略)
大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。
引用元:「いじめられている君へ」
このお話では、さかなクンは「小さな世界に閉じこめられた魚のようにいじめをするのではなく、広い世界で楽しもう」ということを言っています。
僕がこの話で気になったのはそこではありません。
この話で僕が衝撃を受けた事実、それは…
「魚でもいじめは起こる」
魚のいじめで、気になったポイントをまとめます。
・広い海ではいじめは起きない
・狭い水槽に入れるといじめが起こる
・いじめられた魚をよそへ移すと、残った別の魚がいじめられる
・いじめる側の魚をよそへ移すと、残った別の魚がいじめる
・魚をよそへ移すだけではいじめはなくならない
では、魚のいじめでの最も重要なポイントは何か?
それは、「広い海では、いじめは起きない」です!
言い換えると…
「いじめはストレスによって起きている」
つまり、いじめとは、「自分が受けたストレスを、他社にぶつける行為である」とも言えます。
これは魚だけに言えることでしょうか?
動物である人間でも根本的には変わらないでしょう。
よって、いじめる側に罰を与えたり、いじめられる側を保護したりするだけでは、いじめは絶対になくなりません!
では、どうすればいじめがなくなるのか?
それは、「広い海に出る」。
つまり「慢性的なストレスをなくす」ことが一番大事なことです。
しかし、ストレスの素は、家庭であったり、学校の授業・行事、また学校そのものであったり、将来のこと・過去のことなど、多種多様です。
すべてのストレスをなくすことは不可能でしょう。
では、私達にできることはないのでしょうか…?
いきなりなくすことはできなくても、減らしていくことや未然に防ぐことは、努力次第でできると思っています。
担任として、クラスのストレスを減らすために努力したことは……話が長くなってきたので別の機会に。
《まとめ》
まず自分にできることは、問題をみんなで共有・理解することだと思って、クラスでこの話をしました。
クラスで話したことをまとめると…
・いじめが魚でも起こる、ストレスを逃がすための本能的なものであることを理解しましょう。
・理解した上でするのなら、本能に従って生きるだけの獣と変わらないです。
・ストレスを逃がせばいいのなら、大声で歌う・運動をするなど、他のストレス発散法を諦めずに探しましょう。
・せっかく立派な脳みそを持っていても、魚と同じ方法しか取れなかったら、悲しいですね…
・ストレスがあるのなら、まずは僕にぶつけましょう!それも教員の大事な仕事です!!
そして最後に、僕なりの「いじめられている君へ」
希望が見えず苦しいときは、その苦しみがずっと続くような気さえすると思います。
でも、人生には波があって必ず変化が訪れます。
何もする気力が湧かないときは、その場を離れてじっくり待ちましょう。
いじめる側の低レベルな土俵に立たず、自分のペース、それまでの歩みを大切にできるといいですね。
カーペディエム