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この時期まだ火は入れていない掘り炬燵の縁に腰掛けて、隼治郎はいつものように庭を眺めてい…
杜紀夫はジャケットの内ポケットから取り出した鍵を右手に軽く握り、ドアをノックした。勿論…
慌てて取った受話器の向こうは、無音だった。だが、こんな所でイタズラ電話なんかやるバカは…
もう随分と心の乱れを感じることもなく、安心して一緒にお仕事ができるようになって。 「何…
一体何が起こったのか。元の場所に戻る方法もまるでわからない。新入生たちはひとしきり騒いで…
不慣れな夜の都市高速を必死に逃げてた。僕のランエボも相当頑張ってくれてるけど、さすがに分…
乗り心地の悪さに少々ウンザリしていた頃。彼女の運転するその車はいきなり左折して、たいそうな勢いでどこかの駐車場に突っ込んだ。ウインカーも出さずに。今さらそんなことで怒る気にもならないけど。 今どきかなり稀少な存在であるところの、いわゆるドライブインらしい。とは言っても我々の他には、やたらとでかい長距離トラックの類と、いかにも商用車といった感じのバンが数台、疎らに停まっている程度。舗装もなく、砂利敷きでもないただの地べたなので砂ぼこりがすごい。 彼女はさっさと車を降り
久しぶりの小旅行の帰りだったように思う。新幹線の中で二人並んで座っていた。平日の指定席…
「んーとね、じゃあパパとお父さんのナレソメが知りたい」 「…はぁ?」 「いいじゃん、一緒に…