面白い小説には二つの種類がある

こんばんは。しょうゆです。

最近、籠ることが多く、また読書家の方と仲良くすることも増えてきました。そんな中、自分の感覚は決して他人と同じではないとの前提で、あくまで個人的に思うことですが、面白いなと感じる小説には2つのタイプがあります。

ひとつは、脚本として面白い小説。
お話や展開や設定が面白く、わかりやすく、あるいはスリリングだったりして、面白かったな、わくわくしたなと感じる作品です。
私は人気の出る小説の大部分がこれにあたるように感じます。脚本が明快で優れているので、大抵は映画化されたりしても楽しめたりします。人を選ばず愛され、ベストセラーになっても納得です。


で、もうひとつのタイプは。


脚本で魅せるのではなく、著者がひたすら何かを表現したくて文章を書いたというタイプの作品です。何かを表現せずにはいられず、その手段が文章だっただけだという感じ。
たとえ著者本人にその自覚がないとしても、読んだ自分にはそう感じられる本です。
内容が濃いか、メッセージ性があるかないか、という点はあまり関係ないように思います。
この人は、文章を書くことで自分を、あるいは自分が感じている何かをどうにかして表現しようとしているのだ、あるいは表現することを通じて生きようともがいているのだ、この人はそうすることしかできないのだと、そう感じる本、この手の小説は、万人受けするとは限らない印象なんですが、大好きです。他メディア化するとたちまちその尖り具合がわかってしまう気がします。


私はどちらのタイプも好きなのですが、個人的には
何度も読み返すほど好きというのは後者のタイプです。作者その人に興味が湧いてくる。この人には世界がどう見えているんだろうと。
この言い方は間違っているかもしれませんが、前者は商業的に優れている作品で、後者は芸術的な作品とも言えるかもしれません。


面白いという言い方はもしかしたら適切でなくて、癖になると言った方が正しいかも、でも、好きや面白いってそういう種のものもありますよね。

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