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歌謡曲は死んだのか?否。若い脳が刺激され、受け継がれていく阿久悠の遺伝子

年の瀬迫った12月29日放送回は、時代のトレンドメーカー・阿久悠さんの『男の名曲集』。星の数ほどあるヒット曲の中から、今回は男性を主人公とした歌に絞ってベストテンを選び、森進一さん、三山ひろしさん、真田ナオキさんに歌って頂きました。
 
   過去の遺産となった『歌謡曲』
さまざまな番組で特集が組まれ、その存在が神格化している阿久悠さんですが、音楽の聴き方やジャンルが加速度的に多様化している今、阿久さんの主戦場であった『歌謡曲』というジャンルは、若い世代にとって完全に過去の遺産として認識されています。
 
では、『歌謡曲』はもう死んだのか?いいえ、決してそうではありません。
Spotifiy のデータを分析した研究結果によると、音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成され、その後の志向に最も影響を与えるとのこと。そんな音楽感受性が最も高い14歳を、阿久さんが国民的ヒットを連発し続けた昭和40年代から60年代に通過した昭和世代はざっと4千万人以上。さらに、リアルタイム世代ではないモーニング娘。やAKB 48を初め、後継アーティストたちも阿久悠作品をトリビュートカバーしており、若い脳にとって魅惑的で刺激性の強い阿久悠作品は知らず知らずのうちに刷り込まれ、遺伝子の中に組み込まれていると考えられます。
 
      昭和的・憧れの男像
阿久悠さんが昭和世代に影響を与えたのは音楽的志向だけありません。その歌作りを通して人間の『生き様』や『生き方』を提示してきました。例えば、今回の『男の名曲集』というテーマに則して例を挙げれば、河島英五の『時代おくれ』や西田敏行の『もしもピアノが弾けたなら』では不器用で泥臭い人間味が共感を呼ぶ男の生き方を描き、小林旭の『熱き心に』では男が惚れる生き様を体現。『宇宙戦艦ヤマト』ではアニメの主題歌ながら、壮大な旅に向かう大人の男のロマンを歌にしました。
 
そんな『男の名作』が目白押しの今回のランキング、他にも樹木希林さんが絶叫したジュリーやちびまる子ちゃんが激推しした西城秀樹のような輝かしいポップスターのヒットソングや、阿久さんの未発表曲を没後に森進一さんが作曲した幻の作品など、見どころ・聞きどころが満載!12月29日(木)よる9時を、どうぞお楽しみに!

ゲスト: 森進一 三山ひろし 真田ナオキ

構成作家 工藤ひろこ

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