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【AIR】個人にとっての住宅資産性を高める手段とは何か〜都市政策による資産形成と劣化(推薦図書あり)

昨晩はちきりんさんとの月イチのゆるいラジオ(というか、何か二人での対話を限定で配信している感じのスタイルになっています)で震災復興について触れました。その内容についてはちきりんさんがまとめてくださっているので、ぜひ聞き寂れた方はこちらをどうぞ。

さて、その中で住宅についての話がかなり大きなテーマとして出てきました。震災復興でもやはり大きいのは生活の場である住宅の復興は非常に大きな部分を占めるからです。が、それは単に震災時だけでなく多くの人にとって人生で「住宅」をどうするかというのは人生を通じた大きなテーマと言えるでしょう。2月のちきりんさんとの対談のテーマは「住宅」になりましたので、またお聞きいただければと思います。

さて、住宅がなんで厄介かといえば、その理由はなんとなく5つあって、いずれもこのような商品に皆が慣れていない中、購入せざるをえないからあれこれと議論が都度都度まきおこるのだと思います。

(1)人生で最も大きな買い物になる方が多いから
 →金額が大きく大抵は住宅ローンを活用して将来の自分の稼ぎをもとにして前借りした買い物であり、その金額が非常に大きい。

(2)長期間にわたり保有する場合が多いから
 →短期的に保有して終わるのではなく、長期間にわたり保有し、適切なメンテナンスが要求されるものの、そのような商品をあまり購入したこがない。おそらく個人としては最も自動車が近いが、自動車と住宅だと何倍も使う時間が違うことが多い。ライフサイクルコスト全体をみていくということに慣れていない。

(3)消費型のものではなく資産性を考慮できる買い物だから。
 →一般的な買い物は買っても使ったら終わるものですが、住宅は不動産ですのでそれ自体の資産性というものも考慮できるものでもあります。が、大抵の人は自分の消費と資産性のある投資とを区分したB/S型の家計管理まで意識している人が少ないので混乱する。

(4)大抵人生で1度で終わる買い物だから
 →何度も購入すれば学習できるものの、一度きりの買い物であった場合にはなかなか学びを得てよりよい買い物をするという機会がない。

(5)価値観によって変わるもので、損得だけでもないから
 →住宅を購入するか、賃貸でいいか議論が巻き起こる原因の一つは、損得だけでみるか、価値観でみるかなど多角的な評価が住宅にはできるからです。同時に住むところ、というのはそれだけ人にとっては重要なものでもあります。人生における収入、与信をともにフル活用しながらそれぞれの価値観と損得勘定によってどういう選択をするか、というあたりは非常に勘定の面と、感情の面が合わさったところにあると思っています。同時になくなったら困るという一種の心理的なベースもあるところです。

○ 複雑な住宅の価値構成

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