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活性化のための開発するとまちが早く死ぬ理由【中東・欧州出張記 #3】

ポルトガルに到達しています。ポルトガルは今や総人口が1000万人の国になっています。大航海時代、覇権国として植民地支配を世界でやっていたのも今は昔、数百年で落ち着いた国になっています。

そんなポルトガルのリスボンは、54万都市。観光地として大人気なのは、風光明媚な海のある街と共に、物価も安く、治安も安定しているからです。女性二人旅も多く、海産物が大好きな我々日本人にも馴染みあるタコ、イワシなどが食べられることでも人気です。

さてさて、そんなリスボンは大航海時代の大資産があり、旧市街地などはじめ様々なかつて栄華を極めた時代のものが残っています。海があり、坂があるという昔から港町としてのランドスケープもよいこともあり、これらのエリアは大人気。小さな間口の建物が立ち並んでいて、それらの小さなスペースに多用な個人店が立ち並びます。そういうところに名店も隠れ潜んでいて、さながらドラクエのような冒険心をくすぐられます。

が、一方で、旧市街地の外側に出ていくと、工業化以降に開発された新しいエリアがあり、そこには近年建て替えられただろうビル等が立ち並んでいるのですが、廃墟状態で放置されているものが多数あります。これ欧州の盛衰を経験した都市あるあるなのです。

なぜこのような構図ができるか、です。日本においても衰退すると、古いものを壊して、新たしいものを開発しようとしている地域は多数ありますね。それででかいビルを建てて、まちがさらに死ぬという活性化どころか、衰退加速になっちまうことが少なくありません。それは新しいものが良いもので、古いものはだめという画一的な考え方ですね。

都市経済、エリア経営の視点からすると全くもって大間違いなのです。

○ 旧市街地が人気になる理由

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