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【AIR】里山十帖、松本十帖を回り考える、ローカルガストロノミーとデザイン思考の地域マネジメント【その1】

今月は忙しく移動しています。今、福岡空港にいるのですが、飛行機も以前とは比較にならないほど混雑して、ついに福岡便のクラスJシートとかは満席になっています。先日も東海道新幹線では立ち客まで出たりと一気に人が動き出しています。ま、とはいえ減便は続いていますから、まだまだ旅客関係企業は大変ですね。

さて、先日新潟の里山十帖と、松本にある松本十帖に行ってまいりました。里山十帖は以前もいったことがありますが今回は一棟貸しの宿が出来たということでそちらに、同時に松本十帖はお初の訪問でした。2泊3日で同施設の経営者である岩佐さんにご同行頂き大変いろいろなお話もできたので、私なりにこれらの取り組みについて動画と写真を踏まえつつご紹介したいと思います。

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○ 世代交代によって作り出されるローカルガストロノミーとデザイン思考

今回まわっていて、岩佐さんたちの里山十帖まわりの飲食集積についてご案内頂いたのだが、地元の野菜、醸造技術を軸にしつつも、やはり事業継承の早さ、その上でちゃんと投資してデザインがちゃんとした店へと変貌遂げていくという流れが、リターンしているのを感じたところです。

地方の多くは人口も多かった時代の背景で内需型、つまりは地元客しか見ていないことも多いわけですし、それはそれで悪くないけど、やはり外からのお客さんの目的地にはならない店も結構多い。腕はたしかだけどコンセプトとデザインが貧弱なのと、年寄の経営者だから投資する与信がない場合もあるわけです。それがこの数年でしっかり事業継承され、実力をさらにまして地元のコンテクストをいかした店を次の世代が進化させていって、その上で店舗投資を行って一気に単価も引き上げていけることに成功していたり、集客の範囲を大きく広域に広げられていたりするのです。

このあたりは人口減少でも、一次産業中心社会であっても、いやむしろそうだからこそ活かせる戦略だと思いますし、どこの地域でも大切。

新規創業よりも、実は今の事業者の第二第三の創業と、それに伴う投資促進のほうが地方は近道のように思いました。

ぜひこの秋に度に出られるので、地域のことを知る宿として大変おすすめです。その旅程の参考になると思うので、時系列で書いていきます。

○ 素晴らしいそば文化に求められる適切な投資

まず魚沼向かう入り口たる、越後湯沢に到着。そばと醸造文化とまちづくりを見ていくのが初日テーマでした。

まずそば1件目は越後湯沢駅前にある「しんばし」に入ります。

ここは老舗蕎麦屋ですが、越後湯沢の問題はそこそこ客が来るが、あんまり儲からない(昔があまりにも儲かりすぎた)ということで設備投資しない店ばかりというところにあるのです。投資しないから昭和な古臭い店ばかりで、今の客層からするとテンションは全くあがりません。都内とかどんどんおしゃれな蕎麦屋があり、飲みながら蕎麦を食べるというのはよくありますよね。しかしいわゆる食堂としてのそば屋しかないのです。

そこをちゃんと投資して店をリニューアル、別に敷居をあげるという意味ではなく、普通に安心して家族連れでも、カップルでも、グループでも気持ちよく行きたいとい思える店に変貌しています。

ここで絶対に食べなくてはならないのは、「蕎麦」と共に「まいたけ天ぷら」です。

以下のような立派な舞茸の天ぷら。そこら辺では食べられません。

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