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政府に陳情では再生しない。自分の頭で考え、行動する都市/地域経営を実践する人材が鍵【4】

さて、昨日こんな記事が出ていました。観光振興、農業振興について、新政権に注文、といった具合です。ま、こういう声もあるのでしょうが、こういう陳情して政府にどうにかしてもらう、みたいな姿勢こそ、地方衰退の原因なのです。

そもそも地方が発展していた時代は、地方が金を払って政府関係機関を誘致したり、自分たちで投資をして教育機関を設立したり地方の方々がしていたのです。福岡市が地方最強の都市になった理由でも書きましたが、九州帝国大学は財界人の資金を大きく集めて、長崎、熊本に競り勝って誘致に成功しています。これが今も福岡が学都として京都に次いで地方で若者を集める基盤になっているばかりではなく、内需としても極めて大きな機能を果たしています。

福岡が陳情して、国が予算を出して「福岡に作ってくれた」のではなく、福岡が金だすからここに決め手や、と地方からアプローチをしかけていったのです。「やることを考え」「必要な予算を自分たちでだす」からこそ、その地域は他の地域を出し抜いて一歩前に出れるのです。

にもかかわらず、未だに出身者が国会議員になったから陳情して、、、みたいな話をするのは時代錯誤にもほどがあります。高速道路、新幹線が通ったからといって発展していない地域は山程あります。作るのはよしとしても、それを活用することは地元次第なわけですから、金引っ張って工事しただけでは、工事期間中しか活性化なんかしないのです。

これから必要なのはこういう、陳情して政府にどうにか、ではなく、自ら考え、必要な戦略を組み立て行動し、そこに民間資金や政府資金を集めてくるという当たり前なことができる地域の人材なのです。そういう人がいないんです、だから政府に頼るしかないんですというところは、遅かれ早かれ衰退が極まることでしょう。

できる人がいるからできるのではなく、やる人がいるから、挑戦する人がいるから、自ら学び行動する人がいるからこそ、最終的に「できる」のです。やりもせず、苦労もしたくない、金も出したくない、人の智慧と金でどうにかしてもらおうなんてところで発展したところが有史以来どこにあったでしょうか。

ということで、この連載も今回でまとめになります。

私はこのような意識から、都市経営プロフェッショナルスクールにも取り組み、実践しながら学ぶための機会作りを徹底してきています。と同時にそれらの人々が地域を超えて支え合う関係作りです。で、昨年からはそれを高校生に、今年から大学生にまで広げて取り組んでいます。つまりは皆で取り組む仲間を作り、自ら考えられる力をもつ人を地域で作り出し、皆で挑戦するほかないのです。何より私も挑戦する。

いつまでも政権が新しくなったら「さあどうにかしてください」なんてお手並み拝見的な姿勢で地方がいる限り、何兆円の予算が組まれようと今までの流れは変わらないでしょう。自ら挑戦して動けば、数十万のお金からでも地域は複利のちからで変わるのです。

積小為大なのであります。

とるべき打ち手「好敵手の創造」

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