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1人3回×3人=9回針を刺される・・しかも毎回・・・

リハビリをするようになり、車椅子への乗り降りが出来る状態になり、お風呂に入れなくても頭を洗ってもらえるようになり、頭を洗ってもらえる時はとても気持ちよかった。


洗面室に頭を洗う所があり、美容室のシャンプー台のようなものがあり、そのシャンプー台の前の椅子に座って背もたれが倒され仰向け状態になり、美容室で頭を洗ってもらう時と同じような感じで頭を洗ってもらった。

「美容室みたいですねぇ」なんて言うと、看護師さんは「美容師さんみたいに上手には出来ませんけどねぇ」なんて言って2人で笑いながら頭を洗ってもらった。

洗ってもらいながら看護師さんの仕事も大変だなぁなんて思っていた。

洗ってもらうと気持ちよくて気持ちよくてたまらなかった。

本当に気持ち良かった。

「すごく気持ちいいです」と言うと看護師さんもにこにこしてくれた。

頭を洗えない間は髪がべたっとしていたが、頭を洗ってもらってドライヤーで髪を乾かしてもらった後は髪がサラサラして気持ち良かった。



入院して間もなく、母が上履きを買ってきてくれていた。

「スリッパは危ないから脱ぎ履きがしやすくスポッと抜けないものがあると良い」と看護師さんから言われたかららしかった。

母はそれで上履きを買ってきてくれた。

よく上履きを思いついたものだと母の発想に感心した。

その上履きは濃い緑色のラインの上履きで、上履きを30歳にもなって履く日がくるなんて思わなかった。




入院中、点滴はいっとき続いていた。

定期的に針の差し替えに看護師さんが来た。

針が入らないとやり直しをするのだが、これがなかなか入らない。

1人目が3回チャレンジして針が入らないと2人目の看護師さんが来る。

2人目の看護師さんも3回チャレンジするものの針は入らず3人目の看護師さんが来る。

3人目の看護師さんの3回目でやっと針が入る。

点滴の針の差し替えはだいたいいつもこんな感じだった。

点滴の針に刺されるのは注射とは違って相当痛い。

相当痛いのが3人×3回でけっこうな苦痛だった。

なので、針が入ると看護師さんも「やっと入った」という感じでほっとしていたが私もかなりほっとしたものだった。

手には点滴の針が刺さっているので、寝返りをうつ時は神経をつかった。

因みに、半身を動かせないと寝返りも大変なのだが、寝返りをうつ時は「よいしょっ」という感じで重い岩を持ち上げるような感じだった。




担当医の先生は私の脳梗塞の原因を調べてくれたが、結局原因はわからなかった。

考え得る可能性は当たってくれたらしい。

担当医の先生は、病室に来てそのことをわかりやすく教えてくれた。

「脳梗塞の原因がわかるといいんだけど、その原因にあたるようなものがないんだよねぇ・・・」と神妙な顔をされていた。

私はこの時もまだ軽く考えていて、「原因わからないのかぁ・・・へぇ・・・」くらいしか思わなかった。

この時は「へぇ」くらいのことしか思わなかったのだが、原因がわからないことでその後何に注意して生活すればよいのかわからず困ることになった。

とりあえず規則正しい生活や食事には気を付けるようにした。




つづき

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