アレコレと使い方ある鏡かな
日本の住宅建築で大きな鏡を使うことはあまり見かけません。使っても洗面台の所でしょうか。
部屋の中に大きな鏡を置くほど部屋が広くない、または天井が高くない、と言うのが現状です。
パリのアパルトマンやヨーロッパの住宅の写真などでは、結構な頻度で大きな鏡を置いている部屋が雑誌などでも紹介されています。
暖炉の上などに鏡がついていたり、部屋に鏡とシャンデリアがあって美しい調度品が置いてある、などです。
これを、そのまま日本でやろうと言うのは、ちょっと無理があるかもしれません。それに、日本人はあまり鏡を見ない気がします。映っている自分に見られているのも嫌かもしれません。
鏡に映った自分をあまり好きでないのでしょう。
コンプレックスもありますし。その辺りが海外の文化と違う所ですね。
今回、書きたいのは、自分を映すと言うより、部屋を広く見せるために置く鏡です。
自分がいつも座るところから、見える位置に鏡を起きます。
斜めの目線がいいでしょう。そうすると部屋の別の位置が映り、その鏡がフレームになってその奥に部屋が続いているような感覚になります。
そのために大きな鏡でなくてもいいのです。
丸い(円の)鏡などは窓のように見えれば、その鏡の裏側に部屋があるように見えるでしょう。
日本では昔、塗り壁を用いた唐様建築に見られるが、近世では書院造りや茶室、数寄屋造りに使われます。日本建築の丸窓は禅の悟りを意味する円相からきており、「円窓」という表記が用いられる場合が多いようです。西洋建築では教会に丸窓が設けられることもあります。
今回の写真の鏡は大きな物なので部屋の一部が奥に続いているように見えます。ちょうど、クローゼットの前なので着替えた時にも全体をよくチェックできます。
また、部屋にはいる時には、扉の少し斜め正面なので、部屋に入って来た時自分を映す事なく鏡に映った広く感じる部屋を見る事ができます。
そして、横につけた手作りのランプがまたお洒落です。とてもモダンな感じを醸し出してくれます。
この鏡は実は結構古いもので、私の祖父が戦後開業するにあたって買い求めたものらしく、ドイツ製のものだそうです。
鏡の縁取りがレトロな感じで職人の技がみて取れます。
1950年に購入したとして、制作はもう少し前になるでしょう。仮に1944年に制作だとしても80年経ったものということになります。
それなのに鏡には曇りや、サビや劣化などはみられません。良いものを購入していた祖父のことなので、多分、質の良いものだと思われます。
裏を見るとこんな感じです。
椅子と比較しても大きさがわかります。
裏は全面板張り。枠も木です。鏡のガラスも暑いと思われます。
その為、重量は15kgぐらいあります。
私はこの鏡を祖父の遺品として譲り受けたのですが、設置が大変苦労しました。地震が多いこの国で一番は耐震性です。
ラックをまず固定。その上に鏡ですが、鏡の下側をラックに固定。
そして鏡の上はネジが嵌め込んであったのでこのネジを天井に固定。
そこに隙間を埋めるゴムを挿入
一応、これで安定していますが、震度7以上の揺れでは多分倒れるでしょう。そこまで強い揺れの時はもう、部屋中がグチャグチャになっちゃうので諦めもつくでしょう。鏡の下敷きにならないように注意するだけです。
私の住んでいる辺りは地盤が硬いからと、言われていますが。今の時代起きたことのないような事が起こるのでなんとも言えません。
耐震性についてあれこれ書いたはずなのに、最後は、その時には諦めると・・・なんとも情けない話で終わってしまい。恥ずかしいです。
とりあえず、今回は鏡の話でした。