第276話 おとん
明日は子供の日。
連休の最終日。
いつも、5月4日は、色々考える。
7歳。
自分が、ちょうど小学校2年生の時。
おとんが亡くなった。
ずいぶん前だけど、よく覚えてる。
5月4日になるとよく思い出す。
父親は、5月5日に亡くなった。
早朝、まだ日も明けてない時間。
その日は、町内会のお祭りの日。
子供会で、お神輿を出す日。
寝ていたのに、叩き起こされた。
寝ぼけ眼で、親戚の車に乗って病院へ。
すでに、遅かった。
かなり前なのに、その光景だけはよく覚えてる。
みんな泣き崩れて。
みんな泣いてた。
死因は肝硬変。
腹水も溜まってた。
黄疸も出てた。
今思い返せば。
ひどく苦しんだと思う。
父親が横たわって、ベットには吐血の跡があった。
病院に着いた時、亡くなってはいたが、まだ目を見開いていた。
幼かった自分は、怖くて近づけなかった。
大好きな父だったのに。
色々あった父だったので、残された家族は、それから色々大変だった。
母親も苦労したし、兄弟も、私も。
学生時代は、生まれを悔やんだこともあった。
でも、父親は大好きだった。
私は四人兄弟の末っ子。
年齢が離れてた末っ子の私はとても可愛がられた。
多分怒られた記憶がない。
いつもいつも優しい父親。
そんな印象しかない。
父親が亡くなって、人生が変わった。
トラウマになってることもあるかもしれない。
今さらそれに関して、どうこう言う必要はない。
でも、いつも思い出す。
5月4日は、いつも。
明日はおとんの命日。
色々考えながら、すごす1日。
年に1回
明日はそんな日です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?